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3章 群雄割拠
易京籠城戦(後編)
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荀彧による坑道を掘り進め、内側から易京城を陥落させる土竜攻めが行われる少し前。裏から劉義賢軍が易京城へと到達した。正式には劉義賢だけだ到達した。黝廉が久々にお外で、まさかまさかだった。うん城壁を軽く飛び越えるなんて思わないよね。ってかどんな脚力だよって話。
易京兵士「貴様何者だ。止まれ」
義賢「劉玄徳が弟劉義賢と申す。至急、公孫瓚殿にお取り継ぎ願いたい」
暫くすると侍従をしている関靖がやって来た。
関靖「これは劉丁殿、お久しぶりでございますな」
義賢「関靖殿、お久しぶりです。公孫瓚殿に会えますか?」
関靖「こちらに」
関靖の案内で易京城の玉座の間に向かう。
関靖「劉丁殿をお連れしました」
公孫瓚「うむ。関靖、下がって良いぞ」
関靖が後にすると公孫瓚が話し始める。
公孫瓚「ワシは、どこで間違えたのであろうな。劉備と共に先生の元で習っていた頃が懐かしい。あの頃のワシは、党首ではなく一市民であった。幽州を良くしたいという志もあった。ワシは忘れていたのであろうな。役人の家で優秀なのが1人でもいれば故意に陥れ、困窮させ、凡庸なものを多く登用した。これも役人から虐げられる者を少しでも減らそうと考えたワシなりのやり方だった。だがその役人の優秀な子供もまた幽州の民であったことを忘れていたのだ」
義賢「それに気付けたのなら今からでも遅くありません。この劉義賢も協力いたします。易京から袁紹軍を追い返しましょう」
公孫瓚「最早手遅れだ。ワシのかつての行いが巡り巡って返って来たようだ」
落ちぶれた元役人「公孫瓚を許すな。外の袁紹軍に呼応するんだ。門を開けろ」
元学者「公孫瓚の悪政から解放されるんじゃ。袁紹様を迎え入れるのじゃ」
義賢「まさか、あの者たちは」
公孫瓚「あぁ、かつてワシが追い落とした者たちだ。集まれば力となる。お陰で外の袁紹軍の動きを全く知ることはできん。ワシも恐れて城に籠った。間も無くこの易京は内側から落城するであろう。せっかく来てくれたところを悪いが、ワシの道連れになる必要はない。早々に立ち去られよ」
義賢「まだ何か手が」
公孫瓚「くどい。もう万策尽きたのだ」
伝令「公孫瓚様に伝令。孫伉・李邵の反乱は、袁紹により察知され、両名共に討ち死にしたとのこと。袁紹から降ってきた李雍も朱霊により討ち取られました。城外に打って出た文則様も討ち取られました。范方様も打って出て、生死不明とのこと」
関靖「殿、地面から袁紹軍が。ここも危のうございます」
公孫瓚「ということだ。劉丁、いや劉丁殿。此度の援軍、平に感謝する。その勇気ある行動を見込んで、一つ頼みたい。妻と息子を連れて、逃げてくれ」
候氏「何をいうのです。私は貴方と共にここで死にます」
公孫続「父上と共に最後まで戦う所存」
義賢「公孫続様なのですか?」
公孫瓚「ワシに似て血気盛んで困ったものよ。お前たちが生きていればワシの血は残るのだ。頼む生きてくれぬか。この通りだ」
候氏「なら続だけで良いでしょう」
公孫瓚「お前は、息子から一度に両親を取り上げるというのか」
義賢「見かけた時より、大きくなったとはいえまだ小さい子供です。母親が居なければダメでしょう」
候氏「わかりました」
公孫瓚「わかってくれたか」
候氏「はい。要は人質なのですね。私に劉備の側女になれということですね」
公孫瓚「そうじゃな。劉備ならお前を大事にしてくれよう。没落した家の子供を迎え入れ養育させるのだ。それに死にゆくワシに縛られることはあるまい。お前はまだ若いのだ」
候氏「酷い方ですわね。でもこれも続を守るため、受け入れましょう」
公孫瓚「ということだ劉丁殿、頼まれてくれるか?」
義賢「目の前で奥方は兄上への人質などと言われて、断れるとお思いですか?わかりました。この身に代えて、奥方様と公孫続殿を御守りいたしましょう」
公孫瓚「感謝する」
関靖「間も無く袁紹軍が流れ込んできます。裏手よりお早く脱出してください」
義賢「馬を一頭お借りしますよ。公孫瓚殿の奥方が馬に乗れないなんてことはないでしょう」
侯氏「えぇ」
公孫続を抱えて馬にまたがる侯氏。その横に義賢。裏手より出たところで待っていた太史慈・田豫と合流する。
太史慈「その様子だと間に合わなかったようですな。残念です」
田豫「圧迫がキツくなるだろうが今はここから離れることが先決だろう」
太史慈「ところで、そちらのご婦人は?」
義賢「公孫瓚殿の奥方とその子供だ。頼まれた」
太史慈「そうですか」
田豫「公孫瓚殿も無念だっただろう。できることなら奥方と子供とずっと一緒に居たかったはずだ。だが幽州の覇者として、立派な最期を選んだのだろうな」
義賢「すぐ離れよう。ここも時期に危ないかもしれない」
袁紹軍兵士「こっちだいたぞ」
義賢「クソ見つかったか!太史慈殿・田豫殿、この2人は公孫瓚殿から託されたのだ。殺されるわけにはいかない。先に行け。俺が囮になる」
田豫「馬鹿野郎、囮なら俺が」
いうより先に囮として敵に向かっていく義賢。
田豫「クソ。絶対に無事に帰ってこいよ。いくぞ太史慈殿」
太史慈「承知した」
義賢は知っていた。これも公孫瓚が滅んだのだから失敗だ。あの兵士は、自分を理不尽に殺すために用意された兵士なのだ。全身に槍を突き刺され命が尽きようとしていた時、声が聞こえた。
袁紹軍兵士「クソ、公孫瓚の奥方と息子に逃げられた。だが1人は殺した。荀彧様に報告しよう」
義賢「(荀彧?何故ここに曹操軍が。もう意識が保てない)」
こうして、公孫瓚が滅んだことにより、また死を迎えてしまった劉義賢であった。
易京兵士「貴様何者だ。止まれ」
義賢「劉玄徳が弟劉義賢と申す。至急、公孫瓚殿にお取り継ぎ願いたい」
暫くすると侍従をしている関靖がやって来た。
関靖「これは劉丁殿、お久しぶりでございますな」
義賢「関靖殿、お久しぶりです。公孫瓚殿に会えますか?」
関靖「こちらに」
関靖の案内で易京城の玉座の間に向かう。
関靖「劉丁殿をお連れしました」
公孫瓚「うむ。関靖、下がって良いぞ」
関靖が後にすると公孫瓚が話し始める。
公孫瓚「ワシは、どこで間違えたのであろうな。劉備と共に先生の元で習っていた頃が懐かしい。あの頃のワシは、党首ではなく一市民であった。幽州を良くしたいという志もあった。ワシは忘れていたのであろうな。役人の家で優秀なのが1人でもいれば故意に陥れ、困窮させ、凡庸なものを多く登用した。これも役人から虐げられる者を少しでも減らそうと考えたワシなりのやり方だった。だがその役人の優秀な子供もまた幽州の民であったことを忘れていたのだ」
義賢「それに気付けたのなら今からでも遅くありません。この劉義賢も協力いたします。易京から袁紹軍を追い返しましょう」
公孫瓚「最早手遅れだ。ワシのかつての行いが巡り巡って返って来たようだ」
落ちぶれた元役人「公孫瓚を許すな。外の袁紹軍に呼応するんだ。門を開けろ」
元学者「公孫瓚の悪政から解放されるんじゃ。袁紹様を迎え入れるのじゃ」
義賢「まさか、あの者たちは」
公孫瓚「あぁ、かつてワシが追い落とした者たちだ。集まれば力となる。お陰で外の袁紹軍の動きを全く知ることはできん。ワシも恐れて城に籠った。間も無くこの易京は内側から落城するであろう。せっかく来てくれたところを悪いが、ワシの道連れになる必要はない。早々に立ち去られよ」
義賢「まだ何か手が」
公孫瓚「くどい。もう万策尽きたのだ」
伝令「公孫瓚様に伝令。孫伉・李邵の反乱は、袁紹により察知され、両名共に討ち死にしたとのこと。袁紹から降ってきた李雍も朱霊により討ち取られました。城外に打って出た文則様も討ち取られました。范方様も打って出て、生死不明とのこと」
関靖「殿、地面から袁紹軍が。ここも危のうございます」
公孫瓚「ということだ。劉丁、いや劉丁殿。此度の援軍、平に感謝する。その勇気ある行動を見込んで、一つ頼みたい。妻と息子を連れて、逃げてくれ」
候氏「何をいうのです。私は貴方と共にここで死にます」
公孫続「父上と共に最後まで戦う所存」
義賢「公孫続様なのですか?」
公孫瓚「ワシに似て血気盛んで困ったものよ。お前たちが生きていればワシの血は残るのだ。頼む生きてくれぬか。この通りだ」
候氏「なら続だけで良いでしょう」
公孫瓚「お前は、息子から一度に両親を取り上げるというのか」
義賢「見かけた時より、大きくなったとはいえまだ小さい子供です。母親が居なければダメでしょう」
候氏「わかりました」
公孫瓚「わかってくれたか」
候氏「はい。要は人質なのですね。私に劉備の側女になれということですね」
公孫瓚「そうじゃな。劉備ならお前を大事にしてくれよう。没落した家の子供を迎え入れ養育させるのだ。それに死にゆくワシに縛られることはあるまい。お前はまだ若いのだ」
候氏「酷い方ですわね。でもこれも続を守るため、受け入れましょう」
公孫瓚「ということだ劉丁殿、頼まれてくれるか?」
義賢「目の前で奥方は兄上への人質などと言われて、断れるとお思いですか?わかりました。この身に代えて、奥方様と公孫続殿を御守りいたしましょう」
公孫瓚「感謝する」
関靖「間も無く袁紹軍が流れ込んできます。裏手よりお早く脱出してください」
義賢「馬を一頭お借りしますよ。公孫瓚殿の奥方が馬に乗れないなんてことはないでしょう」
侯氏「えぇ」
公孫続を抱えて馬にまたがる侯氏。その横に義賢。裏手より出たところで待っていた太史慈・田豫と合流する。
太史慈「その様子だと間に合わなかったようですな。残念です」
田豫「圧迫がキツくなるだろうが今はここから離れることが先決だろう」
太史慈「ところで、そちらのご婦人は?」
義賢「公孫瓚殿の奥方とその子供だ。頼まれた」
太史慈「そうですか」
田豫「公孫瓚殿も無念だっただろう。できることなら奥方と子供とずっと一緒に居たかったはずだ。だが幽州の覇者として、立派な最期を選んだのだろうな」
義賢「すぐ離れよう。ここも時期に危ないかもしれない」
袁紹軍兵士「こっちだいたぞ」
義賢「クソ見つかったか!太史慈殿・田豫殿、この2人は公孫瓚殿から託されたのだ。殺されるわけにはいかない。先に行け。俺が囮になる」
田豫「馬鹿野郎、囮なら俺が」
いうより先に囮として敵に向かっていく義賢。
田豫「クソ。絶対に無事に帰ってこいよ。いくぞ太史慈殿」
太史慈「承知した」
義賢は知っていた。これも公孫瓚が滅んだのだから失敗だ。あの兵士は、自分を理不尽に殺すために用意された兵士なのだ。全身に槍を突き刺され命が尽きようとしていた時、声が聞こえた。
袁紹軍兵士「クソ、公孫瓚の奥方と息子に逃げられた。だが1人は殺した。荀彧様に報告しよう」
義賢「(荀彧?何故ここに曹操軍が。もう意識が保てない)」
こうして、公孫瓚が滅んだことにより、また死を迎えてしまった劉義賢であった。
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