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2章 反董卓連合

盧植先生を診察する謎の女医

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 劉備たちが身を寄せる公孫瓚が反董卓連合の参加を表明したが2つ問題があった。1つは冀州を治める韓馥の不参加、そして病が重くなりつつあった盧植先生のことだ。韓馥の不参加について頭を悩ませる公孫瓚だったが反董卓連合への合流の障害となることを危惧し韓馥を討つことを決める。
 公孫瓚「諸君、集まってもらったのは他でもない。反董卓連合に参加しなかった韓馥を討つことに決めたぞ」
 盧植「ゴホゴホ。後方に憂いを残すのは得策ではありますまい。異論はござらん。ゴホゴホ」
 劉備「盧植先生、横になっていた方が良いのでは?」
 盧植「ゴホゴホ。劉備よ。心配はいらん。弟子を助けるのもワシの仕事じゃ。ゴホゴホ」
 公孫瓚「先生、申し訳ございません。良い先生が見つからず」
 盧植「ゴホゴホ。公孫瓚よ。良いのじゃ。人の生き死には時の運ゆえな。ゴホゴホ」
 義賢「1人、良い医者を知っております」
 公孫瓚「なんと!?。紹介してくれぬか?」
 義賢「構いませんが。ある人物との死闘の後、諸侯を旅している女医なので、連絡つくかどうか。後、本人は病人以外とは、お会いになりたがらないので、その点を承知していただけるのであれば、連絡を取ってみましょう」
 公孫瓚「腕が確かで先生が治る可能性があるのならその程度のこと許可しよう。だが治らなかった時は覚悟してもらう」
 盧植「ゴホゴホ。公孫瓚よ。そう脅しつけるでない。劉備の弟の劉義賢殿であったな。是非、よろしく頼む。ゴホゴホ」
 劉備「丁、俺からも頼む。盧植先生を救ってくれ」
 義賢「了解しました。連絡を取ってみましょう」
 義賢が公の場で連絡を取りづらいだの病人以外にお会いしたがらないと言ったのは、謎の医者の正体は既に死人であるはずの人だからである。彼らと連絡が取れるのは義賢だけであり、先日無事にある男との死闘に勝利し兄の病を完治させることができ、荊州の奥地にて太平医療という医院を開業したとのことだ。院長の兄、兄の護衛衛士を務める弟と楽しくやっているらしい。人並みの幸せも掴んだらしく。未だに世話を焼いてくれる付き人の男性と結婚したとのことだ。本人は迷惑をかけた分、行脚医師として民に尽くしている。
 付き人「あの御方からお手紙が届いております」
 謎の医者「あら、今度は何かしらね。ふむふむ。成程ね。アナタ、北平に向かうわよ」
 付き人「了解しました」
 謎の医者「結婚したのにいつまでも敬語なのね」
 付き人「何年貴方様の側にいると思っているのですか?簡単に長年の癖が治るはずがありませんよ」
 謎の医者「旦那様に敬語使わせてる妻って酷いと思われないかしら」
 付き人「大丈夫ですよ。俺が好きでやってるんですから」
 謎の医者「まぁいっか。じゃあ行くわよ」
 付き人「かしこまりました」
 謎の医者が北平に着いたのはそれからしばらくしてからだった。割と近くにいたみたいで、そう時間はかからずに盧植の邸宅へ訪れたのだ。
 謎の医者「病人がいるとのことで参りました。行脚医師をしています」
 盧植「ゴホゴホ。!?。いや、他人の空似であるな。先生、よろしくお願いいたします」
 盧植は黄巾党の討伐にも参加していた。この謎の医者が張宝であることに気付いたのだ。
 謎の医者「流行り病のようですね。この薬を飲めばすぐに良くなりますよ」
 盧植「ゴホゴホ。なんと!?。死の病ではないのか?」
 謎の医者「えぇ。風邪を拗らせたようでそれが悪化していたようですね」
 盧植「感謝する。張宝殿」
 張宝「!?。今は黄巾党の頃と違い女の格好をしているのに気付いていらしたのですか?」
 盧植「薄々だがな。まさか黄巾党の張角の弟とされているものが男に化けた女性などと思っていたことはない。ハハハ」
 張宝「知った今どうされますか?」
 盧植「何もせぬ。目の前の其方はワシの知る男と同姓同名の女というだけじゃ。それにしつこかった咳も止まった。まだまだ漢王朝のために働けるようにしてもらったのだ。其方は民を救う医師。そのようなものに危害を加えたとあっては、男が廃ろう」
 張宝「まぁお上手ですわね」
 付き人「盧植殿、感謝致す」
 盧植「お主は、確か波才であったか?」
 波才「俺のことも覚えていたのですか?」
 盧植「ハハハ。敵を知らねば己が死ぬ。そういうものであろう。当時黄巾党については、調べ尽くしておった」
 張宝「だから、貴方の軍は強かったのですね」
 波才「相手にしていて、あんなに肝が冷えたのは、盧植殿と劉備義勇軍と劉備の弟であり軍師の劉義賢殿ぐらいだ」
 盧植「劉義賢殿か。アヤツは一体何者なのであろうな。劉備のことをよく知っているワシから見ても底知れぬ男と感じたのぅ」
 張宝「えぇ本当に。ですがあの御方ならこの腐り切った世界を少しでも良くしてくださるのではないかとそう思い。私は生き残った皆と共にあの御方の力になろうと奮闘しているのです」
 盧植「まるで恋する乙女じゃの」
 張宝「恋ですか?それとは少し違います。憧れでしょうか。私の好きな人はずっと側で支えてくれたこの人だけなので」
 張宝の本音を聞いて、顔を真っ赤にする波才。
 盧植「ハッハッハ。若者の惚気に当てられる身にもなってもらいたいものよな」
 張宝「すみません」
 盧植「劉義賢が病人にしか会いたがらないと言ったた理由がわかりました。他のものが知れば命の危険にさらされるかも知れないということだったのじゃな」
 張宝「えぇ。私は死んだ身。生きていたとあっては、それを許せないと思うものも未だに多くいましょう」
 盧植「うむ。そうであるな。だが其方に救われた民も多くいよう。これからも民を救い続けてくだされ」
 張宝「えぇ。それがこの世を混乱させてしまった者の妹としての務めと心得ております」
 盧植の病を治した張宝は劉義賢のところに向かうのであった。
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