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3章 群雄割拠
間話休題① 呂舞の過去(序)
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時は遡り、黄巾の乱が活発になる少し前、幽州の楼桑村から少し離れたところにある村で、両親と兄と共に暮らす1人の可愛い少女が居ました。少女の名前は、呂舞。鍛治師である父の才能を受け継ぎ、6歳にして斬新な発想で武器を作っていました。兄とは8歳程離れていて、その兄は武芸に秀でていたため、幽州の遼西郡を治めていた太守である侯羯に仕えていた。
1人の男が鍛冶屋を訪ねた。
???「おい、お前。武器が居るんだ作れよ」
父「へい、らっしゃい。それでどんな武器が必要で」
???「へい、らっしゃいだ?こっちは客だぞ。不遜な態度とってんじゃねぇよ。俺が誰だかわかってんのか。あぁ。この幽州の豪族、誡拳様だぞコラ」
父「すいません」
誡拳「そうだ。平民は這いつくばってりゃ良いんだボケ」
呂舞「父上ー、次はこんな武器どうかな?」
父「舞、お客様が来ているから後ろに行ってなさい」
呂舞「わかったー」
誡拳「今の女は誰だ?」
父「すいません。うちの娘が失礼を」
誡拳「気に入った。俺の嫁にもらってやる。良いよな」
父「それだけは勘弁してください。武器の代金は要りませんから娘だけは」
誡拳「しゃあねぇな。だったらここにある武器全てもらう。勿論タダでだ。お前がそう言ったんだからなぁ」
父「わかりました」
誡拳は武器を連れてきた男たちに手渡すと帰っていった。
父「とんでもない客だったがこれで舞を守れたなら良かった」
その日の夜の食卓。
母「どうして、武器が無いのに売り上げが無いのよ。おかしいでしょアナタ」
父「すまない。困っている客だったので代金は後日って事で」
母「そんなの詐欺に決まってるじゃ無い。ホント、お人好しなんだからそんなのに引っかかるのよ。奉先も何か言って」
呂布「父上には父上のやり方がありましょう。母上もそう怒らないでください。それでは、今日は、夜勤警備のため行ってきます」
母「全く、可愛げない息子。馬鹿な旦那。女でありながら鍛治師に憧れる娘。どうなってるのよ全く」
普段は優しい母もこの日ばかりは、父が武器の代金を後日として受け取らなかった事に、腹を立てていたようだった。だが夜になり寝静まる中、父の悲鳴に飛び起きた母に隠れるように言われた私は身を隠し一部始終を見ていた。
父「ギャーーーーーーーーーー」
母「何、何が起こってるのよ。舞、すぐに身を隠すの。何があっても決して出てきちゃダメよ」
呂舞「わかった」
野盗のリーダー「探せ、ここの娘を攫えば、一生遊んで暮らせる金が手に入る」
野盗の一味A「ヘイ、親分。それ以外はどうしやすか?」
野盗のリーダー「殺せ」
野盗の一味B「こっちに女がいやしたぜ。上玉です」
母「離しなさいよ。そんなアナタ、返事をして」
父「・・・。」
母「そんな嘘でしょ」
野盗のリーダー「コイツは良い女だ。1発やってから殺すか」
母「アンタたちに汚されるなんてごめんよ。うぐっ」
母は舌を噛んで自害した。
野盗の一味C「あーあ、せっかく上玉だったのに」
野盗の一味D「わかってたんなら布噛ませて連れて来るとかしろよ。頭悪いな」
野盗の一味C「何だと、お前にだけは言われたくねぇよ」
野盗の一味D「あぁ」
野盗のリーダー「やめろ。上玉に死なれたのは失敗したが娘を差し出せば俺たちは一生遊んで暮らせる。探せ探し出せ」
呂舞は、悲惨な光景に声を上げず必死に耐え抜いた。その甲斐もあり野盗たちは見つけ出せず撤収し、夜が明けた。
呂布「いったい、これは何があったと言うのだ父上」
父「・・・。」
呂布「そんな、母上、返事をしてください」
母「・・・。」
呂布「舞、舞は何処に?」
茂みに隠れていた呂舞が呂布に気付いて出てくる。
呂舞「兄さん。うっうっうわーん」
呂布「舞、お前だけでも無事で良かった。何があったんだ?」
呂舞「夜に押しかけてきて、父上の悲鳴で起きて、母上に隠れてるようにと言われて、その後母上が押しかけてきた奴らに連れて行かれて、舌を噛んで。うっうっ」
呂布「もう良い。舞、辛いことを思い出させてすまない。お前のことは俺が守ってやる。父上と母上の仇も俺が」
そこに1人の男が訪ねてくる。
誡拳「ここの豪族で誡拳だ。その必要は無い。お前たちのところだけじゃなくて、この近辺の村が立て続けに襲われててな。さっき、全員打首にしてやった」
呂布「何とそれは、かたじけない」
誡拳「それでだ。どうだろう、妹を養いながら生活するのは厳しかろう。俺が面倒を見てやる」
呂布「しかし」
誡拳「生活できるようになるまでだ。それも預かるってだけだ。安心して良い」
呂布「わかりました」
誡拳「そうか、良かった。じゃあ、交渉成立だな」
呂舞は、この男の顔を見たわけではなかったため悪い男だと気付いていなかった。離れ離れとなる日、呂舞は呂布のために武器を贈る。
呂舞「兄さん、これを持ってて」
呂布「これは、良い武器だ」
呂舞「方天画戟っていう。私が作った。兄さんと再開した時にすぐわかるように」
呂布「馬鹿だな。俺がお前のことを忘れるわけがないだろう」
呂舞「それでも」
呂布「わかった。必ず迎えにいくからな」
呂舞「うん。待ってる」
誡拳「挨拶はすみましたかな?」
呂布「あぁ、すまない」
誡拳「では、出せ」
馬引き「はっ」
豪族の家に着く直前。
誡拳「ヒッヒッヒ、馬鹿な兄貴で助かったぜ。俺が両親を殺した元凶だってのによ。こんな可愛い女。俺のものにしてぇじゃねぇか。誰が一時預かりにするかっての。ヒッヒッヒ。たーっぷり可愛がってやるからよ。俺から離れられないように」
呂舞「ヒィ」
呂舞は背筋がゾクっとしたが、そこから飛び出して、馬を引いている人に全身全霊のタックルをして、馬の手綱を握り逃げた。
誡拳「待ちやがれ。やっと手に入れたんだ。逃がすな追え。傷つけんじゃねぇぞ」
野盗のリーダー「全く人使いの洗い人だ。いくぞやろうども」
呂舞が必死に逃げてたどり着いた先が楼桑村だった。
1人の男が鍛冶屋を訪ねた。
???「おい、お前。武器が居るんだ作れよ」
父「へい、らっしゃい。それでどんな武器が必要で」
???「へい、らっしゃいだ?こっちは客だぞ。不遜な態度とってんじゃねぇよ。俺が誰だかわかってんのか。あぁ。この幽州の豪族、誡拳様だぞコラ」
父「すいません」
誡拳「そうだ。平民は這いつくばってりゃ良いんだボケ」
呂舞「父上ー、次はこんな武器どうかな?」
父「舞、お客様が来ているから後ろに行ってなさい」
呂舞「わかったー」
誡拳「今の女は誰だ?」
父「すいません。うちの娘が失礼を」
誡拳「気に入った。俺の嫁にもらってやる。良いよな」
父「それだけは勘弁してください。武器の代金は要りませんから娘だけは」
誡拳「しゃあねぇな。だったらここにある武器全てもらう。勿論タダでだ。お前がそう言ったんだからなぁ」
父「わかりました」
誡拳は武器を連れてきた男たちに手渡すと帰っていった。
父「とんでもない客だったがこれで舞を守れたなら良かった」
その日の夜の食卓。
母「どうして、武器が無いのに売り上げが無いのよ。おかしいでしょアナタ」
父「すまない。困っている客だったので代金は後日って事で」
母「そんなの詐欺に決まってるじゃ無い。ホント、お人好しなんだからそんなのに引っかかるのよ。奉先も何か言って」
呂布「父上には父上のやり方がありましょう。母上もそう怒らないでください。それでは、今日は、夜勤警備のため行ってきます」
母「全く、可愛げない息子。馬鹿な旦那。女でありながら鍛治師に憧れる娘。どうなってるのよ全く」
普段は優しい母もこの日ばかりは、父が武器の代金を後日として受け取らなかった事に、腹を立てていたようだった。だが夜になり寝静まる中、父の悲鳴に飛び起きた母に隠れるように言われた私は身を隠し一部始終を見ていた。
父「ギャーーーーーーーーーー」
母「何、何が起こってるのよ。舞、すぐに身を隠すの。何があっても決して出てきちゃダメよ」
呂舞「わかった」
野盗のリーダー「探せ、ここの娘を攫えば、一生遊んで暮らせる金が手に入る」
野盗の一味A「ヘイ、親分。それ以外はどうしやすか?」
野盗のリーダー「殺せ」
野盗の一味B「こっちに女がいやしたぜ。上玉です」
母「離しなさいよ。そんなアナタ、返事をして」
父「・・・。」
母「そんな嘘でしょ」
野盗のリーダー「コイツは良い女だ。1発やってから殺すか」
母「アンタたちに汚されるなんてごめんよ。うぐっ」
母は舌を噛んで自害した。
野盗の一味C「あーあ、せっかく上玉だったのに」
野盗の一味D「わかってたんなら布噛ませて連れて来るとかしろよ。頭悪いな」
野盗の一味C「何だと、お前にだけは言われたくねぇよ」
野盗の一味D「あぁ」
野盗のリーダー「やめろ。上玉に死なれたのは失敗したが娘を差し出せば俺たちは一生遊んで暮らせる。探せ探し出せ」
呂舞は、悲惨な光景に声を上げず必死に耐え抜いた。その甲斐もあり野盗たちは見つけ出せず撤収し、夜が明けた。
呂布「いったい、これは何があったと言うのだ父上」
父「・・・。」
呂布「そんな、母上、返事をしてください」
母「・・・。」
呂布「舞、舞は何処に?」
茂みに隠れていた呂舞が呂布に気付いて出てくる。
呂舞「兄さん。うっうっうわーん」
呂布「舞、お前だけでも無事で良かった。何があったんだ?」
呂舞「夜に押しかけてきて、父上の悲鳴で起きて、母上に隠れてるようにと言われて、その後母上が押しかけてきた奴らに連れて行かれて、舌を噛んで。うっうっ」
呂布「もう良い。舞、辛いことを思い出させてすまない。お前のことは俺が守ってやる。父上と母上の仇も俺が」
そこに1人の男が訪ねてくる。
誡拳「ここの豪族で誡拳だ。その必要は無い。お前たちのところだけじゃなくて、この近辺の村が立て続けに襲われててな。さっき、全員打首にしてやった」
呂布「何とそれは、かたじけない」
誡拳「それでだ。どうだろう、妹を養いながら生活するのは厳しかろう。俺が面倒を見てやる」
呂布「しかし」
誡拳「生活できるようになるまでだ。それも預かるってだけだ。安心して良い」
呂布「わかりました」
誡拳「そうか、良かった。じゃあ、交渉成立だな」
呂舞は、この男の顔を見たわけではなかったため悪い男だと気付いていなかった。離れ離れとなる日、呂舞は呂布のために武器を贈る。
呂舞「兄さん、これを持ってて」
呂布「これは、良い武器だ」
呂舞「方天画戟っていう。私が作った。兄さんと再開した時にすぐわかるように」
呂布「馬鹿だな。俺がお前のことを忘れるわけがないだろう」
呂舞「それでも」
呂布「わかった。必ず迎えにいくからな」
呂舞「うん。待ってる」
誡拳「挨拶はすみましたかな?」
呂布「あぁ、すまない」
誡拳「では、出せ」
馬引き「はっ」
豪族の家に着く直前。
誡拳「ヒッヒッヒ、馬鹿な兄貴で助かったぜ。俺が両親を殺した元凶だってのによ。こんな可愛い女。俺のものにしてぇじゃねぇか。誰が一時預かりにするかっての。ヒッヒッヒ。たーっぷり可愛がってやるからよ。俺から離れられないように」
呂舞「ヒィ」
呂舞は背筋がゾクっとしたが、そこから飛び出して、馬を引いている人に全身全霊のタックルをして、馬の手綱を握り逃げた。
誡拳「待ちやがれ。やっと手に入れたんだ。逃がすな追え。傷つけんじゃねぇぞ」
野盗のリーダー「全く人使いの洗い人だ。いくぞやろうども」
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