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3章 群雄割拠

頼もしき仲間を得る

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 霊帝が騒ぎを聞きつけて、駆け付けた。
 霊帝「騒いでいる者がおると聞いてきてみれば、董白であったか。どうした?劉丁殿と喧嘩でもしたのか」
 董白「お爺様。聞いてよ。義賢ったら、お爺様を死に追いやろうとした張繍のことを助けようとしてるの。ホントありえない」
 霊帝「それは真か?」
 義賢「はい」
 霊帝「張済の名前が出ずに張繍ということは、張済は死んだのだな?」
 義賢「お察しの通りです」
 霊帝「惜しい男を亡くしたな。張済が李傕と郭汜に協力しておらねば、ワシは逃げきれんかったであろう」
 董白「えっ?どういうこと?」
 霊帝「ん?張済が本気でワシを殺す気であったのなら逃げ道など塞いでおったはずだ。賈詡の知謀を用いれば容易であっただろうからな」
 董白「それって?どういうこと?」
 霊帝「つまり、奴は敵に付きながらワシのことを気にしていたということじゃ。じゃからそう恨んでやるでない」
 王栄「劉宏様、もう、こんなところにいらしたのね。冥冥《メイメイ》が産気付きました。すぐに張宝様を」
 霊帝「なんと!それはいかん。張宝様を呼ばねば」
 董白「冥冥?」
 王栄「董白、久しぶりね。霊帝様に付いてきた1人の女性がいたでしょ?霊帝様の子供を身籠っちゃったのよ」
 董白「あの人妻?」
 王栄「そんな言い方しないの。それじゃあね。今度は曾孫の顔を見せにきてくれるのかしら。フフフ」
 董白「王栄様!?」
 王栄「劉丁、董白のこと頼むわよ。泣かしたりしたらわかっているでしょうね」
 義賢「はい。王栄様」
 霊帝と王栄が張宝を呼びに張角診療所に入っていく。
 董白「義賢、ごめんなさい。私、お爺様の話を聞いてもそれでもそれでも許せない」
 義賢「良いんだよ。無理に許す必要なんてないよ」
 董白「そう。じゃあ、私も探すのを協力するわ。といっても、義賢が帰らないのに私だけ帰るわけにもいかないでしょ」
 義賢「ありがと。でも無理したらダメだよ。1人の身体じゃないんだから」
 董白「少し動くぐらいが良いわよ(安心して、義賢との子供だもん。無理なんてしないから)」
 義賢と董白は、劉虞たちと盧植たちにも挨拶しに行く。
 劉虞「これはこれは、劉丁殿、お久しぶりですな」
 義賢「烏桓への手紙の件、遅くなりましたが感謝します」
 劉虞「良いのです。あの程度のこと」
 魏攸「こちらは元気にしていると劉備殿にお伝えください」
 鮮于銀「兄貴に、こっちのことは心配すんなって伝えてくれ」
 義賢「了解いたしました」
 盧植「公孫瓚を助けてくれたようだな。感謝する」
 高誘「あんなのでも一応弟弟子だからよ。気にはしてんだよ。劉備にもよろしくいっといてくれ」
 義賢「はい」
 1人の男が話しかけてくる。
 毌丘毅「おっアンタは劉備殿の弟くんじゃねぇか。元気にしてたか?」
 義賢「毌丘毅殿!ご無沙汰しています。徐州城、救援戦以来ですね」
 毌丘毅「覚えてくれてて嬉しいねぇ。今は、この張角診療所と劉宏寺の警備責任者を務めてんだ。劉備殿にもよろしく言っておいてくれ」
 義賢「了解しました」
 一通り挨拶を終えて、張角診療所に戻ると胡車児が元気になっていた。
 胡車児「やっと動けるようになりましたぞ」
 張角「とんでもない回復力じゃ」
 華佗「ホッホッホ。ワシもここまでの治癒力の持ち主に会うのは初めでじゃな」
 義賢「ハハハ。では、胡車児殿、共に張繍殿を探しましょうか?」
 胡車児「うむ。行こうぞ」
 張宝「少しお待ちください」
 張宝に腕を引っ張られ、部屋に引き摺り込まれた。
 波才「手荒なことをして申し訳ない。少し、やばい事になっていてな。近々、小沛に伺おうと思っている」
 張宝「周りの勢力がきな臭くなっていまして、仕入れた話を精査してもらいたいのです」
 義賢「了解しました。お待ちしています。では」
 外で待ってくれていた胡車児殿を加え、3人で、張繍と鄒豊麗を探す。だが、胡車児が先に南に来ていたのだ。張繍と鄒豊麗は、もう劉表の元に身を寄せているのではないだろうか?それは杞憂に終わる。劉表軍と曹操軍の境界線で、見つけるのだった。
 張繍「叔母上、苦労をおかけして申し訳ありませぬ」
 鄒豊麗「張繍、気にする必要はありません。曹操を必ず討つのです。そのためにも先ずは同盟相手だった劉表の元に身を寄せなければなりません」
 張繍「はい(劉表で本当に良いのだろうか?叔父上の危機に救援に駆け付けなかった名ばかりの同盟相手だ。それよりも徐州の民を曹操軍から救った劉備殿を頼る方が良いのではないか?だが、叔母上に逆らうわけにはいかぬ。胡車児、お前のことを捨て石に使ったことを許せ。お前の死は必ず曹操を討つことで報いてやる)」
 2人に気付いた胡車児が駆け寄る。
 胡車児「殿、御無事でしたか?」
 張繍「胡車児?胡車児なのか?お前、生きてたのか?」
 胡車児「この通り、まだ生きておりますぞ」
 鄒豊麗「胡車児、夫はどうなりましたか?」
 胡車児「大殿は、曹操により、なぶり殺されました」
 鄒豊麗「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 張繍「叔母上、気を確かに、して胡車児よ。この者は?」
 義賢の後ろから董白が顔を覗かせる。
 張繍「まさか董白様!」
 董白「私のこと覚えているようね」
 張繍「忘れることなどありません」
 董白「どうしてお爺様を裏切ったの?」
 張繍「叔父からは、我らがそうすることで、董卓様を守れるとしか聞いておりません」
 董白「そっ。なら良いわ。義賢、張繍も見つかったことだし帰りましょ」
 義賢「あぁ」
 張繍「お待ちください。劉丁殿ですか?」
 義賢「いかにも」
 張繍「どうか我らを劉備軍に受け入れて頂きたい」
 鄒豊麗「何を言っているの!劉表の元に行くのです」
 張繍「叔母上、劉表は、同盟相手でありながら叔父上の危機に援軍一つ寄越さなかった男。そんな男では、曹操と争いになっても形はしないでしょう。曹操に勝てる機会があるとするのなら徐州にて、曹操軍を一度追い払った劉備殿を置いて他にはない。それとも叔母上は、曹操の妾にでもなりたいのですか?」
 鄒豊麗「馬鹿なことを言わないで頂戴。曹操は、夫を殺した憎き相手よ」
 張繍「ならば、ここはどうか俺を信じて劉備殿の元に」
 鄒豊麗「わかりました。そこまで言うのなら。共に参りましょう」
 義賢「こちらは願ってもないことです。これからよろしくお願いいたします。張繍殿・胡車児殿・鄒豊麗殿」
 張繍「はっ」
 胡車児「おぅよ」
 鄒豊麗「はい」
 こうして、張繍たちを加えて、小沛へと戻るのであった。
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