いじめられっ子の僕が可愛い人外娘と行く冒険旅〜但し人外娘へと変える方法が独特で〜

揚惇命

文字の大きさ
上 下
168 / 210
1部 デモンズフロンティアの世界に慣れよう

採掘拠点の紹介

しおりを挟む
 採掘場の奥をさらに掘り進めアリの巣のような拠点が完成した。
「ここが貯蔵庫ね」
「貯蔵庫とは何なのでしょう?」
「食料を置いたりするところだよ」
「ひいじいちゃま。スラオの息子のスラキチです。ここの管理と防衛を任されたです」
「もう。あのウニョウニョのワープホールを繋いだのか。早いな」
「はいです。センティさん・コロネさん、宜しくです。何でも新鮮なまま保存するです。セキタンツムリさんとマモリムカデさんのお手伝いするです。末長くよろしくです」
「頼んだよ。このスラキチに渡せば、何でも保存してくれるし、言えばすぐに取り出してくれるからね」
「これはご丁寧に挨拶をありがとうございますですわ。それにしてもスライムがこんなに便利だとは思いませんでしたの」
「そうだよね。今じゃ、僕のパーティもみんな1匹スライム連れてるからね」
「じゃあ、次の場所に行こうか」
 貯蔵庫の次は、コロネが要望した子育て用の部屋だ。
「ここならだいぶ遠いから音もそんなに聞こえないんじゃないかな?」
「パパ、ありがとでちゅ」
「それにしてもセキタンツムリがあんな産まれ方だったなんて」
 セキタンツムリは、鶏が卵を産むように石炭を産む。その石炭が鶏の卵のように雌だけが産むか雄と交尾して産むか。そこも鶏と同じだ。簡単に言えば、雄と交尾して産まれた石炭はセキタンツムリになって、雌だけが産むと石炭になるのだ。そして、産まれたばかりのセキタンツムリは、デリケートで敏感らしく。大きな音でストレスを抱えて、亡くなる可能性が高いらしい。そんなことを聞いた後に要望を受けたわけだから頑張った。1番奥であることだけでなく、音がほとんど聞こえないように防音設備にもこだわった。
「ここと一歩外に出るだけでここまで変わるでちゅか?凄いでちゅ」
「これなら大丈夫かな?」
「作業員さんたちの発掘音を心地よく感じるまでは、この中で育てるでちゅ。パパ、ありがとでちゅ」
「いいんだよ~コロネが気に入ってくれたなら何よりだよ」
「この部屋はなんでちゅか?」
 子育て部屋の横の部屋をコロネが開けるとそこには2匹のセキタンツムリが交尾していた。
「説明するよりも先に使ってるセキタンツムリがいるなんてな。ここは交尾専用の部屋だよ。個室で作っておいたから好きに使ってくれ」
「これは出産率が上がりそうでちゅ。セキタンツムリが増えたらそれだけ、石炭もたくさん作れるでちゅ。そしたら作業員さん達喜ぶでちゅか?」
「きっと喜ぶさ」
「なら頑張るでちゅ」
「良かったわねコロネ」
「はいでちゅ」
「じゃあ、次は風呂だな」
「私たちは水浴びはしないとお伝えしましたわよね?」
「うん。だから砂風呂にしたよ。それにセンティとコロネは人外娘になったんだからさ。お風呂は気持ちいいと思うよ。まぁ、試しに入ってみなよ。疲れが取れるからさ」
 砂風呂の方にはたくさんのマモリムカデとセキタンツムリがいた。
「これでは入れませんわね。仕方ありませんわね。今回だけですわよ。コロネ覚悟を決めなさい」
「センティ、嫌でちゅ。水は嫌いでちゅ」
 なんて言ってた2人だがお風呂に入るとこの通りである。
「ふにゃふにゃするでちゅ。気持ちいいでちゅ~」
「水浴びがこんなに良いものだったなんて、知りませんでしたわ。それに、身体が少し軽くなった気がしますわ」
「そうだろうそうだろう」
「この変態!センティもコロネも何してんのよ!お風呂はね。異性に見られながら入るもんじゃないの!1人でのんびりと入るものなのよ。まぁ女同士なら問題ないけど」
「そうでしたのね。ですが今更、旦那様に見られて恥ずかしいなんてことありませんもの。だって、旦那様には全て見られているんですから」
「パパ、真っ赤っかでちゅ」
「この変態は、どうせ教えるフリして、じっくり見たかっただけでしょ」
「マヤ、酷い。なんでわかった!」
「なんでわかったじゃないわよ!確かにセンティはスタイル抜群だし、褐色で綺麗だけど、いや、何言わせてんのよ!」
「なんで、殴られるんだよ。僕、何も言ってないだろ!」
 センティとコロネがお風呂から上がると最後に入り口近くの部屋に来た。
「ここが詰所ね」
「詰所とは何なのでしょう?」
「敵が来た時にいち早く迎撃に向かう人たちが待機するところかな」
「成程、監視部屋というやつですわね。確かに必要ですわね」
「そう思って作ったんだ」
「こんな素敵な拠点を作ってくださり、感謝にたえませんわ」
「そこまで気に入ってくれたなら作った僕としても嬉しいよ」
 できた拠点の案内は済んだ。そして、採掘場の奥、これより先侵入禁止のその1番前に、僕たちの家も作っておいた。採掘場の中に木の家だ。後、採掘場の入り口付近には、作業員のみんなが利用できるお風呂とトイレと仮住まいを作った。これも好評で、作業員の皆さんに感謝された。これでセキタンツムリたちは、産まれたばかりの赤ちゃんがストレスを感じないように子育てできる空間を手に入れ、マモリムカデたちは、防衛を担い。作業員さんたちは、共存のため、奥深くには立ち入らない取り決めがまとまったのである。そして、フグオはこの周辺にいる魔物を人外娘に変えるべく、外へと飛び出したのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった

仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。 そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?

[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~

k33
ファンタジー
初めての小説です..! ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!

仁徳
ファンタジー
あらすじ リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。 彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。 ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。 途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。 ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。 彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。 リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。 一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。 そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。 これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...