えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。

揚惇命

文字の大きさ
上 下
73 / 644
3章 群雄割拠

第一次徐州の戦いリベンジ

しおりを挟む
 趙雲は自前の騎兵隊1000を加えて合計2000。張郃も自前の騎兵隊1000を加えて2000。合計7000の騎馬のみによる選抜メンバーが決まった。そして、今まで義賢以外誰も乗せようとしなかった黝廉が董白をすんなりと乗せたのだ。
 黝廉「ブルルルル(御主人様以外はホントはイヤなんだけど董白ちゃんは御主人様のために頑張ってくれたから特別)」
 義賢「そっかそっか。董白頑張ってくれたもんな。ありがとう黝廉」
 黝廉「ヒヒーン(えっ御主人様に私の言葉聞こえてるのかしら。なんだか嬉しいわ)」
 董白「黝廉って言うのね。後ろ少しだけごめんね」
 黝廉「ヒヒーン(遠慮しなさんな。このアタイが守ってあげるからね)」
 董白「でも、私戦闘からっきしなのよ。邪魔になるだけだと思うのだけど」
 義賢「ここにおいていたら田楷殿に人質に取られるかなと思ってな」
 董白「そんなことしないんじゃないかしら」
 義賢「いや、手柄だけでなく。劉備軍の手綱を握ろうと考えてもおかしくない」
 董白「油断ならない相手なのね公孫瓚って」
 義賢「あぁ、俺は董白を人質に取られたら言うこと聞いてしまうだろうからな」
 董白「そんな時は、私なんて見捨てなさいよ(私を見捨てられないなんて、嘘でも嬉しい)」
 義賢「無理だな。なんやかんや董白のいないこれから先の人生は考えられない」
 董白「まぁ、そんな期待に応えられるように退屈させないようにするわ(私も義賢と一緒の人生、これからも楽しみたい)」
 そんなことを話しながら陶謙軍と曹操軍が睨み合いしているところに到着した。
 義賢「良かった。まだ戦が始まってない。陶商殿を探さないと」
 董白「アレじゃないかしら」
 義賢「わかるのか?」
 董白「何となくだけど徐州を治めている人の息子なのよね?」
 義賢「あぁ」
 董白「だとしたらそれなりの身なりだと思うのよ。だからあの人かなって」
 義賢「ナイスだ」
 董白「褒めたって何も出ないわよ(キャー何でも出すからもっと褒めて~)」
 曹操軍の元へと向かう陶商殿を止める。
 義賢「またれよ陶商殿」
 足を止めて振り向く男。
 陶商「どちら様でしょうか?」
 義賢「これは失礼致しました。麋芳殿より、曹操軍の虐殺に喘ぐ民を救ってほしいと救援を受けこちらに参りました劉備義勇軍で軍師をしています劉義賢と申します」
 陶商「貴方方が父から聞いていた劉備義勇軍だったのですね。遠いところをありがとうございます。徐州牧陶謙の長子陶商です」
 義賢「良かった。陶謙殿に対して怒りを募らせている曹操殿の元に陶商殿が向かうのは逆効果となりましょう」
 陶商「ですが、これ以上の虐殺を見過ごすことはできません。私の命と引き換えにしてでも止めなければ」
 義賢「貴方のその覚悟は立派なものです。ですが状況は変わったのです。第三者である我々劉備義勇軍が必ずや停戦交渉を成功させるとお約束致します。ですから陶商殿」
 陶商「成程、それのが確実かもしれません。停戦の件重ね重ねよろしくお願いします」
 義賢「はい。お任せください」
 陶商は劉備義勇軍に交渉を託し、来た道を引き返し下邳城へと戻って行った。
 董白「これで変わったかしら」
 義賢「そう願いたい」
 交渉は今回も簡雍が担った。麗に突かれ馬車でお供したらしい。
 曹操「簡雍殿と申したか?」
 簡雍「はい。曹操殿のお怒りごもっともだと思います。ですがこれ以上の虐殺は曹操殿の輝かしい功績に影を落とすことになりかねません。どうかここは我が主君劉備様の顔を立てて、どうか剣を納めてくれませんか?」
 曹操「うむ。確かに我らは多くの血を流したかもしれん。だがこの地の民が許せぬのだ。愛する父を殺したこの地の民が」
 簡雍「ですがこのまま虐殺を続けるのならそれは曹操殿の汚点となりましょう」
 曹操「重々わかっているのだ。だがどうしても許せぬ。憎悪の炎が消えぬのだ」
 簡雍「曹操殿も苦しんでおられるのですな。であるならば、そのお怒りをどうか今だけ納めてくれませんか?一度深呼吸をして、鷹狩りに出かけるなどどうでしょうか?その際は我が主君もお供いたします」
 曹操「鷹狩りか。久しくやっておらぬな。少し落ち着いた。簡雍とやら、不思議な魅力を持っておるな。どうだワシに仕えぬか?」
 簡雍「お誘い感謝致しますが我が主君は劉備様ただ1人と決めております」
 曹操「そうか。劉備殿は良い臣下をお持ちのようだ。此度は貴殿の顔も立て引くことに致す。陶謙にもそう伝えるが良い」
 簡雍「感謝致します」
 こうして話はまとまって簡雍は帰っていく。
 曹操「郭嘉よ。アレで良かったのか?」
 郭嘉「上々です曹操殿。劉備義勇軍を加えた陶謙軍と戦うとなると我が軍も被害が大きくなるでしょう。ここは一時引くことも戦の常道ってね」
 曹操「うむ」
 郭嘉「それに袁紹からも袁術討伐の依頼が来てるようですからね。ここは劉備に恩を売っておき、後で返してもらうとしましょうか」
 曹操「あぁ、この貸しは高くつくぞ劉備よ」
 曹操軍は進軍した時に落とした城と郡を支配することを条件に1年間の和平を結んだ。こうして、第一次徐州の戦いでは劉備軍は曹操軍と戦うことはなく第三者として和平交渉を成功させたのである。劉備義勇軍を下邳城に迎え入れた陶謙は、世話係として甘氏を呼ぶ。その姿を見た劉備は15歳下の幼馴染であり恋心を抱いていた人物との再会に燃え上がり、その日のうちに側室に迎えたいと陶謙に頼み込み了承された。劉備にはこの時正妻がいて、名を芙蓉姫フヨウヒメと言う。幽州の豪族の娘で、政略結婚であったが仲睦まじかった。甘氏は芙蓉姫とすぐに打ち解け。共に劉玄徳を支えていくことを誓うのである。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。補足説明と登場人物の設定資料

揚惇命
SF
『えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。』という作品の世界観の説明補足と各勢力の登場人物の設定資料となります。 本編のネタバレを含むため本編を読んでからお読みください。 ※小説家になろう様・カクヨム様でも掲載しています。

メトロポリス社へようこそ! ~「役立たずだ」とクビにされたおっさんの就職先は大企業の宇宙船を守る護衛官でした~

アンジェロ岩井
SF
「えっ、クビですか?」 中企業アナハイニム社の事務課に勤める大津修也(おおつしゅうや)は会社の都合によってクビを切られてしまう。 ろくなスキルも身に付けていない修也にとって再転職は絶望的だと思われたが、大企業『メトロポリス』からの使者が現れた。 『メトロポリス』からの使者によれば自身の商品を宇宙の植民星に運ぶ際に宇宙生物に襲われるという事態が幾度も発生しており、そのための護衛役として会社の顧問役である人工頭脳『マリア』が護衛役を務める適任者として選び出したのだという。 宇宙生物との戦いに用いるロトワングというパワードスーツには適性があり、その適性が見出されたのが大津修也だ。 大津にとっては他に就職の選択肢がなかったので『メトロポリス』からの選択肢を受けざるを得なかった。 『メトロポリス』の宇宙船に乗り込み、宇宙生物との戦いに明け暮れる中で、彼は護衛アンドロイドであるシュウジとサヤカと共に過ごし、絆を育んでいくうちに地球上にてアンドロイドが使用人としての扱いしか受けていないことを思い出す。 修也は戦いの中でアンドロイドと人間が対等な関係を築き、共存を行うことができればいいと考えたが、『メトロポリス』では修也とは対照的に人類との共存ではなく支配という名目で動き出そうとしていた。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

四代目 豊臣秀勝

克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。 読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。 史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。 秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。 小牧長久手で秀吉は勝てるのか? 朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか? 朝鮮征伐は行われるのか? 秀頼は生まれるのか。 秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

織田信長IF… 天下統一再び!!

華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。 この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。 主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。 ※この物語はフィクションです。

処理中です...