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3章 群雄割拠

導き出す最適解

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 劉義賢は、またしても天界に来てしまった。
 パラレル甘氏「オー劉義賢よ。死んでしまうとは情けない」
 義賢「どうして曹操軍が」
 パラレル甘氏「おーい。無視ですか?」
 義賢「すみません。それで何か」
 パラレル甘氏「もう良いです。じゃあ次の生に」
 義賢「待ってください。質問があります」
 パラレル甘氏「なんでしょう?」
 義賢「易京にどうして曹操軍がいるんですか?」
 パラレル甘氏「はい?曹操軍?居ませんよ。易京に居たのは、袁紹軍だけです」
 義賢「でも、あの兵士は確かに荀彧と」
 パラレル甘氏「ええええええ!?あの本当に三国志好きですか?荀彧が最初に仕えた人知ってます?」
 義賢「いやここまでごちゃごちゃだと今がどうとかわかんないですよ」
 パラレル甘氏「はぁー。韓馥が公孫瓚に降るなんて思わないじゃないですか?田豊と沮授が劉備様に仕えるとか思わないじゃないですか?」
 義賢「そうですね」
 パラレル甘氏「歴史の修正力ってやつが働いたっぽいんですよね。田豊と沮授の代わりに荀彧と荀攸が袁紹軍にいる世界線みたいな」
 義賢「えっええええええええ!?それって裏を返せばあの王佐の才を劉備軍に勧誘できるチャンスってことじゃないですか。これは凄いぞ。未来が明るい」
 パラレル甘氏「いろんな世界線見ましたけど、どの世界線も曹操の元に行ってましたね。そこは引き抜けないように歴史の修正力が働く気が」
 義賢「でも荀彧殿って、晩年に自殺しちゃうんですよね?曹操軍より劉備軍の方があってる気がするんですが」
 パラレル甘氏「確かにそうですわね」
 義賢「1つ試してみたいことができたので、早く次の生にお願いします」
 パラレル甘氏「はいはい。本当に引き込めるのか楽しみに見ていますよ。後、先ほども小沛城は落城してしまいました」
 義賢「えっええええええ!?ってそうか何も変わってないもんな公孫瓚が滅亡したんだから小沛城の落城も変えられなかったってことか」
 パラレル甘氏「えぇ。一度、小沛城に残るルートも確認しておくべきだと思いますわ」
 義賢「わかりました。経験してきます」
 義賢の意識は覚醒し、パラレル甘氏に言われた通り、小沛城に残るルートを経験した。そして、また天界に戻ってくる。
 パラレル甘氏「オー劉義賢よ。死んでしまうとは情けない」
 義賢「待って待って、あんな女盗賊がいるなんて知らないんだけど。姜って呼ばれていた人はボーイッシュな美人。鄭って呼ばれていた人は黒髪ロングの美人。盗賊なんだよね。どうやって、あんな艶髪にしてんだよ」
 パラレル甘氏「あら、いつだって女性は美しくいたいものではなくて」
 義賢「成程、弛まぬ努力ってやつか。董白もいつも綺麗だもんな」
 パラレル甘氏「惚気ですか?用がないなら次の生に飛ばしますよ」
 義賢「だいたい分かったので、最適解を導き出せると思います」
 パラレル甘氏「それでは、今度こそ楽しみにしていますよ」
 義賢「はい」
 意識が覚醒するとそこは軍議の間だった。
 劉備「丁よ。ずいぶんと惚けていたようだが董白のことでも考えていたか」
 義賢「兄上、そんなことあるわけないじゃないですかぁ。でへへ」
 太史慈「いやニヤけていますぞ劉丁殿」
 田豫「コイツは昔からわかりやすいんだ」
 張飛「おいおい、大丈夫かよ。今から袁術を討伐しようって時に」
 関羽「うむ。心配であるな」
 諸葛瑾「まぁこんな軍議があっても良いのでは無いですかな」
 田豊「我々を束ねる軍師がこれでは」
 沮授「全く、飽きないですなぁこの軍は」
 義賢「では軍議を始めます。兄上は私と鮮于輔殿と共に公孫瓚軍の救援に向かいます。袁術討伐には、関羽殿を総大将に副将に張飛殿・趙雲殿・張郃殿。総勢6万。軍師に田豊殿・副軍師に沮授殿。小沛防衛は、華雄殿に一任します。軍師に諸葛瑾殿」
 趙雲「留守居では無いのですか?」
 義賢「えぇ、袁術討伐で手柄をあげてきてください」
 趙雲「この常山の趙子龍にお任せください」
 張郃「留守居では無い?必ずやこの抜擢に応える働きをしましょう」
 義賢「期待しています」
 諸葛瑾「私が小沛城の留守居軍師とは、必ずや死守しましょう」
 義賢「後、これはあくまで予想できるものですがよく聞いてください。袁術討伐では、劉表の横槍が入るでしょう。勿論、袁術軍の援軍としてです」
 関羽「皇帝を僭称した袁術に劉表が援軍を送る得など無いのでは無いですかな?」
 義賢「えぇ、勿論、同盟相手である袁紹からの依頼です。向かってくる将のいずれも劉表軍だとわからないようになっているはずです。ですが俺が今から言う相手が現れた際は、俺の今からいう言葉を信じて、作戦を遂行してください。ですが不測の事態も考えられます。田豊殿・沮授殿、その際は最適解をよろしくお願いします」
 田豊「お任せください」
 沮授「心得ました」
 義賢「では、韓玄軍が現れたら関羽殿。趙範軍が現れたら趙雲殿。金旋軍が現れたら張飛殿。劉度軍が現れたら張郃殿。これで大いに打ち負かせるでしょう」
 皆が頷いたのを見て、義賢は今度は小沛防衛軍に指示を出す。
 義賢「続いて、小沛防衛軍ですが、兄上が前に話した、民のために盗みを働く義賊団のことを知っていますね」
 華雄「確か、姜鄭義賊団だったか?」
 劉備「何故その話を?」
 義賢「我々が悪者だと唆されて、物資を強奪しにくるでしょう」
 劉備「笑えない冗談だ!」
 華雄「どうしろと」
 義賢「簡単です。我々の清く正しい姿を見せつけて、勧誘してください。華雄殿、密かに憧れていたでしょう。女だてらに強いって評判の姜鄭義賊団に」
 華雄「あぁ、美人揃いって聞いてたしな。もういい歳したオッサンがまだ独り身なんだぜ。そんな民に優しい奴らなら劉備軍に居るんだ。好きにもなるだろう」
 徐栄「うむうむ」
 義賢「期待してますよ」
 華雄「承知」
 徐栄「うむ」
 こうして、劉義賢が参戦できない方に軽い指示を飛ばした後、劉備・陳到・鮮于輔・田籌・太史慈・田豫と共に公孫瓚の援軍へと向かうのであった。
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