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3章 群雄割拠

小沛に帰り他の戦況を聞く(前編)

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 劉備軍が小沛に戻ると、袁術討伐を終えた関羽たち。小沛防衛を完遂した華雄たちが迎え入れた。
 関羽「兄者、お戻りをお待ちしておりましたぞ」
 張飛「大兄者、まぁ心配なんてしてなかったがよ。無事でよかったぜ」
 華雄「殿、よくぞご無事で」
 劉備「皆、出迎え感謝する。して、後ろの者たちは?」
 関羽たちや華雄たちの後ろには、此度の戦で仲間になった者たちが劉備に挨拶に訪れていたのだ。
 姜藍「姜鄭義賊団の頭領を務めております姜藍と申します」
 鄭弥「同じく副頭領を務めています鄭弥と言います」
 劉備「おお。其方たちがあの悪人どもから金を盗み貧しい民たちに分け与えているという姜鄭義賊団の者たちなのか。して、私は、民を虐げたことは無いのだが。まさか、何かしていたのか?うちの役人たちが。誰だ。そのような事をしたものは、今すぐ名乗り出るのだ!」
 劉備の剣幕に名乗り出る者は居なかった。
 姜藍「落ち着いてください。殿。我々は、降伏したのです。それに、改めて調べましたところ。ここにいる役人たちにそのような事をした者はおりません。安心してください」
 劉備「そうであったか。皆を一瞬でも疑い失礼した」
 厳畯「いえ、いきなり姜鄭義賊団の者だと名乗られては、仕方ありません。我々も姜鄭義賊団の手を煩わせぬように一層民たちに善政を敷かねばなりませぬな」
 歩騭「厳畯殿の申す通りですな」
 鄭弥「あの、それとあの。劉備様。私たちは、その。あの。えーっと。華雄殿と徐栄殿とそれぞれ結婚しました。あわわわ。口にすると恥ずかしぃ」
 劉備「なんと、それは真か?」
 華雄「はい。殿、勝手な事をして申し訳ありませぬ」
 徐栄「殿、どのような罰でもお受けしますので、どうかお許しくだされ」
 劉備「ハッハッハッ。どのような罰でも受ける。真か?」
 2人とも頷いた。
 劉備「では、姜藍と鄭弥を大事にしてやるのだ。そして、子を成せ。子は良いぞ」
 華雄「殿、そのような事」
 徐栄「華雄、殿が許してくださったのだ。ありがとうございます殿」
 姜藍と鄭弥は、子供と聞いて頬を赤らめていた。
 劉備「今後も悪人からは遠慮なく盗んでやると良い。だが、今回のように人に言われた事を信じるのではなく。今まで、お主たちがやっていたように情報を精査してやるのだぞ」
 姜藍「今回の件で、懲りました。そのように致します」
 鄭弥「はわわわ。子供、子供、子供、えっ子供。はわわ」
 劉備「ハッハッハッ。良い良い」
 姜藍が恥ずかしさのあまりその場で固まった鄭弥を連れて下がる。すると今度は、関羽たちの方で得た将たちが挨拶する。
 樊玉鳳「お初にお目にかかります劉備様。樊玉鳳と申します」
 劉備「なんと美しい所作だ」
 趙雲「殿、私の妻に迎え入れたのです」
 劉備「そうであったか。趙雲になら安心して任せられるな。して、樊玉鳳よ。雲長から色々と話は聞いた。袁術討伐だけでなく何度も助けてくれたようだな。重ね重ね感謝する」
 樊玉鳳「そんな、顔をあげてください。私などに勿体無い御言葉です。子龍と共により一層の武働きにてお返しいたします」
 劉備「趙雲のことを支えてやってくれ。此奴は、率先して危ない戦場に身を投じるからな」
 趙雲「それが我が軍のためだと信じていますから」
 樊玉鳳「わかりました。夫を支えるのは妻の役目ですから。お任せください」
 劉備「うむ」
 樊玉鳳が下がると黄忠と綺麗な女性と15歳程度だろうか幼く見える子供が前に出た。
 黄忠「お久しぶりですなぁ劉備殿」
 劉備「黄忠殿では無いか。其方まで、私に力を貸してくれるというのか?劉表殿のことは良いのか?」
 黄忠「確かに劉表様には、ワシのような年寄りを登用して頂いた恩はある。ですが、人を虐げる者が多いのも確か。ワシの妻子を人質に取るような韓玄の元に送ったのです。義理は十分果たしたと考えておる」
 劉備「そうか、してその隣の綺麗な女性と横の子が黄忠殿の妻子なのだな?」
 黄忠「そうであった。お前たちも劉備様に挨拶せよ」
 芳翠蘭「芳翠蘭と申します。漢升共々よろしくお願いいたします。ほら叙、挨拶しなさい」
 黄叙「黄叙という。18になる」
 義賢「18!?」
 俺の驚いた声に黄叙が言い返す。
 黄叙「歳の割に幼いと言いたいのだろう。なんせ背が5尺に届いていないからな」
 1尺30センチぐらいだ。そうこの黄叙は成人している割には、背が140程に見える。しかも顔もとても幼いのだ。それゆえ、義賢は、10歳前後だと思っていたのだ」
 黄忠「このような見た目ゆえ。戦場には出せぬと思いましてな」
 義賢「いえ、逆です。これは黄叙殿の武器になります」
 黄叙「はっ?どういうことでしょうか?」
 義賢「背が小さいということは、相手の視線に捉えられにくいのです。それは戦場において、相手の致命傷となるでしょう」
 黄叙「こんな俺でも戦場で役に立てるのですか?それが本当なら、俺は父さんや母さんを守れる立派な男になりたい」
 黄忠「叙からこんな言葉が聞けるとは、ワシは厳しいぞい」
 黄叙「頑張ります」
 芳翠蘭「まぁまぁ、この子ったら。身長のせいで戦に出れないと嘆いていたから劉丁様の言葉がとても嬉しかったのね。漢升、叙のことを頼みます」
 黄忠「翠よ。安心せい。勿論じゃ」
 黄忠が下がるとえっ嘘だろ。あの男ってマジで鈴つけてんの?あんなの誰かの創作だと思ってた。でも、なんであの男が?どういった経緯なのだろう。でも、時期にそれもわかるか。
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