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1部 デモンズフロンティアの世界に慣れよう
フグオ御一行御用達のエレスタの街
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エレスタの街で開かれるコンテストに出るためには、エレスタの服飾店とモデル契約を結ぶ必要がある。現在、モデル契約を結んでいるのは、レプスコ店でピグミィ、ロイヤルナイト店でマミリンの2人だ。この話をしたところマリンたちもこのコンテストに参加したいとのことで、既に契約を結んでいるピグミィとマミリンに拠点の防衛と留守を任せ、他の人外娘たちを連れて、エレスタの街へとやってきた。しかし、普段と様子が違い、入り口に番兵らしき人が立っていた。
「何かあったんですか?」
「勇者殿!これは、いえ、特に何かあったと言うわけではないのですが、いや、無理がありますよね。町長様には言うなと止められていますので、直接お聞きください」
「わかりました」
フグオが入り口の番兵とやり取りを終えると町長の住む屋敷へと向かうのだった。扉をノックすると町長が出てきた。
「フグオ様!?どうしてこちらに?まさか、話したのか?アイツに番兵の仕事は無理であったか」
ぶつぶつと文句を言っている町長。
「水臭いじゃ無いですか。この街とはこれからも末長く付き合って行きたいんですから話してくださいよ」
「うーむ。やむおえんか」
そう言うと町長は一枚の紙を差し出した。その紙には次のように書かれていた。
『ギルド協会、総本山プロフェッションの街による各街への通達。フグオなる魔王の手先、見つけたらすぐに報告すること。報告の義務を怠れば、我らが神の天罰が降るであろう。我らが神とは、すなわち職業神である。職業に携わる者ならこれが何を意味するか理解できよう。各街の英断に期待する』
「なんなんだよ。これ?俺を見つけて報告しなければ、街を滅ぼすぞって言ってるように聞こえるんだけど?」
「お恥ずかしい話がその通りです。この世界で職業の恩恵を受けているものは、少なからず職業神に認められたという事みたいなので。だから、ほとほと困っておるのです。ハピ。ゴホン、パピルス王都で行方不明となっていた王女様をお救いくださったフグオ様を差し出すことなぞ。できるはずがないと。それがこの村の結論なのですが。そうすると我らは職を失いNPC並みの戦闘力になる可能性が。如何したものかと」
「成程、俺のせいで御迷惑をおかけして申し訳ありません。それなら、俺が変装しましょう。それなら町長を含め皆さんも報告の義務を怠ったことにはならないでしょう」
「しかし、そのようなことをフグオ様に」
「良いんです。今日は服を買いに来ただけです。コンテスト参加の登録は次回に致します。変装した姿で、ね」
「成程、そこまでお気を遣わせてしまうとは誠に申し訳ございませぬ。パピィ王女様のことくれぐれもよろしくお願いいたします。今日の報告はフグオ様が帰った後、それとなくしておきましょう」
「えぇ、それが良いかと」
終わって外に出ようとすると町長がこの世界の住民に溶け込み、商売モードとなって、再度話しかけてくる。
「ちなみに、どのような服をお求めなのですかな?」
「アハハ。その、リビングスターチュとデスボアーの服を」
「成程、リビングスターチュ娘とは、また面白いのを人外娘にしなさいましたな。彫像系のモンスターは癖が強いと聞きますがどのような服が好きとかありますかな?」
「ヴィーナスは、服を着たことが無いから全裸に近い服が良いとか言ってまして、でもそれはダメだと服を探しているのですが」
「それならMNSという店を営んでいるエムエス爺さんの店に向かってみると良いでしょう。御要望に近い良い服が見つかるかと。デスボアー娘は、どういった性格なのですか?」
「チョトミは、兎に角ギャルって感じですかね。俺にもわからないギャル語?とかを使ってますね」
「それはそれは個性的なデスボアー娘ですな。うーん。それなら面白い店がありますな。ド・ハデ店という店なんですがきっとデスボアー娘が気にいる服があるかと」
「町長、何から何までありがとうございます。その2店舗に行ってみます」
「では、お買い物をお楽しみくださいませ」
こうして、町長と別れた俺は外に待たせていたマリンたちと合流する。
「マスター、お話は済んだのだ?」
「あぁ、マリン、皆、どうやらここにもギルドの魔の手が迫っているようだ、だから登録は次回にする。楽しみにしてたところすまないな。今日はヴィーナスとチョトミの服を買って早々に帰るぞ」
俺の言葉で事の大きさに理解したらしいマリンが頷くと他のみんなも何も言わず町長に言われた2店舗の1つ。MNSへと向かう。
「いらっしゃい。んんんんんんん!!!!なんという素晴らしいフォルム。これはワシの最も理想とする姿じゃ。お主、名前を何という?」
入った瞬間、店主に詰め寄られて困惑しているヴィーナスに変わって俺が尋ねる。
「失礼ですが貴方は?」
「これは失礼した。貴殿が高名な勇者様であるな。ワシが巷でエムエス爺さんと呼ばれているものじゃ」
名前を名乗ったこの年老いた見た目の爺さんがこのMNSという店を営んでいる人のようだ。
「何かあったんですか?」
「勇者殿!これは、いえ、特に何かあったと言うわけではないのですが、いや、無理がありますよね。町長様には言うなと止められていますので、直接お聞きください」
「わかりました」
フグオが入り口の番兵とやり取りを終えると町長の住む屋敷へと向かうのだった。扉をノックすると町長が出てきた。
「フグオ様!?どうしてこちらに?まさか、話したのか?アイツに番兵の仕事は無理であったか」
ぶつぶつと文句を言っている町長。
「水臭いじゃ無いですか。この街とはこれからも末長く付き合って行きたいんですから話してくださいよ」
「うーむ。やむおえんか」
そう言うと町長は一枚の紙を差し出した。その紙には次のように書かれていた。
『ギルド協会、総本山プロフェッションの街による各街への通達。フグオなる魔王の手先、見つけたらすぐに報告すること。報告の義務を怠れば、我らが神の天罰が降るであろう。我らが神とは、すなわち職業神である。職業に携わる者ならこれが何を意味するか理解できよう。各街の英断に期待する』
「なんなんだよ。これ?俺を見つけて報告しなければ、街を滅ぼすぞって言ってるように聞こえるんだけど?」
「お恥ずかしい話がその通りです。この世界で職業の恩恵を受けているものは、少なからず職業神に認められたという事みたいなので。だから、ほとほと困っておるのです。ハピ。ゴホン、パピルス王都で行方不明となっていた王女様をお救いくださったフグオ様を差し出すことなぞ。できるはずがないと。それがこの村の結論なのですが。そうすると我らは職を失いNPC並みの戦闘力になる可能性が。如何したものかと」
「成程、俺のせいで御迷惑をおかけして申し訳ありません。それなら、俺が変装しましょう。それなら町長を含め皆さんも報告の義務を怠ったことにはならないでしょう」
「しかし、そのようなことをフグオ様に」
「良いんです。今日は服を買いに来ただけです。コンテスト参加の登録は次回に致します。変装した姿で、ね」
「成程、そこまでお気を遣わせてしまうとは誠に申し訳ございませぬ。パピィ王女様のことくれぐれもよろしくお願いいたします。今日の報告はフグオ様が帰った後、それとなくしておきましょう」
「えぇ、それが良いかと」
終わって外に出ようとすると町長がこの世界の住民に溶け込み、商売モードとなって、再度話しかけてくる。
「ちなみに、どのような服をお求めなのですかな?」
「アハハ。その、リビングスターチュとデスボアーの服を」
「成程、リビングスターチュ娘とは、また面白いのを人外娘にしなさいましたな。彫像系のモンスターは癖が強いと聞きますがどのような服が好きとかありますかな?」
「ヴィーナスは、服を着たことが無いから全裸に近い服が良いとか言ってまして、でもそれはダメだと服を探しているのですが」
「それならMNSという店を営んでいるエムエス爺さんの店に向かってみると良いでしょう。御要望に近い良い服が見つかるかと。デスボアー娘は、どういった性格なのですか?」
「チョトミは、兎に角ギャルって感じですかね。俺にもわからないギャル語?とかを使ってますね」
「それはそれは個性的なデスボアー娘ですな。うーん。それなら面白い店がありますな。ド・ハデ店という店なんですがきっとデスボアー娘が気にいる服があるかと」
「町長、何から何までありがとうございます。その2店舗に行ってみます」
「では、お買い物をお楽しみくださいませ」
こうして、町長と別れた俺は外に待たせていたマリンたちと合流する。
「マスター、お話は済んだのだ?」
「あぁ、マリン、皆、どうやらここにもギルドの魔の手が迫っているようだ、だから登録は次回にする。楽しみにしてたところすまないな。今日はヴィーナスとチョトミの服を買って早々に帰るぞ」
俺の言葉で事の大きさに理解したらしいマリンが頷くと他のみんなも何も言わず町長に言われた2店舗の1つ。MNSへと向かう。
「いらっしゃい。んんんんんんん!!!!なんという素晴らしいフォルム。これはワシの最も理想とする姿じゃ。お主、名前を何という?」
入った瞬間、店主に詰め寄られて困惑しているヴィーナスに変わって俺が尋ねる。
「失礼ですが貴方は?」
「これは失礼した。貴殿が高名な勇者様であるな。ワシが巷でエムエス爺さんと呼ばれているものじゃ」
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