いじめられっ子の僕が可愛い人外娘と行く冒険旅〜但し人外娘へと変える方法が独特で〜

揚惇命

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1部 デモンズフロンティアの世界に慣れよう

新学期

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 夏休み最終日にデモンズフロンティアの世界に行ったが疲れていたこともあり、何もせずのんびりと過ごし、現実世界へと戻ってきた。そして、本日から才媛高等学校の2学期が始まる。才媛高等学校は中高一貫校のお嬢様校として有名だった。だが、それも昨年までの話で、今年からは共学校となった。相変わらずどこどこの社長の令嬢とか政治家の娘などお嬢様が多い一方で、男子はというとこれもまた御曹司が多い。そんな中で僕は唯一の一般家庭の子となっている。だからだろうか入学初日からクラスカースト上位の裏川菜奈に執拗に目の敵にされていた。といっても、その事を僕が知ったのは、偶々忘れ物を取りに戻った時に元は僕のことを虐めていた天谷麻弥・今宮春香の2人と話している裏川菜奈の話を聞いたからだ。僕は2人にいじめられた後に寄り添ってくれていた裏川菜奈に密かに恋心を抱いていた。天使のようだと。そんな人物が実は裏で糸を引いていたことがショックで自殺を考えた。そんな日に怪しげな店の客引きの老婆により案内された店で買ったリストバンドで、人生が一変してしまうなんて当時の僕には、予想もできなかった。今では僕を虐めていた天谷麻弥・今宮春香は、僕に救われたことで好意を抱いてくれている。そう感じているのは僕の傲慢かも知れないけど。その後も僕が実は風呂階財閥のグループ企業であり、風呂階家と親戚筋に当たる桶階家の人間だということが発覚するなどを得て、今に至る。今日から新学期、僕は相変わらず今は偽名となった肝田河豚男を名乗り、才媛高等学校へと登校する。だが、僕は今ぐるぐる巻にされて、大勢の男子高校生に囲まれているのだった。どうして、こうなった!話は、少し遡る。
 右腕を天谷麻弥・左腕を今宮春香にロックオンされ、文字通り両手に華で登校する僕。そんな僕たちを見て、口々に何か噂話をしている人たち。
「おいおい、天谷だけじゃなくて今宮まで、あんな豚の性奴隷になったのかよ」
「俺、今宮のこと良いなと思ってたのにマジショックだわ。豚の女に成り下がるとか。一気に冷めたわ」
「というかどっちも股ユルユルだっただけじゃね。豚の女がお似合いかもよ」
「言えてるわ。それ」
「だな」
 ゲラゲラと笑い合う男子校生たち。御離羅司の話をしている女子校生たち。
「ねーねー聞いた司君の話」
「停学だっけ?」
「そうそう、サッカー部どうなるんだろうね?」
「県大会、突破間違いないとか言われてたのにエースの司君の離脱だもんね」
「その結果を招いたのがあの豚男らしいんだけどマジあり得なくない!」
「えっ?そうなの?私、豚とクラス一緒なんだけどマジ憂鬱」
「私、あんな豚男と同じ空気吸うとかそれだけで憂鬱」
「本当、何であの豚が学校に来て、容姿端麗で運動神経抜群な司君が停学になんないと行けないのよ!」
「私もその辺りはよくわからないんだよね。噂で聞いたってだけだから」
「それってどんな噂?」
「あの豚男が司君の許嫁を奪ったらしいんだよね。どうもそれが天谷さんのことらしくて」
「麻弥が司君の許嫁だったなんて、知らなかった。だとしたらマジ許せないんだけど。あんな豚の女になって司君の心をズタズタにするとか。私、決めた。あの女ともう口聞かない」
「それが良いよ。◯◯様も怒ってるみたいだし、近々何かあるんじゃないかな」
「へぇ◯◯が、同じクラスだし楽しみにしてよっと」
 何だかわからないけど、僕だけでなく天谷麻弥のことまで目の敵にされてしまっている。
「フグオ、また後でな。私、お花を摘みに行ってくるから」
「待ってよ麻弥~。私も行く~」
 2人ともトイレに行ってしまった。その後だった。
「お前が肝田河豚男だな?」
「そうだけど」
 ガツンと鈍い音がした後、僕は意識を失った。そして、覚醒した僕はぐるぐる巻にされて、椅子に縛り付けられているのだった。
「ここは、何処かの部室?」
「目が覚めたようだな豚野郎!」
「フゴッ」
 お腹に鋭い衝撃が走る。どうやら鉄パイプで強打されたらしい。
「フゴッだってよ。マジで豚みたいな声出してやがるぜ。もっと鳴けや」
「フゴッ」
 鉄パイプの先端でグリグリとお腹を押されて変な声が出る。
「豚、お前のせいで司が停学してんだぞ!それなのに、豚が学校に来やがってよ。俺たちが躾けてやるよ」
 椅子を倒されて、20人ぐらいの男に踏みつけられ蹴られ、死を意識する。
「こんなもんで根をあげんじゃねぇぞ。まだまだ俺たちの恨みはこんなもんじゃねえんだからな。オラッ」
「フゴッ。フゴッ」
 痛い痛すぎるが口にはSMプレイで使われるボールギャグというさるぐつわをかまされていて、何も話すことができない。変な声が漏れるだけだ。何時間、経っただろうか。それぐらい時間が経ったような気がする。相変わらず僕は、こいつらのサンドバッグとなって、恨みをぶつけられていた。
「司を失った俺たちの県大会優勝の道は、閉ざされただろうが!」
「司を返せ、この豚!」
「フゴッ。フゴッ」
 1人いなくなったぐらいで県大会優勝の夢が絶たれるなんてことがあるだろうか?全く意味がわからない。薄れゆく意識の中、俺が見たのは、男子校生たちに立ち向かう麻弥の姿だった。
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