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3章 群雄割拠
蘆江攻略作戦リベンジ(承)
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【孫策軍 本陣】
孫策らが無事に陣へと戻ってくる。
周瑜「伯符、何人討ち取った?」
孫策「的確な将を当ててきやがった。ありゃ、備えてやがったな。公瑾の言うとおり、凡愚を装ってやがる。何か企んでやがんのかもな」
呂範「企んでいるとしたら夜襲でしょうか?」
周瑜「あぁ、恐らく遠征軍である我らの兵糧を焼き、兵たちの士気を挫くつもりだろう。そうはさせない」
孫策「まぁ、公瑾に任せておけば、安心だろ。俺は少し休ませてもらうぜ」
周瑜「あぁ(伯符の疲弊が激しい。余程の剛の者がいたようだな)李術・祖郎・徐逸は、居るか?」
李術・祖郎・徐逸「はっ」
周瑜「夜襲に備え、荷車から兵糧をテント内に運び込め」
李術「荷車の方は処分しても?」
周瑜「いや、荷車には、草を俵のように見せかけ積み上げよ」
祖郎「成程、敵を欺くのですな」
周瑜「うむ。近くに兵を待機させておき、急いで消すようにさせ。相手に兵糧が燃やされたと思い込ませるのだ」
徐逸「心得ました」
そう義賢はミスを犯していた。前回のように孫策の突撃に対抗できず場当たり的に太史慈が出るならまだしも、今回は相手の突撃があることがわかっていた。それゆえ、知らず知らずのうちに心構えしてしまっていたのだ。それを見抜けぬほど孫策の戦闘経験は浅くはない。すぐに疑問に思い公瑾に告げた。この結果、周瑜によって、相手が夜襲による混乱を狙っていると見抜かれたのだ。夜襲とは見抜かれていないからこそ効果的なものであり、見抜かれていては、痛手を与えることはできない。ただでさえ、兵数の差もある。夜襲の成功によって、相手を崩し、畳み掛ける。そうしなければ、義賢に勝ち目はないだろう。だがこのミスに気付いていなければの話だ。義賢は、わざとミスをしたのだ。今度は裏に策略家がいると意図的に相手に強く印象を与えたのだ。周瑜を上手くコントロールし翻弄する。それが孫策軍を打ち倒すために必要なことだったからだ。
【劉丁軍 本陣】
王允「ゴホッゴホッ。劉丁殿、どうして、あのような愚策を?」
義賢「王允殿、無理はなさいませぬように。そうですね。周瑜は策を弄する者。裏に策略家を感じたらその策を読み取ろうとする。そこを利用しようと考えたのです」
王允「なんと!それでは、これも策と言うのですか!?」
義賢「えぇ、今日夜襲があると読んだ周瑜は夜眠れません。夜襲は行いますよ。一部の兵に陣太鼓を打ち鳴らさせて、大声を上げさせるだけですが」
王允「ゴホッゴホッ。改めて、貴方が味方で良かったと思います。策略家を絡めとる、それも知勇に名高き周瑜を。ホッホッホ」
義賢「王允殿、いつまで隠しておられるつもりですか?」
王允「!?義息子には言わんでくだされ。ワシの命がもう長くないと知ったら。狂ってしまうかもしれませんからな」
義賢「呂布殿は、もう1人ではありません。いえ、1人にはさせません。兄上や俺も居ます。それに、頼りになる臣下もいるでしょう。王允殿、1人が背負う必要はないのです」
王允「ワシが亡くなったら、義息子のことを宜しく頼みますぞ。ゴホッゴホッ」
義賢「えぇ、必ず。だから今は少し静養してください」
王允「わかりました」
王允が立ち去ると義賢は、張遼と甘寧。そして呂姫を呼ぶ。
張遼「劉丁殿、お呼びか?」
義賢「張遼殿、此度の夜襲の時間をズラします。朝駆けに」
張遼「!?成程、心得た。して、夜はどうするつもりか?」
義賢「呂姫殿に一芝居打ってもらう。あどけなさの残る少女、そしてあの容姿、孫策たちもまさか呂布殿の娘とは思わないだろう。偶然戦場に迷い込んだ村娘という有体で」
張遼「そのようなこと呂布殿が許すはずが」
呂姫「私は、劉丁様の役に立てるのならやる」
張遼「しかし姫様。後で、我々が怒られますぞ」
呂姫「えっ張遼は一緒に怒られてくれないの?」
張遼「うっ。わかりました。わかりましたからその眼はおやめください」
そこに甘寧が遅れて入ってくる。
甘寧「ふわぁ。すまねぇ。普段あんな時間に寝ないからよ。まだ眠いぜ」
張遼「甘寧殿は、呑気なものだな。そんなので、夜襲が成功するのか」
甘寧「うっせぇな。オッサン。夜襲ってのは静かにやるもんだと思ってんのか?俺は違うぜ。派手にやるもんだ」
張遼「馬鹿な!奇襲の意味を知っているのか?この馬鹿は?」
甘寧「俺が馬鹿だと?言ってくれるじゃねぇか。表でろや」
張遼「良いだろう。貴様のような馬鹿は言っても聞き分けん。相手してやる」
張遼と甘寧が殴り合いを始める。
呂姫「止めなくて良いのでしょうか?」
義賢「武器を使わなかったところを見ると割と冷静だと思うよ」
張遼「この馬鹿が」
甘寧「うぐっ。やり方なんて人それぞれだろうがこの石頭が」
張遼「ぐっ、それにしても奇襲で派手はなかろうが」
甘寧「ふぐっ。お前は静かに行く。俺は、派手に行く。それで良いだろうが」
張遼「うぐっ。お前とは相容れぬようだがその力は認めてやる」
甘寧「へっやっとわかったかよオッサン。オッサンも中々なもんだったぜ。流石、呂布殿の臣下ってか」
張遼「そうであろうそうであろう」
まるで少年漫画のように殴り合いで勝手に2人で解決する。お互い顔を腫らしながら。そして夜がやってくる。
義賢「兵たちに告ぐ。派手に陣太鼓を打ち鳴らして、敵軍を驚かせてやれ」
劉備軍兵士「オオオオオオオ」
孫策軍の兵士たちは、突然の陣太鼓で飛び起き、身構える。だが、一向に奇襲がやってくる気配はない。こんな中でもぐっすり眠っている孫策。周瑜は、相手の狙いが奇襲ではないのかと悩む事となる。
孫策らが無事に陣へと戻ってくる。
周瑜「伯符、何人討ち取った?」
孫策「的確な将を当ててきやがった。ありゃ、備えてやがったな。公瑾の言うとおり、凡愚を装ってやがる。何か企んでやがんのかもな」
呂範「企んでいるとしたら夜襲でしょうか?」
周瑜「あぁ、恐らく遠征軍である我らの兵糧を焼き、兵たちの士気を挫くつもりだろう。そうはさせない」
孫策「まぁ、公瑾に任せておけば、安心だろ。俺は少し休ませてもらうぜ」
周瑜「あぁ(伯符の疲弊が激しい。余程の剛の者がいたようだな)李術・祖郎・徐逸は、居るか?」
李術・祖郎・徐逸「はっ」
周瑜「夜襲に備え、荷車から兵糧をテント内に運び込め」
李術「荷車の方は処分しても?」
周瑜「いや、荷車には、草を俵のように見せかけ積み上げよ」
祖郎「成程、敵を欺くのですな」
周瑜「うむ。近くに兵を待機させておき、急いで消すようにさせ。相手に兵糧が燃やされたと思い込ませるのだ」
徐逸「心得ました」
そう義賢はミスを犯していた。前回のように孫策の突撃に対抗できず場当たり的に太史慈が出るならまだしも、今回は相手の突撃があることがわかっていた。それゆえ、知らず知らずのうちに心構えしてしまっていたのだ。それを見抜けぬほど孫策の戦闘経験は浅くはない。すぐに疑問に思い公瑾に告げた。この結果、周瑜によって、相手が夜襲による混乱を狙っていると見抜かれたのだ。夜襲とは見抜かれていないからこそ効果的なものであり、見抜かれていては、痛手を与えることはできない。ただでさえ、兵数の差もある。夜襲の成功によって、相手を崩し、畳み掛ける。そうしなければ、義賢に勝ち目はないだろう。だがこのミスに気付いていなければの話だ。義賢は、わざとミスをしたのだ。今度は裏に策略家がいると意図的に相手に強く印象を与えたのだ。周瑜を上手くコントロールし翻弄する。それが孫策軍を打ち倒すために必要なことだったからだ。
【劉丁軍 本陣】
王允「ゴホッゴホッ。劉丁殿、どうして、あのような愚策を?」
義賢「王允殿、無理はなさいませぬように。そうですね。周瑜は策を弄する者。裏に策略家を感じたらその策を読み取ろうとする。そこを利用しようと考えたのです」
王允「なんと!それでは、これも策と言うのですか!?」
義賢「えぇ、今日夜襲があると読んだ周瑜は夜眠れません。夜襲は行いますよ。一部の兵に陣太鼓を打ち鳴らさせて、大声を上げさせるだけですが」
王允「ゴホッゴホッ。改めて、貴方が味方で良かったと思います。策略家を絡めとる、それも知勇に名高き周瑜を。ホッホッホ」
義賢「王允殿、いつまで隠しておられるつもりですか?」
王允「!?義息子には言わんでくだされ。ワシの命がもう長くないと知ったら。狂ってしまうかもしれませんからな」
義賢「呂布殿は、もう1人ではありません。いえ、1人にはさせません。兄上や俺も居ます。それに、頼りになる臣下もいるでしょう。王允殿、1人が背負う必要はないのです」
王允「ワシが亡くなったら、義息子のことを宜しく頼みますぞ。ゴホッゴホッ」
義賢「えぇ、必ず。だから今は少し静養してください」
王允「わかりました」
王允が立ち去ると義賢は、張遼と甘寧。そして呂姫を呼ぶ。
張遼「劉丁殿、お呼びか?」
義賢「張遼殿、此度の夜襲の時間をズラします。朝駆けに」
張遼「!?成程、心得た。して、夜はどうするつもりか?」
義賢「呂姫殿に一芝居打ってもらう。あどけなさの残る少女、そしてあの容姿、孫策たちもまさか呂布殿の娘とは思わないだろう。偶然戦場に迷い込んだ村娘という有体で」
張遼「そのようなこと呂布殿が許すはずが」
呂姫「私は、劉丁様の役に立てるのならやる」
張遼「しかし姫様。後で、我々が怒られますぞ」
呂姫「えっ張遼は一緒に怒られてくれないの?」
張遼「うっ。わかりました。わかりましたからその眼はおやめください」
そこに甘寧が遅れて入ってくる。
甘寧「ふわぁ。すまねぇ。普段あんな時間に寝ないからよ。まだ眠いぜ」
張遼「甘寧殿は、呑気なものだな。そんなので、夜襲が成功するのか」
甘寧「うっせぇな。オッサン。夜襲ってのは静かにやるもんだと思ってんのか?俺は違うぜ。派手にやるもんだ」
張遼「馬鹿な!奇襲の意味を知っているのか?この馬鹿は?」
甘寧「俺が馬鹿だと?言ってくれるじゃねぇか。表でろや」
張遼「良いだろう。貴様のような馬鹿は言っても聞き分けん。相手してやる」
張遼と甘寧が殴り合いを始める。
呂姫「止めなくて良いのでしょうか?」
義賢「武器を使わなかったところを見ると割と冷静だと思うよ」
張遼「この馬鹿が」
甘寧「うぐっ。やり方なんて人それぞれだろうがこの石頭が」
張遼「ぐっ、それにしても奇襲で派手はなかろうが」
甘寧「ふぐっ。お前は静かに行く。俺は、派手に行く。それで良いだろうが」
張遼「うぐっ。お前とは相容れぬようだがその力は認めてやる」
甘寧「へっやっとわかったかよオッサン。オッサンも中々なもんだったぜ。流石、呂布殿の臣下ってか」
張遼「そうであろうそうであろう」
まるで少年漫画のように殴り合いで勝手に2人で解決する。お互い顔を腫らしながら。そして夜がやってくる。
義賢「兵たちに告ぐ。派手に陣太鼓を打ち鳴らして、敵軍を驚かせてやれ」
劉備軍兵士「オオオオオオオ」
孫策軍の兵士たちは、突然の陣太鼓で飛び起き、身構える。だが、一向に奇襲がやってくる気配はない。こんな中でもぐっすり眠っている孫策。周瑜は、相手の狙いが奇襲ではないのかと悩む事となる。
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