122 / 210
1部 デモンズフロンティアの世界に慣れよう
フグオ御一行御用達のエレスタの街
しおりを挟む
エレスタの街で開かれるコンテストに出るためには、エレスタの服飾店とモデル契約を結ぶ必要がある。現在、モデル契約を結んでいるのは、レプスコ店でピグミィ、ロイヤルナイト店でマミリンの2人だ。この話をしたところマリンたちもこのコンテストに参加したいとのことで、既に契約を結んでいるピグミィとマミリンに拠点の防衛と留守を任せ、他の人外娘たちを連れて、エレスタの街へとやってきた。しかし、普段と様子が違い、入り口に番兵らしき人が立っていた。
「何かあったんですか?」
「勇者殿!これは、いえ、特に何かあったと言うわけではないのですが、いや、無理がありますよね。町長様には言うなと止められていますので、直接お聞きください」
「わかりました」
フグオが入り口の番兵とやり取りを終えると町長の住む屋敷へと向かうのだった。扉をノックすると町長が出てきた。
「フグオ様!?どうしてこちらに?まさか、話したのか?アイツに番兵の仕事は無理であったか」
ぶつぶつと文句を言っている町長。
「水臭いじゃ無いですか。この街とはこれからも末長く付き合って行きたいんですから話してくださいよ」
「うーむ。やむおえんか」
そう言うと町長は一枚の紙を差し出した。その紙には次のように書かれていた。
『ギルド協会、総本山プロフェッションの街による各街への通達。フグオなる魔王の手先、見つけたらすぐに報告すること。報告の義務を怠れば、我らが神の天罰が降るであろう。我らが神とは、すなわち職業神である。職業に携わる者ならこれが何を意味するか理解できよう。各街の英断に期待する』
「なんなんだよ。これ?俺を見つけて報告しなければ、街を滅ぼすぞって言ってるように聞こえるんだけど?」
「お恥ずかしい話がその通りです。この世界で職業の恩恵を受けているものは、少なからず職業神に認められたという事みたいなので。だから、ほとほと困っておるのです。ハピ。ゴホン、パピルス王都で行方不明となっていた王女様をお救いくださったフグオ様を差し出すことなぞ。できるはずがないと。それがこの村の結論なのですが。そうすると我らは職を失いNPC並みの戦闘力になる可能性が。如何したものかと」
「成程、俺のせいで御迷惑をおかけして申し訳ありません。それなら、俺が変装しましょう。それなら町長を含め皆さんも報告の義務を怠ったことにはならないでしょう」
「しかし、そのようなことをフグオ様に」
「良いんです。今日は服を買いに来ただけです。コンテスト参加の登録は次回に致します。変装した姿で、ね」
「成程、そこまでお気を遣わせてしまうとは誠に申し訳ございませぬ。パピィ王女様のことくれぐれもよろしくお願いいたします。今日の報告はフグオ様が帰った後、それとなくしておきましょう」
「えぇ、それが良いかと」
終わって外に出ようとすると町長がこの世界の住民に溶け込み、商売モードとなって、再度話しかけてくる。
「ちなみに、どのような服をお求めなのですかな?」
「アハハ。その、リビングスターチュとデスボアーの服を」
「成程、リビングスターチュ娘とは、また面白いのを人外娘にしなさいましたな。彫像系のモンスターは癖が強いと聞きますがどのような服が好きとかありますかな?」
「ヴィーナスは、服を着たことが無いから全裸に近い服が良いとか言ってまして、でもそれはダメだと服を探しているのですが」
「それならMNSという店を営んでいるエムエス爺さんの店に向かってみると良いでしょう。御要望に近い良い服が見つかるかと。デスボアー娘は、どういった性格なのですか?」
「チョトミは、兎に角ギャルって感じですかね。俺にもわからないギャル語?とかを使ってますね」
「それはそれは個性的なデスボアー娘ですな。うーん。それなら面白い店がありますな。ド・ハデ店という店なんですがきっとデスボアー娘が気にいる服があるかと」
「町長、何から何までありがとうございます。その2店舗に行ってみます」
「では、お買い物をお楽しみくださいませ」
こうして、町長と別れた俺は外に待たせていたマリンたちと合流する。
「マスター、お話は済んだのだ?」
「あぁ、マリン、皆、どうやらここにもギルドの魔の手が迫っているようだ、だから登録は次回にする。楽しみにしてたところすまないな。今日はヴィーナスとチョトミの服を買って早々に帰るぞ」
俺の言葉で事の大きさに理解したらしいマリンが頷くと他のみんなも何も言わず町長に言われた2店舗の1つ。MNSへと向かう。
「いらっしゃい。んんんんんんん!!!!なんという素晴らしいフォルム。これはワシの最も理想とする姿じゃ。お主、名前を何という?」
入った瞬間、店主に詰め寄られて困惑しているヴィーナスに変わって俺が尋ねる。
「失礼ですが貴方は?」
「これは失礼した。貴殿が高名な勇者様であるな。ワシが巷でエムエス爺さんと呼ばれているものじゃ」
名前を名乗ったこの年老いた見た目の爺さんがこのMNSという店を営んでいる人のようだ。
「何かあったんですか?」
「勇者殿!これは、いえ、特に何かあったと言うわけではないのですが、いや、無理がありますよね。町長様には言うなと止められていますので、直接お聞きください」
「わかりました」
フグオが入り口の番兵とやり取りを終えると町長の住む屋敷へと向かうのだった。扉をノックすると町長が出てきた。
「フグオ様!?どうしてこちらに?まさか、話したのか?アイツに番兵の仕事は無理であったか」
ぶつぶつと文句を言っている町長。
「水臭いじゃ無いですか。この街とはこれからも末長く付き合って行きたいんですから話してくださいよ」
「うーむ。やむおえんか」
そう言うと町長は一枚の紙を差し出した。その紙には次のように書かれていた。
『ギルド協会、総本山プロフェッションの街による各街への通達。フグオなる魔王の手先、見つけたらすぐに報告すること。報告の義務を怠れば、我らが神の天罰が降るであろう。我らが神とは、すなわち職業神である。職業に携わる者ならこれが何を意味するか理解できよう。各街の英断に期待する』
「なんなんだよ。これ?俺を見つけて報告しなければ、街を滅ぼすぞって言ってるように聞こえるんだけど?」
「お恥ずかしい話がその通りです。この世界で職業の恩恵を受けているものは、少なからず職業神に認められたという事みたいなので。だから、ほとほと困っておるのです。ハピ。ゴホン、パピルス王都で行方不明となっていた王女様をお救いくださったフグオ様を差し出すことなぞ。できるはずがないと。それがこの村の結論なのですが。そうすると我らは職を失いNPC並みの戦闘力になる可能性が。如何したものかと」
「成程、俺のせいで御迷惑をおかけして申し訳ありません。それなら、俺が変装しましょう。それなら町長を含め皆さんも報告の義務を怠ったことにはならないでしょう」
「しかし、そのようなことをフグオ様に」
「良いんです。今日は服を買いに来ただけです。コンテスト参加の登録は次回に致します。変装した姿で、ね」
「成程、そこまでお気を遣わせてしまうとは誠に申し訳ございませぬ。パピィ王女様のことくれぐれもよろしくお願いいたします。今日の報告はフグオ様が帰った後、それとなくしておきましょう」
「えぇ、それが良いかと」
終わって外に出ようとすると町長がこの世界の住民に溶け込み、商売モードとなって、再度話しかけてくる。
「ちなみに、どのような服をお求めなのですかな?」
「アハハ。その、リビングスターチュとデスボアーの服を」
「成程、リビングスターチュ娘とは、また面白いのを人外娘にしなさいましたな。彫像系のモンスターは癖が強いと聞きますがどのような服が好きとかありますかな?」
「ヴィーナスは、服を着たことが無いから全裸に近い服が良いとか言ってまして、でもそれはダメだと服を探しているのですが」
「それならMNSという店を営んでいるエムエス爺さんの店に向かってみると良いでしょう。御要望に近い良い服が見つかるかと。デスボアー娘は、どういった性格なのですか?」
「チョトミは、兎に角ギャルって感じですかね。俺にもわからないギャル語?とかを使ってますね」
「それはそれは個性的なデスボアー娘ですな。うーん。それなら面白い店がありますな。ド・ハデ店という店なんですがきっとデスボアー娘が気にいる服があるかと」
「町長、何から何までありがとうございます。その2店舗に行ってみます」
「では、お買い物をお楽しみくださいませ」
こうして、町長と別れた俺は外に待たせていたマリンたちと合流する。
「マスター、お話は済んだのだ?」
「あぁ、マリン、皆、どうやらここにもギルドの魔の手が迫っているようだ、だから登録は次回にする。楽しみにしてたところすまないな。今日はヴィーナスとチョトミの服を買って早々に帰るぞ」
俺の言葉で事の大きさに理解したらしいマリンが頷くと他のみんなも何も言わず町長に言われた2店舗の1つ。MNSへと向かう。
「いらっしゃい。んんんんんんん!!!!なんという素晴らしいフォルム。これはワシの最も理想とする姿じゃ。お主、名前を何という?」
入った瞬間、店主に詰め寄られて困惑しているヴィーナスに変わって俺が尋ねる。
「失礼ですが貴方は?」
「これは失礼した。貴殿が高名な勇者様であるな。ワシが巷でエムエス爺さんと呼ばれているものじゃ」
名前を名乗ったこの年老いた見た目の爺さんがこのMNSという店を営んでいる人のようだ。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
異世界帰りの【S級テイマー】、学校で噂の美少女達が全員【人外】だと気付く
虎戸リア
ファンタジー
過去のトラウマで女性が苦手となった陰キャ男子――石瀬一里<せきせ・いちり>、高校二年生。
彼はひょんな事から異世界に転移し、ビーストテイマーの≪ギフト≫を女神から授かった。そして勇者パーティに同行し、長い旅の末、魔王を討ち滅ぼしたのだ。
現代日本に戻ってきた一里は、憂鬱になりながらも再び高校生活を送りはじめたのだが……S級テイマーであった彼はとある事に気付いてしまう。
転校生でオタクに厳しい系ギャルな犬崎紫苑<けんざきしおん>も、
後輩で陰キャなのを小馬鹿にしてくる稲荷川咲妃<いなりがわさき>も、
幼馴染みでいつも上から目線の山月琥乃美<さんげつこのみ>も、
そして男性全てを見下す生徒会長の竜韻寺レイラ<りゅういんじれいら>も、
皆、人外である事に――。
これは対人は苦手だが人外の扱いはS級の、陰キャとそれを取り巻く人外美少女達の物語だ。
・ハーレム
・ハッピーエンド
・微シリアス
*主人公がテイムなどのスキルで、ヒロインを洗脳、服従させるといった展開や描写は一切ありません。ご安心を。
*ヒロイン達は基本的に、みんな最初は感じ悪いです()
カクヨム、なろうにも投稿しております
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる