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2章 反董卓連合
公孫瓚軍vs韓馥軍(承)
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公孫瓚軍を迎え撃つ韓馥軍の先鋒は涼州出身で異民族に対して何度も戦い続けてきた名将麴義の率いる精鋭1800である。大きな盾で身を隠し懐には弩を隠し持って待ち構える。他の部隊は相手からは見えない位置で伏兵として伏せ公孫瓚軍の殲滅を狙っていた。そうとは知らない公孫瓚はこの布陣を見た瞬間に相手を完全に舐め切ったのだ。公孫瓚の布陣は前衛に厳綱率いる3万の歩兵、その後ろに公孫瓚の本営、その両脇を白馬儀従が固めていた。公孫瓚は。盧植の諌めも聞かずに、厳綱の率いる3万の歩兵は動かさずに白馬儀従のみを動かしたのだ。
公孫瓚「ふん。あの程度の布陣でこのワシをやれると舐められたものだな。公孫越、公孫範よ。白馬儀従に突撃を命じよ。一思いにあの兵を踏み潰してやれ」
公孫越・公孫範「はっ」
盧植「待て、公孫瓚よ。何かある可能性がある。ここは厳綱殿にも白馬儀従を支援させるべきじゃ」
公孫瓚「先生も心配性ですなぁ。まぁ見ていてくだされ。俺の育てた白馬儀従の精強さを」
盧植「油断するべきでは無い。それに何故劉備を後方に下げたのじゃ」
公孫瓚「客将の身分如きにデカい顔されてはたまらぬ。それに劉虞は信用ならん」
盧植「それなら尚のこと。劉備を先鋒にすべきだったじゃろう。後方におけば劉虞が裏切った時対処できんぞ」
公孫瓚「たとえ劉虞が裏切ろうと劉備は裏切らん。アヤツはそういう男だ。だからこそ後方に置いたのだ」
盧植「そこまでいうのならもう何も言わん。好きにせよ」
高誘「俺も今回の件、先生と同意見だ。油断すれば身を滅ぼすぞ」
公孫瓚「まぁ見ているがいい」
公孫瓚のこの作戦は麴義の手の内であった。むしろここで盧植の言っていた通り厳綱の歩兵3万を動かしていれば麴義はなす術もなく討ち取られていたであろう。
公孫越・公孫範「白馬儀従よ。突撃だー」
白馬儀従「オオオオオオオオオオ」
白馬儀従とは、通常の騎兵と違い馬の上から弓を射るという。弓騎兵のことである。白い馬で固めた精鋭の弓騎兵のことを公孫瓚は白馬儀従と名付けたのだ。絶対の信頼を寄せ、数々の異民族を白馬儀従で薙ぎ払ってきた公孫瓚にとって白馬儀従が負けることなどあり得ないと考えていた。だが目の前でそれは起こったのだ。
麴義「(よし、公孫瓚は俺の兵だけと見て白馬儀従のみを動かしてきたな。作戦通りだ。白馬儀従を知らない韓馥様の多くの兵はそれを見ただけで怯えると考え、俺の精鋭のみで迎え撃つことにしたが、こうも見事にハマるとはな。公孫瓚その命貰い受けるぞ)。騎射が来るぞ。防いだらよーく弩で狙い撃て」
麴義の兵「了解しました」
白馬儀従「騎射始め➖」
白馬儀従の騎射を麴義の兵は盾で防ぎ切り、止んだ瞬間を狙い盾の隙間から弩で的確に狙い撃ち仕留めていったのだ。
麴義の兵「今だ」
白馬儀従「一体どこから弓がグハッ」
1人1人とやられると大混乱に陥る白馬儀従。
麴義「好機は今。一斉掃射だ」
麴義の兵「はい」
白馬儀従「落ち着け落ち着くのだ。グハッ」
精強を誇ったはずの白馬儀従が総崩れとなり戦場は大混乱となる。その頃、厳綱軍にもピンチが訪れていた。突如現れた張郃が率いる伏兵により取り囲まれたのだ。
厳綱「一体どこから?」
張郃「河問の張儁乂。敵将と見た。一騎討ちにてあい見えん」
厳綱「挑まれて逃げたとあっては断れぬな。公孫瓚軍、歩兵隊を預かっている厳綱である。張儁乂よ。お相手しよう」
張郃「その心意気や良し」
張郃と数合打ち合うが力の差が歴然であり、死を覚悟した厳綱であるが必死に喰らいつく。
張郃「殺すには惜しい執念ですね」
厳綱「ここを抜かれれば公孫瓚様が危険になるゆえな。簡単には負けられんのだ」
張郃とさらに数合打ち合うがとうとう力が入らなくなり厳綱は武器を落とした。
張郃「しぶとかったですがここまでのようですね」
厳綱「公孫瓚様に申し訳無いが仕方なかろう。我が首を持ってゆくが良い」
覚悟を決めた厳綱であるが張郃により縄で縛られた。
厳綱「これはどういうことだ」
張郃「殺すのは後でもできる。今は貴殿を捕虜とし、公孫瓚と交渉を試みても構わぬであろう」
厳綱「敗軍の将だ。語る言葉などない。好きにするが良い」
張郃は厳綱を部下に預けるとそのまま公孫瓚の本営に奇襲を仕掛けた。
公孫瓚「まさか。そんな馬鹿な。我が精鋭の白馬儀従だぞ。一体何故。このようなことが」
張郃「河問の張儁乂。推参。公孫瓚、貴殿に一騎討ちを挑む」
公孫瓚「どうすれば良い。あの男かなりできる。一騎討ちを受けるべきではない」
公孫記「張儁乂よ。お前など殿が相手をするまでもない。この公孫記が相手となろう」
公孫瓚「お前、何を考えている」
公孫記「殿、この場は一度引くのだ。この俺が殿が逃げる時間を稼ぐ」
公孫瓚「すまぬ」
公孫瓚は急いで馬に乗り、幽州へと逃げ帰ったのだ。
張郃「公孫瓚、逃げるのか。戻ってきてこの俺と戦え。意気地なしの臆病者が」
張郃の罵声を後ろ手に浴びながらも公孫瓚はとにかく逃げに逃げた。張郃は公孫瓚に追撃をかけるが公孫記に行く手を遮られる。
公孫記「殿の元へは、行かせぬ」
張郃「ええぃ。邪魔だどけ」
張郃は公孫瓚を見失わないように公孫記を無視して追撃しようとするが公孫記も必死に喰らいつく。
張郃「しつこい男は嫌われるぞ」
公孫記「なんと言われようと殿の元へは決して行かさぬ」
やがて、公孫瓚が遠ざかり見えなくなると張郃は公孫記に向き直る。
張郃「此度はお前の勝ちだ。公孫瓚を撮り逃した以上。小物に用はない。既に1人手に入れているからな」
公孫記「小物呼ばわりだとふざけるな」
襲いかかってくる公孫記を軽く払い退けた張郃は公孫記にトドメをささずに引いたのであった。
張郃「お前の忠義に免じて、命までは取らぬ。引くと良い」
公孫記「はぁはぁはぁ」
公孫瓚の白馬儀従は壊滅的打撃を受け、厳綱も捕まる。完全に公孫瓚の負けのこの戦いであったがあの男が虎視眈々と巻き返しをするために兵を動かしていた。
公孫瓚「ふん。あの程度の布陣でこのワシをやれると舐められたものだな。公孫越、公孫範よ。白馬儀従に突撃を命じよ。一思いにあの兵を踏み潰してやれ」
公孫越・公孫範「はっ」
盧植「待て、公孫瓚よ。何かある可能性がある。ここは厳綱殿にも白馬儀従を支援させるべきじゃ」
公孫瓚「先生も心配性ですなぁ。まぁ見ていてくだされ。俺の育てた白馬儀従の精強さを」
盧植「油断するべきでは無い。それに何故劉備を後方に下げたのじゃ」
公孫瓚「客将の身分如きにデカい顔されてはたまらぬ。それに劉虞は信用ならん」
盧植「それなら尚のこと。劉備を先鋒にすべきだったじゃろう。後方におけば劉虞が裏切った時対処できんぞ」
公孫瓚「たとえ劉虞が裏切ろうと劉備は裏切らん。アヤツはそういう男だ。だからこそ後方に置いたのだ」
盧植「そこまでいうのならもう何も言わん。好きにせよ」
高誘「俺も今回の件、先生と同意見だ。油断すれば身を滅ぼすぞ」
公孫瓚「まぁ見ているがいい」
公孫瓚のこの作戦は麴義の手の内であった。むしろここで盧植の言っていた通り厳綱の歩兵3万を動かしていれば麴義はなす術もなく討ち取られていたであろう。
公孫越・公孫範「白馬儀従よ。突撃だー」
白馬儀従「オオオオオオオオオオ」
白馬儀従とは、通常の騎兵と違い馬の上から弓を射るという。弓騎兵のことである。白い馬で固めた精鋭の弓騎兵のことを公孫瓚は白馬儀従と名付けたのだ。絶対の信頼を寄せ、数々の異民族を白馬儀従で薙ぎ払ってきた公孫瓚にとって白馬儀従が負けることなどあり得ないと考えていた。だが目の前でそれは起こったのだ。
麴義「(よし、公孫瓚は俺の兵だけと見て白馬儀従のみを動かしてきたな。作戦通りだ。白馬儀従を知らない韓馥様の多くの兵はそれを見ただけで怯えると考え、俺の精鋭のみで迎え撃つことにしたが、こうも見事にハマるとはな。公孫瓚その命貰い受けるぞ)。騎射が来るぞ。防いだらよーく弩で狙い撃て」
麴義の兵「了解しました」
白馬儀従「騎射始め➖」
白馬儀従の騎射を麴義の兵は盾で防ぎ切り、止んだ瞬間を狙い盾の隙間から弩で的確に狙い撃ち仕留めていったのだ。
麴義の兵「今だ」
白馬儀従「一体どこから弓がグハッ」
1人1人とやられると大混乱に陥る白馬儀従。
麴義「好機は今。一斉掃射だ」
麴義の兵「はい」
白馬儀従「落ち着け落ち着くのだ。グハッ」
精強を誇ったはずの白馬儀従が総崩れとなり戦場は大混乱となる。その頃、厳綱軍にもピンチが訪れていた。突如現れた張郃が率いる伏兵により取り囲まれたのだ。
厳綱「一体どこから?」
張郃「河問の張儁乂。敵将と見た。一騎討ちにてあい見えん」
厳綱「挑まれて逃げたとあっては断れぬな。公孫瓚軍、歩兵隊を預かっている厳綱である。張儁乂よ。お相手しよう」
張郃「その心意気や良し」
張郃と数合打ち合うが力の差が歴然であり、死を覚悟した厳綱であるが必死に喰らいつく。
張郃「殺すには惜しい執念ですね」
厳綱「ここを抜かれれば公孫瓚様が危険になるゆえな。簡単には負けられんのだ」
張郃とさらに数合打ち合うがとうとう力が入らなくなり厳綱は武器を落とした。
張郃「しぶとかったですがここまでのようですね」
厳綱「公孫瓚様に申し訳無いが仕方なかろう。我が首を持ってゆくが良い」
覚悟を決めた厳綱であるが張郃により縄で縛られた。
厳綱「これはどういうことだ」
張郃「殺すのは後でもできる。今は貴殿を捕虜とし、公孫瓚と交渉を試みても構わぬであろう」
厳綱「敗軍の将だ。語る言葉などない。好きにするが良い」
張郃は厳綱を部下に預けるとそのまま公孫瓚の本営に奇襲を仕掛けた。
公孫瓚「まさか。そんな馬鹿な。我が精鋭の白馬儀従だぞ。一体何故。このようなことが」
張郃「河問の張儁乂。推参。公孫瓚、貴殿に一騎討ちを挑む」
公孫瓚「どうすれば良い。あの男かなりできる。一騎討ちを受けるべきではない」
公孫記「張儁乂よ。お前など殿が相手をするまでもない。この公孫記が相手となろう」
公孫瓚「お前、何を考えている」
公孫記「殿、この場は一度引くのだ。この俺が殿が逃げる時間を稼ぐ」
公孫瓚「すまぬ」
公孫瓚は急いで馬に乗り、幽州へと逃げ帰ったのだ。
張郃「公孫瓚、逃げるのか。戻ってきてこの俺と戦え。意気地なしの臆病者が」
張郃の罵声を後ろ手に浴びながらも公孫瓚はとにかく逃げに逃げた。張郃は公孫瓚に追撃をかけるが公孫記に行く手を遮られる。
公孫記「殿の元へは、行かせぬ」
張郃「ええぃ。邪魔だどけ」
張郃は公孫瓚を見失わないように公孫記を無視して追撃しようとするが公孫記も必死に喰らいつく。
張郃「しつこい男は嫌われるぞ」
公孫記「なんと言われようと殿の元へは決して行かさぬ」
やがて、公孫瓚が遠ざかり見えなくなると張郃は公孫記に向き直る。
張郃「此度はお前の勝ちだ。公孫瓚を撮り逃した以上。小物に用はない。既に1人手に入れているからな」
公孫記「小物呼ばわりだとふざけるな」
襲いかかってくる公孫記を軽く払い退けた張郃は公孫記にトドメをささずに引いたのであった。
張郃「お前の忠義に免じて、命までは取らぬ。引くと良い」
公孫記「はぁはぁはぁ」
公孫瓚の白馬儀従は壊滅的打撃を受け、厳綱も捕まる。完全に公孫瓚の負けのこの戦いであったがあの男が虎視眈々と巻き返しをするために兵を動かしていた。
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