61 / 573
3章 群雄割拠
朗報がもたらされる
しおりを挟む
韓馥が不慮の死を遂げ、潘鳳が麴義に引っ捕らえられて劉備の元へと連れられてきた。
麴義「殿、韓馥軍の潘鳳を捕らえました。処遇はお任せします」
劉備「うむ。麴義よ、よくやってくれた。韓馥軍の兵たちは私に手を貸してくれることになった。どうだろう潘鳳殿、私に手を貸してくれぬか?」
潘鳳は劉備を品定めするように見る。その目には明らかに韓馥と違う何かを感じ取り、この身を預けることにする。
潘鳳「劉備殿でしたな。1つお聞かせ願いたい。貴方は今のままで良いのですか?」
劉備「今のままとは?」
潘鳳「寄る地も持たず流浪にて公孫瓚という小物にいいように扱われる」
劉備「辛辣だな。だが兄弟子なのだ。見捨てることなどできぬ」
義賢「兄上は斬り捨てられぬ御方なのです。ですが俺も兄上には是非この乱れる天下を安寧に導いて欲しいと思っております」
張飛「よく言った義賢。俺も大兄者が目指す民の安心できる世界ってのを見てみてぇ」
関羽「うむ。翼徳や義賢の申す通りぞ。兄者、流浪ではなく寄る地を得て、我らの想いを汲んでくだされ」
簡雍「だがなぁ。我らが故郷は公孫瓚・袁紹・張燕・公孫度が乱立していて、付け入る隙も無さそうだなぁ」
田豫「故郷から付き従ってくれている兵たちも多い。その家族も連れての大移動となると」
鮮于輔「それこそ荊州の奥地というのはアリなのではないか?」
田籌「やめた方が良いでしょう。あのあたりは劉表が抑えています。殿が同族と戦うことを良しとはしないでしょう」
周倉「だったらよ。いっそのこと公孫瓚から幽州を奪っちまうのはどうだい」
廖化「元福、お前馬鹿か。殿が兄弟子である公孫瓚殿を攻められるわけないだろう」
田豊「それでしたら、中原が良いかと」
沮授「確かに昔から中原を制すれば天下を制すると言いますな」
龔都「中原ってなると袁術・曹操でやすか」
劉辟「こんな時、殿に誰かが頼ってきてくれたりなんかすると楽なんですがね」
何儀「そんな都合良いことねぇだろ」
何曼「ないでしょうなぁ」
黄邵「あるわけないですな」
張郃「殿に謁見したいと申しておるものが」
趙雲「劉備殿、ようやくお会いできました」
劉備「趙雲殿!これは嬉しい訪問だ。如何した?」
趙雲「劉備殿、すぐにここよりお離れください。公孫瓚殿は劉備殿を袁紹との戦の盾にするつもりです」
義賢「やはりそうですか」
田豊「殿を失うわけにはいきませぬ」
沮授「すぐに何処かへ移るべきでしょう」
義賢「孔融殿か陶謙殿を頼るとはいうのは如何ですか?」
劉備「しかし、兄弟子を」
義賢「兄上はまだわからないのですか?貴方の信じた昔の公孫瓚はもう居ないのです。今のあの方ははさんのためなら兄上を平気で斬り捨てます。俺はこんなところで兄上を失いたくはない。御決断を」
その時、見知らぬ男が幕舎を訪ねてきた。
???「失礼致します。劉備殿の幕舎はここですかな?」
張飛「大兄者は下がっててくれ」
関羽「お主は誰だ?」
???「ヒィー怪しいものじゃないんだー。刃を向けないでくれー」
張郃「勝手に入ってきて怪しくない奴などいるものか。ひっ捕えてくれる」
義賢「どうやら向かうから吉報がやってきたようですね」
田豊「どういうことですか!?」
沮授「まさか!?」
義賢「えぇ、この目の前の男は恐らく陶謙軍の者かと」
???「ひょえー。お察しの通り。俺は徐州を治めている陶謙様に仕えている武官で、麋芳子方ってんだ。ちょっくら厄介毎に巻き込まれちまっててよ。劉備殿に救援を求めに来たってわけだ」
劉備「陶謙殿の使者の方でしたか我が臣下たちが失礼致しました。要件を聞きましょう」
麋芳「少し前の話になるんだがよ。曹操の父である曹嵩様の護衛を任せていた張闓ってやつが独立勢力の笮融・薛礼と共に裏切って殺して袁術の元に逃げ込んだんだ。曹操は父を殺されたことで相当お怒りでな。徐州に大挙してきたってわけよ。迎撃に向かった呂由は曹仁に討ち取られ。民は虐殺されてる。それで、曹操とも面識のある劉備殿に仲介役を頼みたいってわけなんだが救援に来てもらえるか?」
劉備「罪なき民まで虐殺するなど許せぬ。その任、お受けしましょう。確認を取ってくるのでこちらでお待ちいただいて構いませんか?」
麋芳「助けてくれんのかい。ありがてぇ。いつまでも待ってるぜ」
劉備は義賢を伴い公孫瓚の元へと訪れた。
公孫瓚「劉備よ。どうした。袁紹領へと進軍中だったのではないか?」
劉備「そのことなのですが、徐州を治める陶謙殿の使者が訪れまして、曹操に襲撃されているので助けて欲しいとのことです」
公孫瓚「それに何の意味がある?お前は、俺のために働けば良いのだ。そのようなことのお伺いを立てにくるでない。とっとと断れわかったな」
義賢「お待ちください。袁紹は強大です。袁術の助けを得られなかった以上、袁紹と結んでいる曹操に襲われている陶謙殿をお救いし、同盟を結ぶのは有効的かと考えます」
公孫瓚「ほぅ。確かに一理あるが。どうして袁術と同盟を結べなかったことを知っている?」
義賢「この沈んだ雰囲気を見れば芳しくなかったのは明らかでございましょう。それに公孫越将軍が沈んで戻るのをお見かけしましたから」
公孫瓚「成程。わかった。劉備よ。陶謙殿の援軍に向かえ。うちからも一部隊救援に派遣しよう田楷お前に任せる」
田楷「はっかしこまりました」
劉備義勇軍は、田楷隊の下に付き麋芳と共に地獄と化していた徐州へと向かうのであった。
麴義「殿、韓馥軍の潘鳳を捕らえました。処遇はお任せします」
劉備「うむ。麴義よ、よくやってくれた。韓馥軍の兵たちは私に手を貸してくれることになった。どうだろう潘鳳殿、私に手を貸してくれぬか?」
潘鳳は劉備を品定めするように見る。その目には明らかに韓馥と違う何かを感じ取り、この身を預けることにする。
潘鳳「劉備殿でしたな。1つお聞かせ願いたい。貴方は今のままで良いのですか?」
劉備「今のままとは?」
潘鳳「寄る地も持たず流浪にて公孫瓚という小物にいいように扱われる」
劉備「辛辣だな。だが兄弟子なのだ。見捨てることなどできぬ」
義賢「兄上は斬り捨てられぬ御方なのです。ですが俺も兄上には是非この乱れる天下を安寧に導いて欲しいと思っております」
張飛「よく言った義賢。俺も大兄者が目指す民の安心できる世界ってのを見てみてぇ」
関羽「うむ。翼徳や義賢の申す通りぞ。兄者、流浪ではなく寄る地を得て、我らの想いを汲んでくだされ」
簡雍「だがなぁ。我らが故郷は公孫瓚・袁紹・張燕・公孫度が乱立していて、付け入る隙も無さそうだなぁ」
田豫「故郷から付き従ってくれている兵たちも多い。その家族も連れての大移動となると」
鮮于輔「それこそ荊州の奥地というのはアリなのではないか?」
田籌「やめた方が良いでしょう。あのあたりは劉表が抑えています。殿が同族と戦うことを良しとはしないでしょう」
周倉「だったらよ。いっそのこと公孫瓚から幽州を奪っちまうのはどうだい」
廖化「元福、お前馬鹿か。殿が兄弟子である公孫瓚殿を攻められるわけないだろう」
田豊「それでしたら、中原が良いかと」
沮授「確かに昔から中原を制すれば天下を制すると言いますな」
龔都「中原ってなると袁術・曹操でやすか」
劉辟「こんな時、殿に誰かが頼ってきてくれたりなんかすると楽なんですがね」
何儀「そんな都合良いことねぇだろ」
何曼「ないでしょうなぁ」
黄邵「あるわけないですな」
張郃「殿に謁見したいと申しておるものが」
趙雲「劉備殿、ようやくお会いできました」
劉備「趙雲殿!これは嬉しい訪問だ。如何した?」
趙雲「劉備殿、すぐにここよりお離れください。公孫瓚殿は劉備殿を袁紹との戦の盾にするつもりです」
義賢「やはりそうですか」
田豊「殿を失うわけにはいきませぬ」
沮授「すぐに何処かへ移るべきでしょう」
義賢「孔融殿か陶謙殿を頼るとはいうのは如何ですか?」
劉備「しかし、兄弟子を」
義賢「兄上はまだわからないのですか?貴方の信じた昔の公孫瓚はもう居ないのです。今のあの方ははさんのためなら兄上を平気で斬り捨てます。俺はこんなところで兄上を失いたくはない。御決断を」
その時、見知らぬ男が幕舎を訪ねてきた。
???「失礼致します。劉備殿の幕舎はここですかな?」
張飛「大兄者は下がっててくれ」
関羽「お主は誰だ?」
???「ヒィー怪しいものじゃないんだー。刃を向けないでくれー」
張郃「勝手に入ってきて怪しくない奴などいるものか。ひっ捕えてくれる」
義賢「どうやら向かうから吉報がやってきたようですね」
田豊「どういうことですか!?」
沮授「まさか!?」
義賢「えぇ、この目の前の男は恐らく陶謙軍の者かと」
???「ひょえー。お察しの通り。俺は徐州を治めている陶謙様に仕えている武官で、麋芳子方ってんだ。ちょっくら厄介毎に巻き込まれちまっててよ。劉備殿に救援を求めに来たってわけだ」
劉備「陶謙殿の使者の方でしたか我が臣下たちが失礼致しました。要件を聞きましょう」
麋芳「少し前の話になるんだがよ。曹操の父である曹嵩様の護衛を任せていた張闓ってやつが独立勢力の笮融・薛礼と共に裏切って殺して袁術の元に逃げ込んだんだ。曹操は父を殺されたことで相当お怒りでな。徐州に大挙してきたってわけよ。迎撃に向かった呂由は曹仁に討ち取られ。民は虐殺されてる。それで、曹操とも面識のある劉備殿に仲介役を頼みたいってわけなんだが救援に来てもらえるか?」
劉備「罪なき民まで虐殺するなど許せぬ。その任、お受けしましょう。確認を取ってくるのでこちらでお待ちいただいて構いませんか?」
麋芳「助けてくれんのかい。ありがてぇ。いつまでも待ってるぜ」
劉備は義賢を伴い公孫瓚の元へと訪れた。
公孫瓚「劉備よ。どうした。袁紹領へと進軍中だったのではないか?」
劉備「そのことなのですが、徐州を治める陶謙殿の使者が訪れまして、曹操に襲撃されているので助けて欲しいとのことです」
公孫瓚「それに何の意味がある?お前は、俺のために働けば良いのだ。そのようなことのお伺いを立てにくるでない。とっとと断れわかったな」
義賢「お待ちください。袁紹は強大です。袁術の助けを得られなかった以上、袁紹と結んでいる曹操に襲われている陶謙殿をお救いし、同盟を結ぶのは有効的かと考えます」
公孫瓚「ほぅ。確かに一理あるが。どうして袁術と同盟を結べなかったことを知っている?」
義賢「この沈んだ雰囲気を見れば芳しくなかったのは明らかでございましょう。それに公孫越将軍が沈んで戻るのをお見かけしましたから」
公孫瓚「成程。わかった。劉備よ。陶謙殿の援軍に向かえ。うちからも一部隊救援に派遣しよう田楷お前に任せる」
田楷「はっかしこまりました」
劉備義勇軍は、田楷隊の下に付き麋芳と共に地獄と化していた徐州へと向かうのであった。
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。補足説明と登場人物の設定資料
揚惇命
SF
『えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。』という作品の世界観の説明補足と各勢力の登場人物の設定資料となります。
本編のネタバレを含むため本編を読んでからお読みください。
※小説家になろう様・カクヨム様でも掲載しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる