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3章 群雄割拠
仲国攻略作戦リベンジ(起)
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1回目とは打って変わり、関羽を総大将に張飛と趙雲と張郃を加えた。合計6万で、皇帝を僭称し、仲国を建国した袁術討伐へと向かう。前半戦の流れは、前回と同じく袁渙が現れ関羽がそれを迎え入れ、仲国の内部情報を手に入れる。韓胤を討ち取った陳到が今回は劉備と共に公孫瓚軍の援軍に向かっているので、韓胤を趙雲が討ち取る。張飛軍の何曼と黄邵が敵左翼の陳蘭と雷薄を討ち取る。関羽軍と交戦していた敵右翼の張勲と楊弘は戦況不利と判断し、顔馴染みである孫策の居る揚州へと逃げる。張郃は、張飛の本陣突破のアシストのため敵を引きつける。ここから少し違った展開となる。紀霊は、張飛との一騎討ちで負けるも命からがら寿春城へと撤退した。追撃を開始する袁術討伐軍の前に謎の軍が現れたのだった。田豊と沮授は、事前に聞いていた通り対処に当たる。
田豊「総大将、劉丁殿の申していた。見慣れぬ軍が現れましたぞ」
関羽「うむ。聞いた通りなら劉表軍とのことだったな?」
沮授「そのようですね」
張飛「対処法は聞いてんだ。その通りにやって、とっとと寿春城へと向かおうぜ兄者」
関羽「そう急く必要はあるまい翼徳よ。我らは、現れた敵軍の半分の兵力だ。悪戯に兵を減らすべきではない。義賢の申していた通り、確実に強さを見せつけていこうぞ。趙雲、先陣は任せたぞ」
趙雲「はっ」
趙雲が兵を率いて、名乗りを上げる。
趙雲「我が名は、常山の趙子龍。邪魔をするなら容赦せん。かかって参られよ」
趙範「あわわわ。あれが常山の趙雲。誰か相手をしてくるのだ」
鮑隆・陳応「殿、我らにお任せくだされ」
勢いよく飛び出した2人と一騎討ちを繰り広げる趙雲。
鮑隆「2人がかりで押し切れぬか」
陳応「これが常山の趙雲」
趙雲「どうした。この程度か。駆けよ白竜」
鮑隆「グハッ。これほどまでに強いのか劉備軍は。申し訳ありませぬ殿」
陳応「全く槍の動きが見えぬ。ガハッ。これほどまでの武を持ち合わせていようとは。殿、どうかお逃げくだされ」
趙雲は独自の槍術を編み出していた。七探蛇盤槍という。2つの槍をまるで手足のように扱えるのは天下広しといえど趙雲ぐらいである。それを器用に投げつけたり、素早く回転させたりと。その絶技を前に鮑隆と陳応は、捕らえられた。これに困った趙範は、兄嫁で、女傑であった樊玉鳳を呼ぶ。
樊玉鳳「及びですか殿」
趙範「義姉上、申し訳ありません。兄上を失った貴方を再び戦場へと連れてきてしまい」
樊玉鳳「気にしないでください。武に生きるもの、こうなる運命だったのです。鮑隆と陳応が全く敵わなかったそうですね」
趙範「うむ。樊玉鳳よ。頼めるか」
樊玉鳳「えぇ。そんな兵と戦えるなんて、とても嬉しいですわ。では」
趙雲が尚も名乗りを上げる。
趙雲「この常山の趙子龍に挑むものはいないか」
そこに綸子という絹織物を着た美しい女性が返す。
樊玉鳳「この樊玉鳳が御相手致しましょう」
趙雲「女?」
樊玉鳳「あら、女が戦場に出てはなりませんか?」
趙雲「いや、そのようなことはない。驚いただけだ。その申し出受けよう」
趙雲の槍捌きを的確に見極め交わす樊玉鳳。
樊玉鳳「あら、鮑隆と陳応を捕縛したと聞いたのですが。その程度ですか?」
趙雲「我が槍捌きについてくるものがいようとは。ハハハ。実に面白い。気に入った。久々に本気を出せそうだ」
樊玉鳳「あら、その言葉は、聞き捨てなりませんわね。鮑隆や陳応がかわいそうではありませんか」
趙雲「これは、申し訳ない。だが楽しいのだ。張飛殿や関羽殿以外で、思う存分戦える相手と出会えて、妻に欲しいくらいだ」
樊玉鳳「面白い殿方ですわね。戦場で女を口説くなんて。そうですわね。私に勝てたら。考えて差し上げます」
趙雲「その言葉、嘘ではあるまいな」
樊玉鳳「えぇ」
趙雲の槍捌きに対して合わせる樊玉鳳。その光景は、まるで、会話しているかのようだった。
趙雲「全く、このような女傑がいようとは」
樊玉鳳「世界はこんなにも広いのですね。貴方様のような強き殿方と相見えようとは」
趙雲「趙子龍だ。その殿方という呼び方は気に食わない」
樊玉鳳「そうでしたか。趙雲殿、良い手合わせでした。私の負けです」
趙雲「何故、刀を置く。まだ勝負はついていないであろう」
樊玉鳳「惚れた方が負けという言葉がありましょう」
趙雲「それなら私の負けであろう。先に惚れたのは私なのだから」
樊玉鳳「クスクス。最愛の人を亡くして、戦場に舞い戻り。また恋をすることになるとは思いませんでしたわ。趙範は、私の弟も同然。説得しましょう」
趙雲「そうであったか。其方は、最愛の人を亡くしたのだな。私は、お前より先には死なない。そう約束する」
樊玉鳳「そうですか。では、趙雲殿の側で、武を奮うことを許してくださいますか?」
趙雲「妻となってくれるのであろう?子龍と呼んでくれて構わぬ」
樊玉鳳「子龍、なんか恥ずかしいですわね」
趙雲「そうだな玉鳳」
趙範は、樊玉鳳の説得を受け、撤退。樊玉鳳は、趙範に感謝を述べ。趙雲の元に嫁ぐこととなる。そう事実上、桂陽という地の無条件降伏を勝ち取ったのである。
樊玉鳳「殿、申し訳ありません。負けてしまいました」
趙範「なんと、義姉上が敵わぬとは。あわわわ、どうしたら良いのだ」
樊玉鳳「降伏なさいませ。劉備様は仁君と名高か御方、殿を悪いようにはしないでしょう。ですが、今降伏すると劉表に目を付けられます。時が来たら劉備様に呼応するのです。私は、一足先に劉備軍へ行こうと思います。今まで、お世話になりました。感謝申し上げます」
趙範「そうか。義姉上、まだ若いのだ。兄上のことを忘れて幸せになるのだ。その方が死んだ兄上も喜ぶであろう」
樊玉鳳「忘れることはありませんわ。趙則《チョウソク》は、戦ばかりだった私に心穏やかな安寧をくれたのですから」
趙範「だが義姉上は、また戦場に戻ってきた」
樊玉鳳「あの人が私を託しても良い人に出会わせたかったのかもしれませんね」
趙範「誰よりも優しかった兄上なら考えられるな。そうか、ワシは何という過ちを劉備殿も又、兄上と同じく民を第一に考える御方。その方に刃を向けようとは。これは、ワシの行く末を決める戦だったのやもしれん。降伏を受け入れる。だが義姉上のいう通り今は、劉表殿に睨まれぬように致そう」
樊玉鳳「殿が決心してくださり嬉しいです。くれぐれも劉表に目をつけられぬように」
趙範「うむ、こちらは任せよ。義姉上、どうかお幸せに」
樊玉鳳「殿もどうか健やかに」
趙範「うむ」
趙範の撤退を機に新手の軍が向かってくるのであった。
田豊「総大将、劉丁殿の申していた。見慣れぬ軍が現れましたぞ」
関羽「うむ。聞いた通りなら劉表軍とのことだったな?」
沮授「そのようですね」
張飛「対処法は聞いてんだ。その通りにやって、とっとと寿春城へと向かおうぜ兄者」
関羽「そう急く必要はあるまい翼徳よ。我らは、現れた敵軍の半分の兵力だ。悪戯に兵を減らすべきではない。義賢の申していた通り、確実に強さを見せつけていこうぞ。趙雲、先陣は任せたぞ」
趙雲「はっ」
趙雲が兵を率いて、名乗りを上げる。
趙雲「我が名は、常山の趙子龍。邪魔をするなら容赦せん。かかって参られよ」
趙範「あわわわ。あれが常山の趙雲。誰か相手をしてくるのだ」
鮑隆・陳応「殿、我らにお任せくだされ」
勢いよく飛び出した2人と一騎討ちを繰り広げる趙雲。
鮑隆「2人がかりで押し切れぬか」
陳応「これが常山の趙雲」
趙雲「どうした。この程度か。駆けよ白竜」
鮑隆「グハッ。これほどまでに強いのか劉備軍は。申し訳ありませぬ殿」
陳応「全く槍の動きが見えぬ。ガハッ。これほどまでの武を持ち合わせていようとは。殿、どうかお逃げくだされ」
趙雲は独自の槍術を編み出していた。七探蛇盤槍という。2つの槍をまるで手足のように扱えるのは天下広しといえど趙雲ぐらいである。それを器用に投げつけたり、素早く回転させたりと。その絶技を前に鮑隆と陳応は、捕らえられた。これに困った趙範は、兄嫁で、女傑であった樊玉鳳を呼ぶ。
樊玉鳳「及びですか殿」
趙範「義姉上、申し訳ありません。兄上を失った貴方を再び戦場へと連れてきてしまい」
樊玉鳳「気にしないでください。武に生きるもの、こうなる運命だったのです。鮑隆と陳応が全く敵わなかったそうですね」
趙範「うむ。樊玉鳳よ。頼めるか」
樊玉鳳「えぇ。そんな兵と戦えるなんて、とても嬉しいですわ。では」
趙雲が尚も名乗りを上げる。
趙雲「この常山の趙子龍に挑むものはいないか」
そこに綸子という絹織物を着た美しい女性が返す。
樊玉鳳「この樊玉鳳が御相手致しましょう」
趙雲「女?」
樊玉鳳「あら、女が戦場に出てはなりませんか?」
趙雲「いや、そのようなことはない。驚いただけだ。その申し出受けよう」
趙雲の槍捌きを的確に見極め交わす樊玉鳳。
樊玉鳳「あら、鮑隆と陳応を捕縛したと聞いたのですが。その程度ですか?」
趙雲「我が槍捌きについてくるものがいようとは。ハハハ。実に面白い。気に入った。久々に本気を出せそうだ」
樊玉鳳「あら、その言葉は、聞き捨てなりませんわね。鮑隆や陳応がかわいそうではありませんか」
趙雲「これは、申し訳ない。だが楽しいのだ。張飛殿や関羽殿以外で、思う存分戦える相手と出会えて、妻に欲しいくらいだ」
樊玉鳳「面白い殿方ですわね。戦場で女を口説くなんて。そうですわね。私に勝てたら。考えて差し上げます」
趙雲「その言葉、嘘ではあるまいな」
樊玉鳳「えぇ」
趙雲の槍捌きに対して合わせる樊玉鳳。その光景は、まるで、会話しているかのようだった。
趙雲「全く、このような女傑がいようとは」
樊玉鳳「世界はこんなにも広いのですね。貴方様のような強き殿方と相見えようとは」
趙雲「趙子龍だ。その殿方という呼び方は気に食わない」
樊玉鳳「そうでしたか。趙雲殿、良い手合わせでした。私の負けです」
趙雲「何故、刀を置く。まだ勝負はついていないであろう」
樊玉鳳「惚れた方が負けという言葉がありましょう」
趙雲「それなら私の負けであろう。先に惚れたのは私なのだから」
樊玉鳳「クスクス。最愛の人を亡くして、戦場に舞い戻り。また恋をすることになるとは思いませんでしたわ。趙範は、私の弟も同然。説得しましょう」
趙雲「そうであったか。其方は、最愛の人を亡くしたのだな。私は、お前より先には死なない。そう約束する」
樊玉鳳「そうですか。では、趙雲殿の側で、武を奮うことを許してくださいますか?」
趙雲「妻となってくれるのであろう?子龍と呼んでくれて構わぬ」
樊玉鳳「子龍、なんか恥ずかしいですわね」
趙雲「そうだな玉鳳」
趙範は、樊玉鳳の説得を受け、撤退。樊玉鳳は、趙範に感謝を述べ。趙雲の元に嫁ぐこととなる。そう事実上、桂陽という地の無条件降伏を勝ち取ったのである。
樊玉鳳「殿、申し訳ありません。負けてしまいました」
趙範「なんと、義姉上が敵わぬとは。あわわわ、どうしたら良いのだ」
樊玉鳳「降伏なさいませ。劉備様は仁君と名高か御方、殿を悪いようにはしないでしょう。ですが、今降伏すると劉表に目を付けられます。時が来たら劉備様に呼応するのです。私は、一足先に劉備軍へ行こうと思います。今まで、お世話になりました。感謝申し上げます」
趙範「そうか。義姉上、まだ若いのだ。兄上のことを忘れて幸せになるのだ。その方が死んだ兄上も喜ぶであろう」
樊玉鳳「忘れることはありませんわ。趙則《チョウソク》は、戦ばかりだった私に心穏やかな安寧をくれたのですから」
趙範「だが義姉上は、また戦場に戻ってきた」
樊玉鳳「あの人が私を託しても良い人に出会わせたかったのかもしれませんね」
趙範「誰よりも優しかった兄上なら考えられるな。そうか、ワシは何という過ちを劉備殿も又、兄上と同じく民を第一に考える御方。その方に刃を向けようとは。これは、ワシの行く末を決める戦だったのやもしれん。降伏を受け入れる。だが義姉上のいう通り今は、劉表殿に睨まれぬように致そう」
樊玉鳳「殿が決心してくださり嬉しいです。くれぐれも劉表に目をつけられぬように」
趙範「うむ、こちらは任せよ。義姉上、どうかお幸せに」
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