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2章 反董卓連合

長安遷都

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 董卓たちが楊奉たちに守られて、洛陽を脱出してすぐ御所門を守る華雄の元に李傕軍がやってきた。
 李傕「テメェが守ってるってことは中に董卓と献帝が居るのは間違いなさそうだな」
 華雄「李傕殿ではないか、董卓様を呼び捨てになさるなど、どうされたのだ?」
 李傕「ちょっと、野暮用でな。通してくれや」
 華雄「武器を携帯したまま献帝様の在わすところへ行かせることなどできん。武器をそこに置いていかれよ」
 郭汜「それはできねぇなぁ」
 李楽「華雄といえどこの数では何もできぬでしょう」
 王方「そういうことだ」
 華雄「なるほど反乱というわけですか。ならばこの華雄ここは一歩も通せんな。死にたいやつからかかってきやがれ」
 多勢に無勢とはこういう事を言うのであろう。1000を軽く超える李傕軍に対し、華雄は御所を守る兵と合わせても数100人いるかいないかだ。やがて限界がやってくる。身体も傷だらけの満身創痍。それでも引く事は無い。
 李傕「もう諦めろや華雄」
 華雄「それはできぬ相談だな」
 郭汜「とっとと死ねや」
 華雄「それもできぬ相談だな」
 李蒙「化け物が」
 やがて騒ぎを聞きつけた兵がやってくる。
 王允「これは一体何の騒ぎか?」
 李傕「王允殿じゃねぇか。俺たちは董卓を暗殺しようとしてんだ。手貸してくれや」
 王允「なんと、そうでございましたか。では、私は華雄殿に助太刀致しますぞ」
 李傕「!?どういうことだ。王允、テメェは董卓を暗殺しようとしてたんじゃねぇのか」
 王允「確かにそんな時もありましたな。今はそんな事をするなどとんでもない。我が私兵たちよ。李傕軍を食い止めるのだ」
 王允の私兵「王允様に受けた恩の数々を返す時だぞ。気張ってやるぜ」
 華雄「王允殿、かたじけない」
 王允「さぁ、もう暫く時を稼ぎますぞ」
 華雄「!?。全く、貴方という方は」
 王允「ホッホッホ」
 満身創痍の華雄に王允の私兵が合わさったとしてもせいぜい3百人程度だ。李傕軍により徐々に徐々に押し込まれていく。
 李傕「王允、テメェも哀れだな。董卓の暗殺をしてやるっていう俺に協力すれば良いものを」
 王允「董卓様の暗殺を考えていたのは昔のこと」
 郭汜「ウゼェウゼェ。じゃあテメェも死ねや」
 王允「華雄殿、もう持ちませんな。先に逝く事になりそうじゃ」
 華雄「巻き込んでしまい申し訳ない」
 王允「気にするでない。(あの御方だと早々に気付かなかったワシのせめてもの償いなのじゃからな)」
 その時、足音が聞こえる。
 王方「まずいかもしれやせんぜ」
 樊稠「まさか、アイツらが来たってのかよ」
 郭汜「迎え撃つしかねぇよ」
 李傕兵「李傕様に至急お話ししたいことが」
 李傕「お前らが帰ってきたってことは董卓殺して献帝を確保したんだな」
 李傕兵「それが、御所内に董卓も献帝も見当たりません」
 李傕「まさか!?とうに逃げてたのかよ。全ては、陽動ってことか」
 呂布「この呂奉先を楽しませてみろ」
 呂布軍が李傕軍に襲いかかる。張遼と高順の奮戦により押し込み華雄と王允を助け出した。
 李傕「流石呂布軍だな」
 郭汜「どうすんだよ」
 李傕「いや、奴らの狙いは華雄と王允の救援さ。それ以上こちらに攻撃を加えねぇよ」
 李蒙「これで董卓の暗殺は失敗じゃねぇか」
 李傕「先程、御所内に侵入した兵から聞いたが中にいなぇらしい。おそらくだがよ。長安へと逃げたんだろうぜ。だからよ。呂布軍を追いかけて長安に向かうように持ってくほうがいいからよ。包囲を強めるぜ」
 郭汜「わかったぜ」
 李傕は呂布軍の兵を的確に狙い撃ちし、兵を減らして包囲をどんどんと狭めた。こうすることで呂布軍の撤退を誘ったのだ。
 王允「呂布殿、かたじけない」
 華雄「呂布殿、ありがとよ。董卓様は、長安へと引かれた。王允殿を連れて、長安へと向かってくれ」
 呂布「しかし、それでは華雄殿が」
 華雄「呂布殿がここにきたってことは連合軍も間も無くだろう。俺の心配はいらない。董卓様のことを頼む」
 呂布「了解した」
 呂布は王允を連れて、李傕軍の包囲を突破しようと試みる。
 高順「殿、お任せください。俺の陥陣営にて、必ずや殿の道を切り拓きます」
 高順の勢いは凄まじく、李傕軍の包囲の一点を狙い全軍で突破したのだ。
 李傕「もう少し兵を減らしてやりたかったがこの包囲を突破しやがるとは」
 郭汜「でも、別に抜かれても問題ねぇだろ」
 李傕「問題大有りだ。こちらの損害を減らすために呂布軍の兵をある程度減らせば、こちらからバレない程度に穴を開けるつもりだったんだがな。こりゃあ被害が甚大だぜ」
 郭汜「まぁ、仕方のない犠牲だったと思うしかねぇだろ」
 李傕「まぁ、そうだな。全軍、華雄は捨て置き呂布を追うぞ」
 華雄「待て、貴様ら何処へ行く?董卓様と献帝様はこの中におるのだぞ」
 李傕「華雄、残念だがもうそれには乗らねぇ。中にいないことはわかってんだ。じゃあな」
 呂布は高順の突破力により、李傕軍を抜け、長安へと向かった。
 呂布「高順、相変わらずの突破力だな」
 高順「お褒めいただき感謝致す。俺の陥陣営に崩さぬものは無し」
 張遼「全く、高順殿は頼もしい限りだ」
 呂布「うむ、では長安へと参るとしよう」
 王允「急ぎましょうぞ」
 その頃、楊奉たちに守られた董卓たちは長安へと辿り着いていた。皆の奮戦が身を結んでいたのである。
 董卓「楊奉、助かったぞ」
 王栄「献帝の母として、私からも礼を言います。ありがとう」
 献帝「其方が居なければ父上も母上も失うところでした。感謝します」
 楊奉「勿体なき御言葉。このまま長安の防衛へと移ります」
 董卓「うむ、よろしく頼む」
 献帝「父上、私からも一つ、洛陽は焼け野原となってしまいました。当分帰れぬでしょう。ここは長安へ都を遷都致しましょう」
 董卓「そうだな。献帝よ。詔を出すのだ」
 献帝「はっ」
 李傕により焼け野原となった洛陽に代わり、長安へと都を遷都した。しかし、その長安にも李傕の魔の手が忍び寄っていたのだった。
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