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3章 群雄割拠
停戦交渉
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曹操との交渉に臨む簡雍の目には覚悟の目が宿っていた。
簡雍「この度は第三勢力である我々との停戦交渉に応じてくださり感謝します。曹操殿の御家族を想う気持ちに感服いたしました。ですが罪なき民まで殺めては、復讐ではなく侵攻と捉えられても何も言えませぬぞ」
郭嘉「ハハハ。簡雍殿だったかな?復讐と侵攻に違いはあるのかい?我が殿は、賊徒の蔓延る徐州の民を救うために来たんだよ。それとも何か。死んだ民たちを殺めたのが曹操軍だという証拠でもあるのかな」
簡雍「ほほぅ。そうきましたか。実に面白い。では、貴方方には一般の民ですら賊徒だと」
郭嘉「えぇ、民のフリをした賊徒です。兗州近隣への略奪を繰り返していることを知らないとでも」
簡雍「ハハハ。それこそどこに証拠があるのか。見てきたんですかな」
曹操「えぇい。もうやめぬか。簡雍殿でしたな。我々は劉備殿とは争うつもりはない。陶謙の首を差し出してくれるというのであれば、停戦交渉に応じても構わぬ」
簡雍「生い先短い老人の首を取らぬとも良いでしょう。息子である陶商殿の首を取ったのでございましょう」
曹操「ハハハ。知っておったか。では今回我らが落とした5城の統治を認めることで手を打とう」
簡雍「小肺城だけ返してくださいませんか?」
郭嘉「できぬ相談です」
簡雍「(小肺城は本拠下邳城への喉元。何としても返してもらわねばなりませんな)そうですか。それでは別の城と交換というのはいかがかな例えば東安城はいかがですかな?」
郭嘉「小肺の代わりに東安を譲ると!?」
曹操「ハハハ。簡雍殿、負けました。良いでしょう小肺城はお返し致そう。代わりに東安城を貰い受ける」
簡雍「ありがとうございます。停戦期間は3年で宜しいですか?」
郭嘉「1年です」
簡雍「わかりました。こちらの条件を呑んで頂いたのです。今度はこちらもそちらの条件を呑みましょう」
曹操「劉備殿とはこれからも良き友で居たいとお伝えくだされ」
簡雍「(圧力をかけてきたな。敵になったらお前も今回と同様かそれ以上だってか。全く怖いねぇ)伝えておきましょう。ですが我が殿は民への被害を1番に嫌う御方。此度のことがまた起きればその時はまた援軍に駆けつけるでしょう」
曹操「肝に銘じておこう(圧力に屈さぬか。流石は劉備のところの使者と言ったところか。まぁ良い。東安を手に入れた。ここから徐州各地を治める足掛かりとできよう。来年の侵攻が楽しみだ)」
簡雍「切に願いますなぁ(ありゃこりてねぇ顔だな。全く来年が恐ろしいったらありゃしないぜ。でも取り敢えず目的は果たしたし後は陶謙殿次第だな)」
簡雍は劉備の元へと帰っていった。
郭嘉「殿、申し訳ありません。まだ攻めれたものを」
曹操「良いのだ。劉備義勇軍の強さは黄巾の乱の時に見て知っている。ここで相手をすれば損害を出していたはずだ。此度は劉備の顔を立てて1年ぐらい待ってやるとしよう」
郭嘉「その間にこちらもより力を蓄えるとしましょうか(簡雍でしたか。掴みどころのないヒョロヒョロとしていましたね。油断ならない相手と見といた方がいいかな)」
曹操「うむ」
曹操軍の第一次侵攻はこうして終わり、兵を兗州へと引き上げたのである。兵の引き上げにより解放された臧覇たちの横を通り過ぎて曹純へと向かっていく男がいた。それに気付いた臧覇が止めに入る。
臧覇「若様、おやめくだされ」
陶応「離せ、臧覇。兄の仇を討たねば気が済まぬのだ」
曹純「家族を失う気持ちがわかったようだな。我が殿もそれを貴様らに味合わされたのだ。だが、停戦となり引くこととなった。だが殿の怒りは収まらないであろう。一時の平穏をせいぜい謳歌するのだな」
曹純も渋々兵を引くこととなった。曹豹たちも李通が引いたことによりようやく一息ついていた。
曹豹「停戦がなったようだな」
許耽「えぇ、ですが失ったものが多すぎるでしょう。戦乱を避け徐州へと来ていた民は戦乱を避けるため南へと流れるでしょう。陶商様は恐らく殺されたのでしょう。陶謙様の心労も計り知れないかと」
曹豹「陶応様が居られる。我らが盛り立てていくしかあるまい」
許耽「えぇ」
そして下邳城では陶謙がこの世を去ろうとしていた。
陶謙「糜竺よ。ゴホゴホ」
糜竺「ここに」
陶謙「ワシはもう疲れた。徐州を劉備殿に託そうと思う。糜子仲、これよりは劉備殿を支えてくれるか?ゴホゴホ」
糜竺「殿の命とあれば、ですが御子息ではなくどうして劉備殿に」
陶謙「応では徐州は守れん。今回のことでよくわかった。ワシの軽率な行動で商を失い。応まで失いたくはない。強い当主が必要だ。その点劉備殿であれば何も問題はない。ワシが死んだら徐州牧の印を渡すのじゃ。良いな。ゴホゴホ」
糜竺「了解いたしました」
陶謙「これでなんの憂いもない。商よ。父もそちらに向かうでな。応には寂しい思いをさせるが強く生きてくれ」
糜竺「殿、殿、陶謙様ーーーーーーーー」
最後に大きく息を吐くと眠るようにしてこの世を去った。陶謙の遺言を伝えた陶謙軍の面々には困惑が伺えた。
曹豹「糜竺殿、本当に殿がそうおっしゃったのか?」
糜竺「はい」
臧覇「確かに陶応様では徐州は守れないかも知れぬが劉備殿なら守れる。本当にそうなのか」
許耽「糜竺殿、よもや徐州を簒奪しようと企てておらぬであろうな」
???「確かに殿が言っておられましたぞ」
許耽「陳珪殿までそういうのでしたら。我々は従いましょう」
陳珪「御理解頂き感謝致しますぞ」
こんな形だが劉備は国持ちとなるのであった。
簡雍「この度は第三勢力である我々との停戦交渉に応じてくださり感謝します。曹操殿の御家族を想う気持ちに感服いたしました。ですが罪なき民まで殺めては、復讐ではなく侵攻と捉えられても何も言えませぬぞ」
郭嘉「ハハハ。簡雍殿だったかな?復讐と侵攻に違いはあるのかい?我が殿は、賊徒の蔓延る徐州の民を救うために来たんだよ。それとも何か。死んだ民たちを殺めたのが曹操軍だという証拠でもあるのかな」
簡雍「ほほぅ。そうきましたか。実に面白い。では、貴方方には一般の民ですら賊徒だと」
郭嘉「えぇ、民のフリをした賊徒です。兗州近隣への略奪を繰り返していることを知らないとでも」
簡雍「ハハハ。それこそどこに証拠があるのか。見てきたんですかな」
曹操「えぇい。もうやめぬか。簡雍殿でしたな。我々は劉備殿とは争うつもりはない。陶謙の首を差し出してくれるというのであれば、停戦交渉に応じても構わぬ」
簡雍「生い先短い老人の首を取らぬとも良いでしょう。息子である陶商殿の首を取ったのでございましょう」
曹操「ハハハ。知っておったか。では今回我らが落とした5城の統治を認めることで手を打とう」
簡雍「小肺城だけ返してくださいませんか?」
郭嘉「できぬ相談です」
簡雍「(小肺城は本拠下邳城への喉元。何としても返してもらわねばなりませんな)そうですか。それでは別の城と交換というのはいかがかな例えば東安城はいかがですかな?」
郭嘉「小肺の代わりに東安を譲ると!?」
曹操「ハハハ。簡雍殿、負けました。良いでしょう小肺城はお返し致そう。代わりに東安城を貰い受ける」
簡雍「ありがとうございます。停戦期間は3年で宜しいですか?」
郭嘉「1年です」
簡雍「わかりました。こちらの条件を呑んで頂いたのです。今度はこちらもそちらの条件を呑みましょう」
曹操「劉備殿とはこれからも良き友で居たいとお伝えくだされ」
簡雍「(圧力をかけてきたな。敵になったらお前も今回と同様かそれ以上だってか。全く怖いねぇ)伝えておきましょう。ですが我が殿は民への被害を1番に嫌う御方。此度のことがまた起きればその時はまた援軍に駆けつけるでしょう」
曹操「肝に銘じておこう(圧力に屈さぬか。流石は劉備のところの使者と言ったところか。まぁ良い。東安を手に入れた。ここから徐州各地を治める足掛かりとできよう。来年の侵攻が楽しみだ)」
簡雍「切に願いますなぁ(ありゃこりてねぇ顔だな。全く来年が恐ろしいったらありゃしないぜ。でも取り敢えず目的は果たしたし後は陶謙殿次第だな)」
簡雍は劉備の元へと帰っていった。
郭嘉「殿、申し訳ありません。まだ攻めれたものを」
曹操「良いのだ。劉備義勇軍の強さは黄巾の乱の時に見て知っている。ここで相手をすれば損害を出していたはずだ。此度は劉備の顔を立てて1年ぐらい待ってやるとしよう」
郭嘉「その間にこちらもより力を蓄えるとしましょうか(簡雍でしたか。掴みどころのないヒョロヒョロとしていましたね。油断ならない相手と見といた方がいいかな)」
曹操「うむ」
曹操軍の第一次侵攻はこうして終わり、兵を兗州へと引き上げたのである。兵の引き上げにより解放された臧覇たちの横を通り過ぎて曹純へと向かっていく男がいた。それに気付いた臧覇が止めに入る。
臧覇「若様、おやめくだされ」
陶応「離せ、臧覇。兄の仇を討たねば気が済まぬのだ」
曹純「家族を失う気持ちがわかったようだな。我が殿もそれを貴様らに味合わされたのだ。だが、停戦となり引くこととなった。だが殿の怒りは収まらないであろう。一時の平穏をせいぜい謳歌するのだな」
曹純も渋々兵を引くこととなった。曹豹たちも李通が引いたことによりようやく一息ついていた。
曹豹「停戦がなったようだな」
許耽「えぇ、ですが失ったものが多すぎるでしょう。戦乱を避け徐州へと来ていた民は戦乱を避けるため南へと流れるでしょう。陶商様は恐らく殺されたのでしょう。陶謙様の心労も計り知れないかと」
曹豹「陶応様が居られる。我らが盛り立てていくしかあるまい」
許耽「えぇ」
そして下邳城では陶謙がこの世を去ろうとしていた。
陶謙「糜竺よ。ゴホゴホ」
糜竺「ここに」
陶謙「ワシはもう疲れた。徐州を劉備殿に託そうと思う。糜子仲、これよりは劉備殿を支えてくれるか?ゴホゴホ」
糜竺「殿の命とあれば、ですが御子息ではなくどうして劉備殿に」
陶謙「応では徐州は守れん。今回のことでよくわかった。ワシの軽率な行動で商を失い。応まで失いたくはない。強い当主が必要だ。その点劉備殿であれば何も問題はない。ワシが死んだら徐州牧の印を渡すのじゃ。良いな。ゴホゴホ」
糜竺「了解いたしました」
陶謙「これでなんの憂いもない。商よ。父もそちらに向かうでな。応には寂しい思いをさせるが強く生きてくれ」
糜竺「殿、殿、陶謙様ーーーーーーーー」
最後に大きく息を吐くと眠るようにしてこの世を去った。陶謙の遺言を伝えた陶謙軍の面々には困惑が伺えた。
曹豹「糜竺殿、本当に殿がそうおっしゃったのか?」
糜竺「はい」
臧覇「確かに陶応様では徐州は守れないかも知れぬが劉備殿なら守れる。本当にそうなのか」
許耽「糜竺殿、よもや徐州を簒奪しようと企てておらぬであろうな」
???「確かに殿が言っておられましたぞ」
許耽「陳珪殿までそういうのでしたら。我々は従いましょう」
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