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2章 反董卓連合

公孫瓚軍vs韓馥軍(転)

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 韓馥は、笑いが止まらなかった。幽州最強と言われていた白馬儀従の殲滅に成功し、圧倒的兵数の差があったにも関わらず散々に公孫瓚軍を叩きのめしたのだ。だからだろう公孫瓚軍の後詰に本営を超える兵数と猛将が揃い踏み、そして士気が全く衰えていないことすら気付かなかったのだ。そうこれが全てある男の作戦通りの展開である事に全く気付かなかった。
 韓馥「者共、突撃じゃ~公孫瓚軍を踏み潰せ~2度と冀州の地を踏ませるで無いぞ」
 田豊「(これが公孫瓚軍だと。あの胸騒ぎは何だったのか?全くといって良いほど歯応えがないでは無いか。ただの気のせいだったのか?しかし、流石沮授殿であるな。麴義殿の経歴を信じ、張郃殿に兵を集め。こうも簡単に公孫瓚軍を踏み潰すとは、全く恐ろしき知謀よ。敵でなく味方である事が心強いな)」
 審配「殿、このまま、公孫瓚を討ち取り幽州を手に入れてしまいましょう」
 沮授「殿、深追いする必要はありません。公孫瓚に手痛いダメージを与えることに成功しました。董卓殿にも一定の恩は売れたと言えるでしょう」
 韓馥「いや、沮授よ。壊滅させても構わないのだ。ここは審配の進言を優先して、公孫瓚を討ち取るために追撃するぞ~」
 沮授「殿、出過ぎたことを申しました」
 田豊「(沮授殿の言うとおり追撃すべきでは無いと思うがあの胸騒ぎの正体を確かめたい気持ちもある。本当にこれで終わりのならあの胸騒ぎは一体何だったのか?)」
 劉子恵「殿、沮授殿の言うとおり追撃すべきではありません」
 韓馥「ええぃ、貴様は黙っていろ。元はと言えば貴様が他の勢力の動きを見てから反董卓連合に参加するべきかどうかを決めるべきだなどと言うからこのようなことになったのだ。貴様の進言など聞かぬわ」
 劉子恵「ですが殿」
 韓馥「くどい。それ以上申すと首を刎ねるぞ」
 劉子恵「くっ」
 韓馥「朱漢・程奐・閔純・耿武・趙浮・李歴に命じる。突撃じゃ」
 朱漢たち「了解しました」
 散々に追い立てられる公孫瓚軍の中で取り残されてしまった盧植と高誘は絶体絶命のピンチを迎えていた。
 朱漢「あれが公孫瓚軍の軍師、盧植だ。者共討ち取れ~」
 程奐「公孫瓚軍を踏み潰せ~」
 盧植「公孫瓚め。だから過信するべきでは無いと申したのじゃ」
 高誘「先生、事ここに至っては仕方ない。覚悟を決めるか韓馥に降るかだろう」
 盧植「ふむぅ」
 劉備「先生、高誘にぃ、お引きください。ここは我々が引き受けます」
 盧植「劉備か。救援かたじけない。引かせてもらうとしようぞ」
 高誘「劉備、助かったぜ。すまねぇな。引かせてもらう」
 盧植と高誘が無事に引いたのを見届けると劉備と田豫は、目の前の将と対峙した。どうして劉備が盧植のピンチに駆け付けられたのか。話は少し前に戻る。白馬儀従が殲滅させられるのを後方から見ていた劉備は驚いていた。
 劉備「まさか兄弟子殿の精強な白馬儀従が殲滅されるとは」
 義賢「公孫瓚殿の傲慢と過信が招いた事です。力任せに行くだけでは被害も増えるだけです。だから頭を使うのです。今回は韓馥軍は追い詰められていたのです。それを逆転するために知恵を使った。それが韓馥軍の勝利につながったのです」
 張飛「感心している場合じゃねぇだろ」
 義賢「感心?いえいえ、作戦通りですよ。ここから巻き返すとしましょうか」
 関羽「何を言っておる。これはもう負けであろう。引くしかあるまい」
 義賢「いえ、ひっくり返せます。そのための策を授けます。先ずは勢いのある張郃と麴義の処理からです。張郃は河問で名の知れた猛将、張飛殿か関羽殿で無ければ相手で無いでしょう。悩みましたがここは張飛殿にお願いします。ですが、討ち取らずにできれば捕縛してください。関羽殿には涼州で異民族相手に負け知らずの猛将麴義の相手をお願いします。こちらも討ち取らずにできれば捕縛を優先してください。兄上と田豫殿は、戦場に取り残された盧植殿と高誘殿の救援をお願いします。周倉殿と廖化殿は、同じく戦場に取り残された田楷殿の救援をお願いします。龔都殿は何儀殿たちを連れ、同じく戦場に取り残されている単経殿の救援をお願いします。劉虞殿と鮮于輔殿は、韓馥の相手をお願いします」
 張飛「マジでひっくり返すってのか。この負け戦を?。俺様に猛将の相手を任せるたぁ。わかってんじゃねぇか。義賢の期待に応えてやんねぇとな」
 関羽「うむ。にわかには信じられんが。今は従うとしようぞ。麴義の相手は某に任せてもらおうぞ」
 劉備「丁、先生は勿論俺が助ける。国譲、後ろは任せたぞ」
 田豫「あぁ、任せてくれ」
 周倉「田楷殿の救援任された。腕がなるぜ」
 廖化「いっちょやってやりますか。あっ元福は張り切りすぎて空回りしないようにな」
 周倉「余計なお世話だっての」
 龔都「単経殿の救援でやすか?まぁ、頑張りやすとしますか」
 何儀「やられっぱなしってのも性に合わねぇしな」
 黄邵「我らの力見せてやりましょうや」
 劉辟「今回は俺に譲ってもらいますぜ」
 何曼「この刹天夜叉《せつてんやしゃ》の何曼にも残しておいてくださいよ。義兄上方」
 劉虞「韓馥殿の動きを止めれば良いのですな。全くとんでもないところにきたかも知れぬな鮮于輔よ」
 鮮于輔「確かに、ですが楽しいですなぁ。公孫瓚を出し抜いて韓馥軍を倒す。腕がなります。ギン、後ろは任せるぞ」
 鮮于銀「兄貴、任せてくれ」
 敗走した公孫瓚に代わり、客将である劉備による韓馥軍への反転攻勢が今始まろうとしていた。
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