いじめられっ子の僕が可愛い人外娘と行く冒険旅〜但し人外娘へと変える方法が独特で〜

揚惇命

文字の大きさ
上 下
118 / 210
1部 デモンズフロンティアの世界に慣れよう

始まりの平原で猪突するデスボアーを捜索!

しおりを挟む
 マリンの娘を名乗るスラミによると猪突猛進してくるデスボアーの現在地までは追われた魔物たちに聞いてもわからないそうだ。出没範囲もまばらで、それこそ平原の端から端までを網羅している。探すとなると始まりの平原は結構な広さがある。マリンの人外娘センサーも今のところ反応がない。しらみつぶしに探すしかないか。だが現在、お尋ね者の俺たちが外を歩けば、こうなるのは必然だ。
「ヘッヘッヘ。今日はついてるぜ。野郎ども、お尋ね者の勇者を騙る御一行様だぜ」
「お頭、これで一生遊んで暮らせやすな?」
「おぅよ。女は傷つけんなよ。俺たちの精処理便器として飼うんだからよぉ」
 見た感じこの世界の山賊。プレイヤーとは思えない見た目だ。プレイヤーだけでなくこの世界の山賊まで惹きつけるなんて、あの手配書の効果は抜群ってことか。
「野蛮な山賊はお断りなんだけど~。というかアンタらみたいな見たところ粗末な物で満足とかできそうにないんですけど~マジウケる~」
「そんなに笑っちゃ可哀想でしょハルカ。まぁ同感だけど。フグオの後だとあんなのじゃ満足できないでしょうね」
 マヤとハルカが山賊のアレに視線を向けて、暴言を吐くと山賊の親玉が怒り出した。
「オレのが粗末だと。ふざけやがって。ヒィヒィ言わせてやらぁ。人外の魔物どもは放置しておけ、先ずは女からだ。野郎ども、やっちまうぞ」
「お頭に続けーーーーー」
 だが突如現れた触手に絡め取られる山賊たち。
「ぎゃあ、なんでこんなところに触手が」
「チマチマ煩いのだ。マヤやハルカが相手するまでもないのだ。マリンが軽く放ってやるのだ」
「あのスライム、触手を操っているのか?どうなってんだ。スライム風情がふざけるな!」
「マリン、チマチマじゃなくてガタガタ。放つじゃなくて捻るね」
「細かいことは気にするな、、、なのだ」
 マリン、賞金も少なくて山賊のお頭の人外の魔物は捨て置けって言葉に腹立ったんだな。さらにいつもなら『そうとも言う~』のところも『細かいところは気にするな』に変わってるし、相当頭に来ちゃってるんだな。あぁなったマリンは手加減なんてしてくれないぞ。南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。
「それ以上、締め付けると身体が、イ、タ、イ、お頭、た、す、け、て」
 山賊の身体がまるでミキサーにでもかけられたかのように身体中から血飛沫をあげて破裂する。
「山賊Aーーーーーー。お前、オレの部下になんて事を。ギタギタにしてくれる」
 山賊Aって名前なんかーい!まぁでも今ので、プレイヤーじゃなくてこの世界の山賊だってことの証明にはなったよ。プレイヤーなら恐らく消えるだけだから。RPGゲームお決まりの死んだら教会に飛ばされるからさ。
「お頭、ここは一旦引きやしょう。あのスライムの強さ、半端じゃねぇでやす」
「お前は山賊Aの勇姿を無駄にする気か!そんなやつはオレの部下に要らん」
「ガァァァァァァ、お頭、な、ん、で」
 仲間割れまで始めやがった!?そりゃそうだよな。所詮、山賊の結びつきなんて命あっての金目的だもんな。命が儚く散るのを見せられて、逃げる選択を選ぶ者も当然いるよな。
「安心するのだ。お頭さんが殺さなくても全員、あの世行きの往復切符なのだ」
 ちょっと待て、マリン。往復切符って帰ってきてるやないかーい!
「もう、マリン。往復したらダメでしょ片道よ」
「そうだったのだ」
「舐めやがって、所詮最弱のスライムだ。取り囲んで、殺しちまえ」
「お頭に逆らっても。何もしなくても殺されるなら。コイツらを全員殺して生きる道を、、、、」
 覚悟を決めた山賊たちがマリンを取り囲もうとするが触手に綺麗に阻まれるのだった。
「クソ、この触手ども。ワラワラと鬱陶しいんだよぉ」
「ギャァ、命だけは許してください。お願いします。お頭に言われただけなんですーーーー」
 命乞いも虚しく。触手に潰される山賊たち。
「山賊C・山賊D・山賊E・山賊F・山賊G・山賊H・山賊I・山賊J、お前たちの勇姿俺は忘れん。この雪辱はいずれ果たしてやるから安心してあの世で待っていろ」
「馬鹿なのだ?逃げる仲間を殺したお前が逃げれるわけないのだ」
「これは、なんだ?俺の身体がドロドロに溶けていく。嫌だ嫌だ嫌だ。目の前の金に目が眩んで、サイジャクノスライムゴトキニ、、、、、、、、」
「最弱、最弱と失礼なやつだったのだ。変な奴らのせいで時間を食ったのだ」
 うん。マリンには逆らわない。絶対に、だって、さっきまで人だったのに、そこには骨すらないんだから。あぁは、なりたくない。絶対に。というか、いつからこのパーティはこんなに残虐になったんだーーーーー。
「マスター、安心するのだ。あれは、山賊という名の金品を盗む魔物なのだ」
 いやいやいや、無理があるわ!その言い分は!
「そうよ。フグオ。それともあんな野蛮な連中をのさばらせて、被害に遭う女性を増やしていいとでも考えていたのかしら?だったら残念ね。フグオもそっち側だったんだ」
「いや、それは違うけど。でも殺すよりもやりようは」
「無いよフグオ君。だって、私たちの愛の逃避行を邪魔する存在なんて、存在して良いわけが無いもの」
「いつから俺とお前は愛の逃避行をしてるんだ!話をややこしくするんじゃねぇ」
「いや~ん。そんなフグオ君も好き」
「話が噛み合わなくてやってられんわ!」
「まぁまぁ、あれは魔物です。人を攫い金品を得る悍ましき魔物です」
「マザーまで」
 色々と納得できないけど。そんなこんなで、探すこと半日。とうとう一頭のデスボアーを見つけるのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜

EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」 優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。 傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。 そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。 次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。 最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。 しかし、運命がそれを許さない。 一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか? ※他サイトにも掲載中

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!

仁徳
ファンタジー
あらすじ リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。 彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。 ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。 途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。 ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。 彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。 リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。 一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。 そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。 これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

処理中です...