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1部 デモンズフロンティアの世界に慣れよう

クソ野郎の目を覚ましてやる!

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 思いの外、雑魚サキュバスで助かったが全員おめめをパチクリしていた。
「ナナとサキュバス?どういうこと?」
「マヤとハルとこんな形で再会するなんてね。2人ともフグオの快楽の虜なんだってね?」
「ナナ、ごめんなさい」
「なんで謝るのよ。謝るのは私の方でしょ。2人には自分の意思と関係なく命令に従わせるようなことしたんだからさ。それにしても確かに可愛いスライムね。フグオのこと守ってくれてありがとね」
「マリンなのだ。うんうん、人間さんの匂いなのだ」
「スライムの分際で、アタシのことに気付いてたっての?ムカつく~」
「魔族が同じ魔族のことわからなくなったら問題なのだ。不必要に近づく方が悪いのだ。それにしてもマスターの支配が弱いのだ?」
「何よ!こんな男に屈するわけないじゃない。ひゃん。そこはダメ~。嘘嘘、アタシはフグオ様の虜だからぁ」
「素直で偉いのだ」
「ふにゃん。触手で耳と翼と尻尾を撫で上げられるなんて、あまりの気持ちよさに腰が砕けちゃったじゃない」
「皆、仲良くてよろしい」
「はぁ、それにしてもフグオのお陰でタカシとかいうやつの支配から解き放たれたけど。こんなのが私の中に介在してたなんてね」
「こんなのとは酷い言い草ね。アタシは淫夢を操るサキュバスなのよ。ふにゃん。違いますぅ。今はフグオ様に仕えるリーシャですぅ。はっ。何してくれちゃってんのよ!」
「いやあまりにも雑魚雑魚だから楽しくてさ」
「ムキー。人間のくせにこんなに強い男がいるなんて、あり得ない。あり得ないったらあり得ない。ひゃん。そこは、ダメ~」
「本当に首筋、背中・尻尾と弱すぎるな。本当にサキュバスか?ザキュバスなんじゃ」
「こんなの耐えれるわけないでしょ。こんな人間知らないわよ。そばにいるだけで安心と幸せが流れてくるなんて、あぁん。だめぇぇぇぇぇ」
 リーシャが大きく身体を仰け反った。
「本当に弱いな」
「ハァハァハァハァ、気持ちよくなんてなってないんだからね」
 とついつい遊びすぎたようだ。目の前にアイツが現れた。
「あっいたぞ。ツカデモン」
「タカシ、メイレイ、ゼッタイ。オマエ、コロス」
「マゾオンナ、何してんの?ほら、お前も従え」
「あら、私を屈服させた気で居たの?お生憎様、アンタのくだらない洗脳なんて打ち破ったわよ」
 ナナの言葉を受けて、少年がまるでおもちゃを取られたとばかりにフグオに敵意を表明する。
「せっかく手に入れたペットだったのに、お前の仕業かお前の仕業なのか?でもここにいっぱいペットがいる~。良し、ツカデモン。コイツを殺したらコイツらを全員捕まえろ。わかったな?」
「タカシ、メイレイ、ゼッタイ」
 かつて、1人の女を巡って退治した男の操られるだけとなった木偶人形の姿にフグオが罵声を浴びせる。
「弟に良いようにされるなんてな。そんな男だから大事な女1人守れないんだ。いや違ったな。お前にとってマヤはただの道具だったな。いやマヤだけじゃなくてハルも道具だったか。そんな、男だから見捨てられて、僕なんかに寝取られるのさ。哀れ哀れ哀れ、哀れすぎて何も言えねぇな」
 俺の罵声に一つ目の鬼、サイクロプスとなった司が頭を抱える。よーし、精神攻撃が効いてるみたいだな。続けるか。
「お前がマヤのことを大事にしていれば、僕がこんなクソ女を引き取ることもなかったんだ。コイツは俺を虐めてた憎い女だ。ちょっと仕返しのつもりだったのによ。この女の下半身雑魚過ぎて、もう僕にメロメロな訳。この身で償います~だってよ。どんなことさせようかなぁ。初めて抱いた時なんて、最高だったぜ。お前のこと大好きだった女を落とすのはさ。嫌々、やめてって言うのを強引に貫いて上書きしていくんだ。最初の方は嫌々しててもよ。暫くしたら、もっともっとってせがむんだ。挙げ句の果てには彼氏のことは捨てますだってよ。マジで、最高の気分だったぜ」
 サイクロプスがずっと頭を抱えている。
「ツカデモン、何してるんだ!あんな男の声に耳を貸すなよ。早く叩き潰すんだよ」
「タカシ、メイレイ、ゼッ。ふざけんなよ。そうやって、俺のマヤを寝とったってのか。アァ。男女の営みを赤裸々に語りやがって気持ち悪いんだよ」
 司だ。そこには意識を取り戻した御離羅司が居た。
「おい、お前は今は俺の奴隷なんだぞ。きちんと動けよ。この木偶の棒」
「ウルセェよ!いいように使われてる事なんてわかってんだよ!姉貴には見捨てられ、弟には奴隷のようにこき使われ。親父にも切り捨てられた。それもこれも全部オメェのせいだろうが。オメェが俺からマヤを奪うからこうなったんだろうが。オメェはなんなんだよ!自分の復讐のためだけに俺の愛する女を奪ったってのか。アァ」
「決まってるだろ。それ以外にどんな理由がある。こんな重い女、こちらから願い下げだ。寧ろ、性奴隷以外の使い道を教えてもらいたいものだな」
「貴様ーーーーーーーー。俺のマヤを。俺のマヤを返せーーーーー」
「ククク。そこまでいうのならマヤに決めてもらおうじゃないか。俺の性奴隷かお前の元に帰るか。俺は別にどっちでも構わないんだ。この女がお前を選ぶなら返すだけだ」
「本当だろうな。聞いたかマヤ。コイツはお前のことなんて愛してない性奴隷だとよ。俺の元に帰ってこい」
「お・こ・と・わ・りよ。私はフグオの性奴隷として生きていくの。なんで、アンタみたいなフニャちんで満足させられない男の元に帰らないと行けないの。その上、精神も雑魚で。こうやって私のことを理解して辱めてくれる男らしさも無いし。それにフグオが愛してくれなくても私が愛してたら良いじゃない。だって、フグオのことを虐めてた私は愛される資格なんてそもそもないんだし」
「だとよ。残念だったな。雑魚」
「なんでだよ。なんで俺じゃダメなんだよ。お前のために時間作ってデートもしたし、プレゼントもたくさん買ったじゃねぇかよ。なんで、俺よりこんなキモブタがいいんだよ。おかしいだろうが。こんなのおかしいだろうが」
 サイクロプスとなった司から大粒の涙が流れていた。男としての完全な敗北。愛する人からの圧倒的拒絶。そして、意識を取り戻したことで、タカシの傀儡からも解放。意識を奪われ、無差別に攻撃をするから怖いだけであって、こうなってしまってはただのデカい的である。ちょっと意地悪をしすぎたが精神を好き勝手弄られたままなんで可哀想だろ。コイツには悪いけどマヤは荷が重かったんだ。きっといい人が見つかる。その時は、マヤの時の失敗を重ねなければ良いだけなんだから。だが俺の気持ちとは裏腹にひとしきり泣いたサイクロプスは、全てを破壊するためその拳を奮うのだった。
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