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3章 群雄割拠
間話休題⑧ 張角三兄妹
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これは黄巾の乱が始まる前のこと広宗に仲の良い3兄妹が居た。一番上を張角・真ん中を張宝・一番下を張梁という。張角は医術書を読み漁り、民の病を内科的に判断して、病を特定、適切な治療を施していた。これらを無料で行なっていたことから大賢老師と親しみを込めて呼ばれていた。これは、そんな3兄妹が黄巾の乱の首謀者に仕立て上げられる少し前の話である。
張角「宝・梁、飯ができたぞ」
張宝「兄上の作るご飯美味しいからたくさん食べられる~」
張梁「姉上、ずるい。僕も僕も」
張角「こらこらたくさんあるでの。取り合うでない」
張角の家は裕福であった。父は朝廷に仕える役人。母は農業をやっていた。食べ物にも困らずお金にも困らない。そんな生活だった。そんな張角は、黄帝という人が記したとされる病を何でも治せる秘術書である太平清領書なるものを探していた。彼は優しい性格だった。病で苦しむ民から病を取り除いてやりたい。そのためならお金は取らないという奉仕精神の塊のような人であった。そして、20歳となった今、父と母が亡くなり、5歳下の妹と10歳下の弟を養いながらあらゆる医術書を読み漁り、できた農作物を売る日々を送っていた。そんな日々の中で、杖を付いた仙人のような見た目の男と出会う。
???「すまんのぅ」
張角「いえ、こちらも書物を読んでいて気付きませんでしたので、何処か痛いところはありませんか?」
???「ホッホッホ。真に医術を学ぶにふさわしき若者じゃの。ワシの名は南華仙人と申す。医術に携わる者じゃ。突然じゃがワシの弟子にならんか?」
張角「これはご丁寧に。張角と申します。願ってもない話ですが良いのですか?」
南華仙人「構わんて」
南華仙人の家に着くと1人の風貌が怪しい男が医術書?を読んでいた。
???「待ちくたびれたぜジジイ。早く医術を教えろよ。ってお前誰だよ?」
張角「張角と申します」
???「へーそう。で何?お前も探してんの黄帝の幻の書物?」
張角「何処にあるか知ってるんですか?」
???「知ってたとして教えると思うか?馬鹿だろ。あれがあれば金を稼ぎ放題なんだぜ」
張角「そのようなことに使うなど許せん」
一触即発の状態となる2人を杖で殴る南華仙人。
南華仙人「張角・于吉、やめんか馬鹿者」
この怪しい男の名は于吉というのか。読んでいる書物は、あれは呪いの書物!?この男、一体何を企んでいる。警戒しつつも共に南華仙人のところで学ぶ2人。そして、事件が起こる。南華仙人が死んだのだ。内科的には、心臓発作なのだが突然だったのだ。それと同時に兄弟子である于吉が消えた。そして、俺にも呪いがかけられていたようだ。急激に歳を取り衰えゆく身体。于吉の仕業に違いない。何としても太平清領書の在りかと于吉を追わねば。広宗へと帰った張角を民衆たちがワシと同じ黄巾の頭巾を巻いて出迎える。その中には妹、張宝のことを好いている波才。弟、張梁の幼馴染でやんちゃ仲間の張曼成・馬元義がいた。
張宝「兄上のおかえりをお待ちしておりました」
張角「宝・梁、お前たち頭に何を巻いておるのじゃ」
張梁「兄貴のこと好いてる奴らが兄貴と同じになりたいって巻いたのが始まりでよ。俺たちも兄貴を好きな気持ちは負けねぇって付けたんだ。どうだ似合ってるだろ」
張角「馬鹿者め。だが、こんなに嬉しいことはないぞ。ゴホゴホ」
張宝「兄上、その見た目、それに身体どうされたのです?」
張角「ハハハ、宝よ。流石、ワシと同じく医療の道を志したお前にはわかるか。どうやら先は長くなさそうじゃ」
張宝「そのようなことをおっしゃらないでください。必ずや私が治してみせますから」
張宝の見た目は女らしくなくボーイッシュ、外で名前を呼ぶ時は張梁も宝にぃと呼んでいたため周りからは仲の良い三兄弟に見えていた。張角が広宗に戻りしばらく経った頃。張宝・張梁・張角に助けられた者たちが張角の病を治すため太平清領書を探し回るが見つからない。そんな中、張角はどんな病も治せる幻の秘術書太平清領書と皆んなが太平に暮らせるという願いを込めて、太平道を興す。そして、これが三兄弟の運命を大きく変えることとなった。
太平道信者「各地で暴動が発生、その者たちは全員黄色の頭巾を巻いていたとのこと。朝廷が討伐に動き出しています」
張角「ワシの想いとは違う方向で巻き込まれようとはな。ゴホゴホ」
張宝「兄上」
張角「ワシの命の灯火もそう長くはないであろう。父は朝廷に仕えた名臣。ワシもこの身体を推して朝廷に最後の御奉公を致そう。賊どもをまとめてがんじがらめにして逃げられんようにしてくれる黄巾党の結成じゃ。ゴホゴホ」
張宝「兄上の覚悟、しかと受け取りました。私もいえ俺も兄上を支えるべく、指揮官となりましょう」
張梁「姉、いや宝兄貴、そうだよな俺たちで兄貴を支えてやろうぜ」
波才「張宝様の御身を守ろう」
張曼成「張梁、俺たちも付いてくぜ。なぁ馬元義」
馬元義「おぅよ」
そう張角は、暴れ回る全ての黄色い頭巾を巻いている賊を黄巾党の一員だと言い切った。これは、賊どもも逃げることはできず朝廷に立ち向かうしかない状態へと持っていったのである。そんなことを聞き、ニヤリと笑う男がいた。
???「張角の奴め。大規模な反乱の首謀者に仕立て上げて、汚名を着せて殺してやろうと思うたのに。考えたよったな。扇動した賊どもに何か言われるのはごめんじゃ。失礼すると致そう。ヒョッヒョッヒョ。それに奴がワシの呪いに何処まで抗えるのか見ものじゃしのぅ。ヒャヒャヒャヒャヒャ」
こうして、大規模反乱の首謀者に仕立て上げられた張角は、劉丁義賢と運命の出会いをし、その命を繋ぎ止めることに成功し、張角診療所にて内科の名医と呼ばれるに至るのである。
張角「宝・梁、飯ができたぞ」
張宝「兄上の作るご飯美味しいからたくさん食べられる~」
張梁「姉上、ずるい。僕も僕も」
張角「こらこらたくさんあるでの。取り合うでない」
張角の家は裕福であった。父は朝廷に仕える役人。母は農業をやっていた。食べ物にも困らずお金にも困らない。そんな生活だった。そんな張角は、黄帝という人が記したとされる病を何でも治せる秘術書である太平清領書なるものを探していた。彼は優しい性格だった。病で苦しむ民から病を取り除いてやりたい。そのためならお金は取らないという奉仕精神の塊のような人であった。そして、20歳となった今、父と母が亡くなり、5歳下の妹と10歳下の弟を養いながらあらゆる医術書を読み漁り、できた農作物を売る日々を送っていた。そんな日々の中で、杖を付いた仙人のような見た目の男と出会う。
???「すまんのぅ」
張角「いえ、こちらも書物を読んでいて気付きませんでしたので、何処か痛いところはありませんか?」
???「ホッホッホ。真に医術を学ぶにふさわしき若者じゃの。ワシの名は南華仙人と申す。医術に携わる者じゃ。突然じゃがワシの弟子にならんか?」
張角「これはご丁寧に。張角と申します。願ってもない話ですが良いのですか?」
南華仙人「構わんて」
南華仙人の家に着くと1人の風貌が怪しい男が医術書?を読んでいた。
???「待ちくたびれたぜジジイ。早く医術を教えろよ。ってお前誰だよ?」
張角「張角と申します」
???「へーそう。で何?お前も探してんの黄帝の幻の書物?」
張角「何処にあるか知ってるんですか?」
???「知ってたとして教えると思うか?馬鹿だろ。あれがあれば金を稼ぎ放題なんだぜ」
張角「そのようなことに使うなど許せん」
一触即発の状態となる2人を杖で殴る南華仙人。
南華仙人「張角・于吉、やめんか馬鹿者」
この怪しい男の名は于吉というのか。読んでいる書物は、あれは呪いの書物!?この男、一体何を企んでいる。警戒しつつも共に南華仙人のところで学ぶ2人。そして、事件が起こる。南華仙人が死んだのだ。内科的には、心臓発作なのだが突然だったのだ。それと同時に兄弟子である于吉が消えた。そして、俺にも呪いがかけられていたようだ。急激に歳を取り衰えゆく身体。于吉の仕業に違いない。何としても太平清領書の在りかと于吉を追わねば。広宗へと帰った張角を民衆たちがワシと同じ黄巾の頭巾を巻いて出迎える。その中には妹、張宝のことを好いている波才。弟、張梁の幼馴染でやんちゃ仲間の張曼成・馬元義がいた。
張宝「兄上のおかえりをお待ちしておりました」
張角「宝・梁、お前たち頭に何を巻いておるのじゃ」
張梁「兄貴のこと好いてる奴らが兄貴と同じになりたいって巻いたのが始まりでよ。俺たちも兄貴を好きな気持ちは負けねぇって付けたんだ。どうだ似合ってるだろ」
張角「馬鹿者め。だが、こんなに嬉しいことはないぞ。ゴホゴホ」
張宝「兄上、その見た目、それに身体どうされたのです?」
張角「ハハハ、宝よ。流石、ワシと同じく医療の道を志したお前にはわかるか。どうやら先は長くなさそうじゃ」
張宝「そのようなことをおっしゃらないでください。必ずや私が治してみせますから」
張宝の見た目は女らしくなくボーイッシュ、外で名前を呼ぶ時は張梁も宝にぃと呼んでいたため周りからは仲の良い三兄弟に見えていた。張角が広宗に戻りしばらく経った頃。張宝・張梁・張角に助けられた者たちが張角の病を治すため太平清領書を探し回るが見つからない。そんな中、張角はどんな病も治せる幻の秘術書太平清領書と皆んなが太平に暮らせるという願いを込めて、太平道を興す。そして、これが三兄弟の運命を大きく変えることとなった。
太平道信者「各地で暴動が発生、その者たちは全員黄色の頭巾を巻いていたとのこと。朝廷が討伐に動き出しています」
張角「ワシの想いとは違う方向で巻き込まれようとはな。ゴホゴホ」
張宝「兄上」
張角「ワシの命の灯火もそう長くはないであろう。父は朝廷に仕えた名臣。ワシもこの身体を推して朝廷に最後の御奉公を致そう。賊どもをまとめてがんじがらめにして逃げられんようにしてくれる黄巾党の結成じゃ。ゴホゴホ」
張宝「兄上の覚悟、しかと受け取りました。私もいえ俺も兄上を支えるべく、指揮官となりましょう」
張梁「姉、いや宝兄貴、そうだよな俺たちで兄貴を支えてやろうぜ」
波才「張宝様の御身を守ろう」
張曼成「張梁、俺たちも付いてくぜ。なぁ馬元義」
馬元義「おぅよ」
そう張角は、暴れ回る全ての黄色い頭巾を巻いている賊を黄巾党の一員だと言い切った。これは、賊どもも逃げることはできず朝廷に立ち向かうしかない状態へと持っていったのである。そんなことを聞き、ニヤリと笑う男がいた。
???「張角の奴め。大規模な反乱の首謀者に仕立て上げて、汚名を着せて殺してやろうと思うたのに。考えたよったな。扇動した賊どもに何か言われるのはごめんじゃ。失礼すると致そう。ヒョッヒョッヒョ。それに奴がワシの呪いに何処まで抗えるのか見ものじゃしのぅ。ヒャヒャヒャヒャヒャ」
こうして、大規模反乱の首謀者に仕立て上げられた張角は、劉丁義賢と運命の出会いをし、その命を繋ぎ止めることに成功し、張角診療所にて内科の名医と呼ばれるに至るのである。
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