44 / 637
2章 反董卓連合
虎牢関攻防戦(起)
しおりを挟む
孫堅も劉備も漢王朝を第一に考えている者同士だった。だからこそ利害が一致し、董卓としてこの世から去ろうとしている先代皇帝こと霊帝を救出するために虎牢関へと向かった。虎牢関では、袁紹・袁術・陶謙・公孫瓚・孔融・鮑信が居た。曹操は汜水関での敗戦により撤退、曹操がいなくなったことにより連合軍に義理がなくなった張邈・張超兄弟も撤退を決め。なにかとこの連合を集めたのは袁紹ではなく俺だと騒ぐ橋瑁は、同じ連合軍の劉岱・王匡に鬱陶しがられて、ついには些細ないざこざで討たれた。劉岱と王匡は連合軍に追及されるのを嫌い早々に逃げる。この事態に劉表は、連合軍に意味はないと判断を下し撤退する。馬騰は、董卓の娘婿である牛輔軍に散々に打ち負かされそもそもここに来れてないという。反董卓連合に参加した諸侯のうち半分が居なくなっていた。それに虎牢関に仁王立ちして連合軍の兵を散々に打ち負かしているのは、前漢の将軍である李広の再来と言われた猛将であり鬼神の呂布である。すっかり兵は怯え切っていた。そしてここに来て、馬騰軍を散々に打ち負かした牛輔軍も合流して、虎牢関は盤石といえる布陣となりつつあった。袁紹は苛立ちを隠さないでいた。
袁紹「えぇい。呂布だけでなく汜水関に居たはずの華雄までそれに呂布の側に控えるあの2人は何者だ。呂布ほどではないにしても十分猛将ではないか。全く、勝手な行動をとる奴らのせいで勝てる戦も勝てぬわ」
袁術「(汜水関の華雄が居るということは、孫堅は負けたようだな。しめしめ、これで袁紹の権威は失墜。呂布のいる虎牢関を抜けるわけもない。ククク。こんな愉快な話はないぞ)」
公孫瓚「(この後、河北を制するためには袁紹にはもっと疲弊してもらいたいところであるが、猛将と言われた顔良と文醜が居ないのであれば、これ以上袁紹を疲弊させることはできぬか。でも袁紹の側に控えるあの若武者はなんだ。無名のはずだが惹きつける魅力を持っているな)
陶謙「(劉備殿に恩を返すつもりで参加しましたがこの場に居ないのであれば徐州に帰るのも手。だがもう少し見極めるとしましょう)」
鮑信「(曹操殿は無事に撤退できたようだな。張邈殿や張超殿も撤退。自分も引き際を見極める時だ。所詮寄せ集めの意思統一など袁紹には無理だったということだ)」
孔融「(董卓の専横に異議を唱えて集まったというのにこうも好き勝手する集まりだったとは、漢王朝を救うために動いていたのは、曹操殿と孫堅殿と劉備殿だけではないか。後の奴らはこの先どう優位になるかを考えているだけ。こんな戦に何の意味があるというのだ)」
袁紹「えぇい、誰か呂布を倒してやるという男はおらんのか」
???「じゃあ、俺が行かせてもらうとするぜ」
袁紹「お前は方悦ではないか」
方悦「くだらねぇいざこざを起こした王匡様の配下である俺をそのまま置いてくれてんだ。恩返しの一つでもしねぇとな」
袁紹「よくぞ申した。行って参れ」
勢いよく飛び出す方悦であったが呂布に近づくにすれ、圧倒的強者の威圧感に縮こまる。そんな相手であろうと容赦してくれる者などいない。呂布の方天画戟により打ち合うことなくその首を落とされる。
方悦「(なんだこの男はなんなんだ。河内の猛将と言われたこの俺がまるで赤子じゃねぇか。いくらなんでもこんなに遠いわけねぇ)」
呂布「なんだ貴様、それでも武将か。へっぴり越しがしゃしゃり出てくるな」
方悦「ヒィーーーーーーーー」
袁紹「馬鹿な!?あの方悦が一合も打ち合えないだと!?」
袁術「従兄弟殿に降ったばかりに哀れですな」
袁紹「袁術、ではお前なら呂布を討てるのだな。お手並みを拝見するとしようか」
袁術「(くそ袁紹め。すり替えやがって。俺の配下に呂布と戦いたい馬鹿など居らんわ)」
???「では、この俺がひとっ走り図に乗ってる呂布を討ってきやすぜ」
袁術「兪渉、お前がおったな。お前なら安心だ。行って参れ」
兪渉「お任せくだせぇ」
勢いよく飛び出す兪渉であったが、呂布に近づくにすれ、圧倒的強者の威圧感に圧倒されて、立ってるのがやっとといった感じだ。一合も打ち合わずにその首が飛んだ。
兪渉「(この俺が立ってるのがやっとなんて、なんだよコイツ化け物かよ。勝てるわけねぇ)」
呂布「反董卓連合軍は腑抜けの集まりか。こんなのばかり寄越して、この俺を殺せると思ってるのか」
兪渉「ヒッ」
袁術「兪渉が一撃!?」
袁紹「大口を叩いてこの結果ではないか」
袁術「ぐぬぬ、兪渉のやつ、恥を晒しおって」
孔融の配下である武安国や公孫瓚の配下となった潘鳳が飛び出そうとするが双方の主君により止められる。
趙雲「袁紹殿、この常山の趙子龍にお任せを」
袁紹「待て、早まるでない」
趙雲は袁紹の言葉を受け流して呂布へと向かっていく。呂布の強者の威圧感をものともせずに呂布と打ち合う。
趙雲「駆けよ白竜」
呂布「ほぅ。俺の威圧感に触れても覇気を失わんか。やっと骨のあるもののようだ」
趙雲「呂布殿、御相手願う」
呂布「良いだろう」
数合打ち合っても決着は付かない。その様子をやっとこの戦場に合流した劉備たちが見ていた。
劉備「いかん。雲長・翼徳、あの若武者を助けるぞ」
関羽「兄者、心得申した」
張飛「大兄者、任せてくれ」
義賢「兄上、俺も行きます」
劉備「丁、無理はするなよ」
義賢「はい」
劉備と関羽と張飛が趙雲の救援に入り、義賢が弓で狙っていた。
劉備「助太刀致す」
趙雲「助かります」
張飛「それにしても、オメェ呂布相手になかなかやるじゃねぇか」
趙雲「凌ぐのが精一杯でしたよ」
関羽「我らで共に呂布を討とうぞ」
趙雲「了解した」
呂布「貴様ら如きに討てる呂奉先と思うなよ」
呂布は遠くで弓を構えている義賢を見つけると董卓から譲り受けた赤兎馬で距離を取り、弓を構えて義賢を射る。それが義賢の胸に直撃した。
義賢「(えっ嘘だろ。ここまで上手いこといってたよな。こんな結末アリかよ。しかもこれダメだ。致命傷どころか即死じゃね。だって俺話せてねぇもんな。あぁ兄上、すみません。今回も良い未来には導かないみたいです)」
劉備「丁ーーーーーーーーーー」
義賢は薄れゆく意識の中、敬愛する劉備の声を聞いた。
袁紹「えぇい。呂布だけでなく汜水関に居たはずの華雄までそれに呂布の側に控えるあの2人は何者だ。呂布ほどではないにしても十分猛将ではないか。全く、勝手な行動をとる奴らのせいで勝てる戦も勝てぬわ」
袁術「(汜水関の華雄が居るということは、孫堅は負けたようだな。しめしめ、これで袁紹の権威は失墜。呂布のいる虎牢関を抜けるわけもない。ククク。こんな愉快な話はないぞ)」
公孫瓚「(この後、河北を制するためには袁紹にはもっと疲弊してもらいたいところであるが、猛将と言われた顔良と文醜が居ないのであれば、これ以上袁紹を疲弊させることはできぬか。でも袁紹の側に控えるあの若武者はなんだ。無名のはずだが惹きつける魅力を持っているな)
陶謙「(劉備殿に恩を返すつもりで参加しましたがこの場に居ないのであれば徐州に帰るのも手。だがもう少し見極めるとしましょう)」
鮑信「(曹操殿は無事に撤退できたようだな。張邈殿や張超殿も撤退。自分も引き際を見極める時だ。所詮寄せ集めの意思統一など袁紹には無理だったということだ)」
孔融「(董卓の専横に異議を唱えて集まったというのにこうも好き勝手する集まりだったとは、漢王朝を救うために動いていたのは、曹操殿と孫堅殿と劉備殿だけではないか。後の奴らはこの先どう優位になるかを考えているだけ。こんな戦に何の意味があるというのだ)」
袁紹「えぇい、誰か呂布を倒してやるという男はおらんのか」
???「じゃあ、俺が行かせてもらうとするぜ」
袁紹「お前は方悦ではないか」
方悦「くだらねぇいざこざを起こした王匡様の配下である俺をそのまま置いてくれてんだ。恩返しの一つでもしねぇとな」
袁紹「よくぞ申した。行って参れ」
勢いよく飛び出す方悦であったが呂布に近づくにすれ、圧倒的強者の威圧感に縮こまる。そんな相手であろうと容赦してくれる者などいない。呂布の方天画戟により打ち合うことなくその首を落とされる。
方悦「(なんだこの男はなんなんだ。河内の猛将と言われたこの俺がまるで赤子じゃねぇか。いくらなんでもこんなに遠いわけねぇ)」
呂布「なんだ貴様、それでも武将か。へっぴり越しがしゃしゃり出てくるな」
方悦「ヒィーーーーーーーー」
袁紹「馬鹿な!?あの方悦が一合も打ち合えないだと!?」
袁術「従兄弟殿に降ったばかりに哀れですな」
袁紹「袁術、ではお前なら呂布を討てるのだな。お手並みを拝見するとしようか」
袁術「(くそ袁紹め。すり替えやがって。俺の配下に呂布と戦いたい馬鹿など居らんわ)」
???「では、この俺がひとっ走り図に乗ってる呂布を討ってきやすぜ」
袁術「兪渉、お前がおったな。お前なら安心だ。行って参れ」
兪渉「お任せくだせぇ」
勢いよく飛び出す兪渉であったが、呂布に近づくにすれ、圧倒的強者の威圧感に圧倒されて、立ってるのがやっとといった感じだ。一合も打ち合わずにその首が飛んだ。
兪渉「(この俺が立ってるのがやっとなんて、なんだよコイツ化け物かよ。勝てるわけねぇ)」
呂布「反董卓連合軍は腑抜けの集まりか。こんなのばかり寄越して、この俺を殺せると思ってるのか」
兪渉「ヒッ」
袁術「兪渉が一撃!?」
袁紹「大口を叩いてこの結果ではないか」
袁術「ぐぬぬ、兪渉のやつ、恥を晒しおって」
孔融の配下である武安国や公孫瓚の配下となった潘鳳が飛び出そうとするが双方の主君により止められる。
趙雲「袁紹殿、この常山の趙子龍にお任せを」
袁紹「待て、早まるでない」
趙雲は袁紹の言葉を受け流して呂布へと向かっていく。呂布の強者の威圧感をものともせずに呂布と打ち合う。
趙雲「駆けよ白竜」
呂布「ほぅ。俺の威圧感に触れても覇気を失わんか。やっと骨のあるもののようだ」
趙雲「呂布殿、御相手願う」
呂布「良いだろう」
数合打ち合っても決着は付かない。その様子をやっとこの戦場に合流した劉備たちが見ていた。
劉備「いかん。雲長・翼徳、あの若武者を助けるぞ」
関羽「兄者、心得申した」
張飛「大兄者、任せてくれ」
義賢「兄上、俺も行きます」
劉備「丁、無理はするなよ」
義賢「はい」
劉備と関羽と張飛が趙雲の救援に入り、義賢が弓で狙っていた。
劉備「助太刀致す」
趙雲「助かります」
張飛「それにしても、オメェ呂布相手になかなかやるじゃねぇか」
趙雲「凌ぐのが精一杯でしたよ」
関羽「我らで共に呂布を討とうぞ」
趙雲「了解した」
呂布「貴様ら如きに討てる呂奉先と思うなよ」
呂布は遠くで弓を構えている義賢を見つけると董卓から譲り受けた赤兎馬で距離を取り、弓を構えて義賢を射る。それが義賢の胸に直撃した。
義賢「(えっ嘘だろ。ここまで上手いこといってたよな。こんな結末アリかよ。しかもこれダメだ。致命傷どころか即死じゃね。だって俺話せてねぇもんな。あぁ兄上、すみません。今回も良い未来には導かないみたいです)」
劉備「丁ーーーーーーーーーー」
義賢は薄れゆく意識の中、敬愛する劉備の声を聞いた。
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。補足説明と登場人物の設定資料
揚惇命
SF
『えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。』という作品の世界観の説明補足と各勢力の登場人物の設定資料となります。
本編のネタバレを含むため本編を読んでからお読みください。
※小説家になろう様・カクヨム様でも掲載しています。
【新訳】帝国の海~大日本帝国海軍よ、世界に平和をもたらせ!第一部
山本 双六
歴史・時代
たくさんの人が亡くなった太平洋戦争。では、もし日本が勝てば原爆が落とされず、何万人の人が助かったかもしれないそう思い執筆しました。(一部史実と異なることがあるためご了承ください)初投稿ということで俊也さんの『re:太平洋戦争・大東亜の旭日となれ』を参考にさせて頂きました。
これからどうかよろしくお願い致します!
ちなみに、作品の表紙は、AIで生成しております。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~
トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。
旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。
この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。
こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

大日本帝国、アラスカを購入して無双する
雨宮 徹
歴史・時代
1853年、ロシア帝国はクリミア戦争で敗戦し、財政難に悩んでいた。友好国アメリカにアラスカ購入を打診するも、失敗に終わる。1867年、すでに大日本帝国へと生まれ変わっていた日本がアラスカを購入すると金鉱や油田が発見されて……。
大日本帝国VS全世界、ここに開幕!
※架空の日本史・世界史です。
※分かりやすくするように、領土や登場人物など世界情勢を大きく変えています。
※ツッコミどころ満載ですが、ご勘弁を。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる