112 / 644
3章 群雄割拠
小沛に帰り他の戦況を聞く(前編)
しおりを挟む
劉備軍が小沛に戻ると、袁術討伐を終えた関羽たち。小沛防衛を完遂した華雄たちが迎え入れた。
関羽「兄者、お戻りをお待ちしておりましたぞ」
張飛「大兄者、まぁ心配なんてしてなかったがよ。無事でよかったぜ」
華雄「殿、よくぞご無事で」
劉備「皆、出迎え感謝する。して、後ろの者たちは?」
関羽たちや華雄たちの後ろには、此度の戦で仲間になった者たちが劉備に挨拶に訪れていたのだ。
姜藍「姜鄭義賊団の頭領を務めております姜藍と申します」
鄭弥「同じく副頭領を務めています鄭弥と言います」
劉備「おお。其方たちがあの悪人どもから金を盗み貧しい民たちに分け与えているという姜鄭義賊団の者たちなのか。して、私は、民を虐げたことは無いのだが。まさか、何かしていたのか?うちの役人たちが。誰だ。そのような事をしたものは、今すぐ名乗り出るのだ!」
劉備の剣幕に名乗り出る者は居なかった。
姜藍「落ち着いてください。殿。我々は、降伏したのです。それに、改めて調べましたところ。ここにいる役人たちにそのような事をした者はおりません。安心してください」
劉備「そうであったか。皆を一瞬でも疑い失礼した」
厳畯「いえ、いきなり姜鄭義賊団の者だと名乗られては、仕方ありません。我々も姜鄭義賊団の手を煩わせぬように一層民たちに善政を敷かねばなりませぬな」
歩騭「厳畯殿の申す通りですな」
鄭弥「あの、それとあの。劉備様。私たちは、その。あの。えーっと。華雄殿と徐栄殿とそれぞれ結婚しました。あわわわ。口にすると恥ずかしぃ」
劉備「なんと、それは真か?」
華雄「はい。殿、勝手な事をして申し訳ありませぬ」
徐栄「殿、どのような罰でもお受けしますので、どうかお許しくだされ」
劉備「ハッハッハッ。どのような罰でも受ける。真か?」
2人とも頷いた。
劉備「では、姜藍と鄭弥を大事にしてやるのだ。そして、子を成せ。子は良いぞ」
華雄「殿、そのような事」
徐栄「華雄、殿が許してくださったのだ。ありがとうございます殿」
姜藍と鄭弥は、子供と聞いて頬を赤らめていた。
劉備「今後も悪人からは遠慮なく盗んでやると良い。だが、今回のように人に言われた事を信じるのではなく。今まで、お主たちがやっていたように情報を精査してやるのだぞ」
姜藍「今回の件で、懲りました。そのように致します」
鄭弥「はわわわ。子供、子供、子供、えっ子供。はわわ」
劉備「ハッハッハッ。良い良い」
姜藍が恥ずかしさのあまりその場で固まった鄭弥を連れて下がる。すると今度は、関羽たちの方で得た将たちが挨拶する。
樊玉鳳「お初にお目にかかります劉備様。樊玉鳳と申します」
劉備「なんと美しい所作だ」
趙雲「殿、私の妻に迎え入れたのです」
劉備「そうであったか。趙雲になら安心して任せられるな。して、樊玉鳳よ。雲長から色々と話は聞いた。袁術討伐だけでなく何度も助けてくれたようだな。重ね重ね感謝する」
樊玉鳳「そんな、顔をあげてください。私などに勿体無い御言葉です。子龍と共により一層の武働きにてお返しいたします」
劉備「趙雲のことを支えてやってくれ。此奴は、率先して危ない戦場に身を投じるからな」
趙雲「それが我が軍のためだと信じていますから」
樊玉鳳「わかりました。夫を支えるのは妻の役目ですから。お任せください」
劉備「うむ」
樊玉鳳が下がると黄忠と綺麗な女性と15歳程度だろうか幼く見える子供が前に出た。
黄忠「お久しぶりですなぁ劉備殿」
劉備「黄忠殿では無いか。其方まで、私に力を貸してくれるというのか?劉表殿のことは良いのか?」
黄忠「確かに劉表様には、ワシのような年寄りを登用して頂いた恩はある。ですが、人を虐げる者が多いのも確か。ワシの妻子を人質に取るような韓玄の元に送ったのです。義理は十分果たしたと考えておる」
劉備「そうか、してその隣の綺麗な女性と横の子が黄忠殿の妻子なのだな?」
黄忠「そうであった。お前たちも劉備様に挨拶せよ」
芳翠蘭「芳翠蘭と申します。漢升共々よろしくお願いいたします。ほら叙、挨拶しなさい」
黄叙「黄叙という。18になる」
義賢「18!?」
俺の驚いた声に黄叙が言い返す。
黄叙「歳の割に幼いと言いたいのだろう。なんせ背が5尺に届いていないからな」
1尺30センチぐらいだ。そうこの黄叙は成人している割には、背が140程に見える。しかも顔もとても幼いのだ。それゆえ、義賢は、10歳前後だと思っていたのだ」
黄忠「このような見た目ゆえ。戦場には出せぬと思いましてな」
義賢「いえ、逆です。これは黄叙殿の武器になります」
黄叙「はっ?どういうことでしょうか?」
義賢「背が小さいということは、相手の視線に捉えられにくいのです。それは戦場において、相手の致命傷となるでしょう」
黄叙「こんな俺でも戦場で役に立てるのですか?それが本当なら、俺は父さんや母さんを守れる立派な男になりたい」
黄忠「叙からこんな言葉が聞けるとは、ワシは厳しいぞい」
黄叙「頑張ります」
芳翠蘭「まぁまぁ、この子ったら。身長のせいで戦に出れないと嘆いていたから劉丁様の言葉がとても嬉しかったのね。漢升、叙のことを頼みます」
黄忠「翠よ。安心せい。勿論じゃ」
黄忠が下がるとえっ嘘だろ。あの男ってマジで鈴つけてんの?あんなの誰かの創作だと思ってた。でも、なんであの男が?どういった経緯なのだろう。でも、時期にそれもわかるか。
関羽「兄者、お戻りをお待ちしておりましたぞ」
張飛「大兄者、まぁ心配なんてしてなかったがよ。無事でよかったぜ」
華雄「殿、よくぞご無事で」
劉備「皆、出迎え感謝する。して、後ろの者たちは?」
関羽たちや華雄たちの後ろには、此度の戦で仲間になった者たちが劉備に挨拶に訪れていたのだ。
姜藍「姜鄭義賊団の頭領を務めております姜藍と申します」
鄭弥「同じく副頭領を務めています鄭弥と言います」
劉備「おお。其方たちがあの悪人どもから金を盗み貧しい民たちに分け与えているという姜鄭義賊団の者たちなのか。して、私は、民を虐げたことは無いのだが。まさか、何かしていたのか?うちの役人たちが。誰だ。そのような事をしたものは、今すぐ名乗り出るのだ!」
劉備の剣幕に名乗り出る者は居なかった。
姜藍「落ち着いてください。殿。我々は、降伏したのです。それに、改めて調べましたところ。ここにいる役人たちにそのような事をした者はおりません。安心してください」
劉備「そうであったか。皆を一瞬でも疑い失礼した」
厳畯「いえ、いきなり姜鄭義賊団の者だと名乗られては、仕方ありません。我々も姜鄭義賊団の手を煩わせぬように一層民たちに善政を敷かねばなりませぬな」
歩騭「厳畯殿の申す通りですな」
鄭弥「あの、それとあの。劉備様。私たちは、その。あの。えーっと。華雄殿と徐栄殿とそれぞれ結婚しました。あわわわ。口にすると恥ずかしぃ」
劉備「なんと、それは真か?」
華雄「はい。殿、勝手な事をして申し訳ありませぬ」
徐栄「殿、どのような罰でもお受けしますので、どうかお許しくだされ」
劉備「ハッハッハッ。どのような罰でも受ける。真か?」
2人とも頷いた。
劉備「では、姜藍と鄭弥を大事にしてやるのだ。そして、子を成せ。子は良いぞ」
華雄「殿、そのような事」
徐栄「華雄、殿が許してくださったのだ。ありがとうございます殿」
姜藍と鄭弥は、子供と聞いて頬を赤らめていた。
劉備「今後も悪人からは遠慮なく盗んでやると良い。だが、今回のように人に言われた事を信じるのではなく。今まで、お主たちがやっていたように情報を精査してやるのだぞ」
姜藍「今回の件で、懲りました。そのように致します」
鄭弥「はわわわ。子供、子供、子供、えっ子供。はわわ」
劉備「ハッハッハッ。良い良い」
姜藍が恥ずかしさのあまりその場で固まった鄭弥を連れて下がる。すると今度は、関羽たちの方で得た将たちが挨拶する。
樊玉鳳「お初にお目にかかります劉備様。樊玉鳳と申します」
劉備「なんと美しい所作だ」
趙雲「殿、私の妻に迎え入れたのです」
劉備「そうであったか。趙雲になら安心して任せられるな。して、樊玉鳳よ。雲長から色々と話は聞いた。袁術討伐だけでなく何度も助けてくれたようだな。重ね重ね感謝する」
樊玉鳳「そんな、顔をあげてください。私などに勿体無い御言葉です。子龍と共により一層の武働きにてお返しいたします」
劉備「趙雲のことを支えてやってくれ。此奴は、率先して危ない戦場に身を投じるからな」
趙雲「それが我が軍のためだと信じていますから」
樊玉鳳「わかりました。夫を支えるのは妻の役目ですから。お任せください」
劉備「うむ」
樊玉鳳が下がると黄忠と綺麗な女性と15歳程度だろうか幼く見える子供が前に出た。
黄忠「お久しぶりですなぁ劉備殿」
劉備「黄忠殿では無いか。其方まで、私に力を貸してくれるというのか?劉表殿のことは良いのか?」
黄忠「確かに劉表様には、ワシのような年寄りを登用して頂いた恩はある。ですが、人を虐げる者が多いのも確か。ワシの妻子を人質に取るような韓玄の元に送ったのです。義理は十分果たしたと考えておる」
劉備「そうか、してその隣の綺麗な女性と横の子が黄忠殿の妻子なのだな?」
黄忠「そうであった。お前たちも劉備様に挨拶せよ」
芳翠蘭「芳翠蘭と申します。漢升共々よろしくお願いいたします。ほら叙、挨拶しなさい」
黄叙「黄叙という。18になる」
義賢「18!?」
俺の驚いた声に黄叙が言い返す。
黄叙「歳の割に幼いと言いたいのだろう。なんせ背が5尺に届いていないからな」
1尺30センチぐらいだ。そうこの黄叙は成人している割には、背が140程に見える。しかも顔もとても幼いのだ。それゆえ、義賢は、10歳前後だと思っていたのだ」
黄忠「このような見た目ゆえ。戦場には出せぬと思いましてな」
義賢「いえ、逆です。これは黄叙殿の武器になります」
黄叙「はっ?どういうことでしょうか?」
義賢「背が小さいということは、相手の視線に捉えられにくいのです。それは戦場において、相手の致命傷となるでしょう」
黄叙「こんな俺でも戦場で役に立てるのですか?それが本当なら、俺は父さんや母さんを守れる立派な男になりたい」
黄忠「叙からこんな言葉が聞けるとは、ワシは厳しいぞい」
黄叙「頑張ります」
芳翠蘭「まぁまぁ、この子ったら。身長のせいで戦に出れないと嘆いていたから劉丁様の言葉がとても嬉しかったのね。漢升、叙のことを頼みます」
黄忠「翠よ。安心せい。勿論じゃ」
黄忠が下がるとえっ嘘だろ。あの男ってマジで鈴つけてんの?あんなの誰かの創作だと思ってた。でも、なんであの男が?どういった経緯なのだろう。でも、時期にそれもわかるか。
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。補足説明と登場人物の設定資料
揚惇命
SF
『えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。』という作品の世界観の説明補足と各勢力の登場人物の設定資料となります。
本編のネタバレを含むため本編を読んでからお読みください。
※小説家になろう様・カクヨム様でも掲載しています。

メトロポリス社へようこそ! ~「役立たずだ」とクビにされたおっさんの就職先は大企業の宇宙船を守る護衛官でした~
アンジェロ岩井
SF
「えっ、クビですか?」
中企業アナハイニム社の事務課に勤める大津修也(おおつしゅうや)は会社の都合によってクビを切られてしまう。
ろくなスキルも身に付けていない修也にとって再転職は絶望的だと思われたが、大企業『メトロポリス』からの使者が現れた。
『メトロポリス』からの使者によれば自身の商品を宇宙の植民星に運ぶ際に宇宙生物に襲われるという事態が幾度も発生しており、そのための護衛役として会社の顧問役である人工頭脳『マリア』が護衛役を務める適任者として選び出したのだという。
宇宙生物との戦いに用いるロトワングというパワードスーツには適性があり、その適性が見出されたのが大津修也だ。
大津にとっては他に就職の選択肢がなかったので『メトロポリス』からの選択肢を受けざるを得なかった。
『メトロポリス』の宇宙船に乗り込み、宇宙生物との戦いに明け暮れる中で、彼は護衛アンドロイドであるシュウジとサヤカと共に過ごし、絆を育んでいくうちに地球上にてアンドロイドが使用人としての扱いしか受けていないことを思い出す。
修也は戦いの中でアンドロイドと人間が対等な関係を築き、共存を行うことができればいいと考えたが、『メトロポリス』では修也とは対照的に人類との共存ではなく支配という名目で動き出そうとしていた。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

織田信長IF… 天下統一再び!!
華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。
この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。
主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。
※この物語はフィクションです。
【新訳】帝国の海~大日本帝国海軍よ、世界に平和をもたらせ!第一部
山本 双六
歴史・時代
たくさんの人が亡くなった太平洋戦争。では、もし日本が勝てば原爆が落とされず、何万人の人が助かったかもしれないそう思い執筆しました。(一部史実と異なることがあるためご了承ください)初投稿ということで俊也さんの『re:太平洋戦争・大東亜の旭日となれ』を参考にさせて頂きました。
これからどうかよろしくお願い致します!
ちなみに、作品の表紙は、AIで生成しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる