上 下
81 / 210
1部 デモンズフロンティアの世界に慣れよう

新たなる敵の存在

しおりを挟む
 圧倒的強さでエレスタの村人たちが冒険者を叩き出したのを見て唖然となる俺。まるで何事もなかったかのように仕事に戻っていくエレスタの住民たち。
「えっ?」
「マスター殿、何を驚いておられる。あんな貧弱な輩にやられる村人などここには居ないぞ」
 アイツらが貧弱?貧弱って言っても村人にやられる輩じゃない。それにあのどっかで聞いたようなスタイリーッシュおじさんは、剣技使ってたし、レプスコの店主は、ハンマー技使ってたし、ロイヤルナイトの店主は、槍技を使ってた。
「ハハハ。勇者様が驚かれるのも無理はないですな。ここは元冒険者たちが集まってできた街ですからな」
 パピィが爺やと呼んでいた町長からさっと渡された紙には、何処で誰が聞いているかわかりませんから話を合わせてくださいと書いていた。
「そっそうなんですねぇ。どうりでみなさん強いわけだ」
「おぅよ。それにしてもにいちゃんが居るんなら無理に戦わなくて良かったな」
「んだんだ。ゴブリン娘ちゃんの力を見せてもらうのも良かったかもなぁ」
「いやいや、村の人が襲われてるって飛び出そうとはしてたんですが皆さんがあまりにも強すぎて唖然となってました」
「まぁここで狼藉を働こうとする輩にはお帰りいただくってのがここの方針だ。にぃちゃんもそうならないように気をつけてくれよな」
「ハハハ。あれを目の前で見せられて暴れようとなんて思いませんけどね」
「違いねぇな。ガハハ」
「取り敢えず、買い物も済みましたし、これぐらいで」
「勇者様、お待ちくだされ」
 新たに渡された紙にはこう書いてあった。
 外に先程の冒険者が待ち伏せしております。どうやら勇者様を狙っておられる様子。今、外に出られるのは危険ですので、今暫くお待ちくだされ。
 どうやらパピィにも危険が及ぶかもしれないからちょっと待ってくれってことみたいだけど何するつもりなんだろう?
「どうしましたか?」
「中でお茶でも飲んで行ってくだされ」
「そういうことでしたら是非」
 俺が町長の屋敷に入る。
「メタモル」
 そう冒険者の1人が言うと見事にマミリンに変身した。
「マスター殿!私がもう1人????」
 困惑するマミリンに普通の声で話しかけるメタモルの魔法を使った男。
「これで注意を逸らし、誘き寄せたところをさらに一撃加えといてやりますわい」
「そういうことならもう一度暴れさせてもらうとしようか。メタモル」
 もう1人の男は俺に変身した。
「そっくりだ」
「あたぼうよ」
「声出したらダメですよ」
「あたぼうよ」
 大丈夫かなぁ?でもメタモルの魔法が使えるってことは魔法使いを極めたさらに上である賢者ってことだ。こんなのがゴロゴロとたくさんいてるとんでもない街だってことはわかる。駆け出して行った2人の後に声が聞こえる。
「出てきたぞ」
「待ちやがれ」
「この賞金首」
「まだ逃げるのか」
「待てって言ってんだろうが」
 後半はどんどんと小さくなって聞こえなくなった。
「もう安心でしょうな」
「町長、助かりました。それではこれで」
「くれぐれもお気をつけくだされ。コンテストの件、忘れんでくだされよ」
「ハハハ。了解です」
 俺は町長のお陰で無事に拠点に戻ることができたのだった。
 ここは王都パピルスよりもさらに先にある港町シーアクア、飲食店で豪遊しながら報告を待つ体型が太マッチョの男がいた。
「ムシャムシャ。まはか、ビギンズのまひで、俺に嘘を教えたおひょこがターゲットだったとは思わにゃかったな」
「ダンショク様、食べながら話さんといてください」
「ウッセェな。後で相手してやるからきちんと尻洗っとけよ」
「こんな豚めにくださるのですかブヒィ」
「きちんと言えるようになって偉いじゃねぇか。ちょっとこっちに来い。相手してやるよ」
 太マッチョの男はそういうと下半身を曝け出し、その男の尻に突っ込んだ。
「ブヒィ~ダンショク様の気持ち良いブヒィ~」
「そうだろう。そうだろう。この世界は良い。望み通りの姿が手に入るんだからな。和にぃさんには悪いけどターゲットは俺が貰うぜ。見たところ俺好みの男だからな。俺のアレで調教するのが楽しみだぜ。それにしてもまだ戻らねぇのかよ他の豚どもは」
「ブヒィ~ダンショク様の最高ブヒィ~」
「もっと良い声で鳴いて、垂れ流さんかい」
「はひぃ。ダンショク様ので逝くブヒィ~~~~」
 御離羅鯨《ゴリラゲイ》、御離羅貞朝の三男にして、中学1年生。現実世界では、学校にも行かず父にも見放された引きこもり少年である。自分の思い描いた姿になり好き勝手できるデモンズフロンティアの世界で1日の大半を過ごす。御離羅家のDNAを受け継いでいるため現実世界のアレの長さは3センチしかないがデモンズフロンティアの世界では30センチにしている。男でありながら男が好きという男色である。タイプの男性は、自分より大きい物を持つ男が良い声で鳴くところが見たいという筋金入りの変態である。現実世界での感覚なので、彼にとってのストライクゾーンは、現実世界において自分より大きい物なので、ほぼ全員である。現在、肝田河豚男を狙っている2番目にヤバい男である。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

異世界帰りの【S級テイマー】、学校で噂の美少女達が全員【人外】だと気付く

虎戸リア
ファンタジー
過去のトラウマで女性が苦手となった陰キャ男子――石瀬一里<せきせ・いちり>、高校二年生。 彼はひょんな事から異世界に転移し、ビーストテイマーの≪ギフト≫を女神から授かった。そして勇者パーティに同行し、長い旅の末、魔王を討ち滅ぼしたのだ。 現代日本に戻ってきた一里は、憂鬱になりながらも再び高校生活を送りはじめたのだが……S級テイマーであった彼はとある事に気付いてしまう。 転校生でオタクに厳しい系ギャルな犬崎紫苑<けんざきしおん>も、 後輩で陰キャなのを小馬鹿にしてくる稲荷川咲妃<いなりがわさき>も、 幼馴染みでいつも上から目線の山月琥乃美<さんげつこのみ>も、 そして男性全てを見下す生徒会長の竜韻寺レイラ<りゅういんじれいら>も、 皆、人外である事に――。 これは対人は苦手だが人外の扱いはS級の、陰キャとそれを取り巻く人外美少女達の物語だ。 ・ハーレム ・ハッピーエンド ・微シリアス *主人公がテイムなどのスキルで、ヒロインを洗脳、服従させるといった展開や描写は一切ありません。ご安心を。 *ヒロイン達は基本的に、みんな最初は感じ悪いです() カクヨム、なろうにも投稿しております

錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか
ファンタジー
小説家になろうにて130万PVを達成! この世界『アレスディア』には天職と呼ばれる物がある。 戦闘に秀でていて他を寄せ付けない程の力を持つ剣士や戦士などの戦闘系の天職や、鑑定士や聖女など様々な助けを担ってくれる補助系の天職、様々な天職の中にはこの『アストレア王国』をはじめ、いくつもの国では不遇とされ虐げられてきた鍛冶師や錬金術師などと言った生産系天職がある。 これは、そんな『アストレア王国』で不遇な天職を賜ってしまった違う世界『地球』の前世の記憶を蘇らせてしまった一人の少年の物語である。 彼の行く先は天国か?それとも...? 誤字報告は訂正後削除させていただきます。ありがとうございます。 小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで連載中! 現在アルファポリス版は5話まで改稿中です。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。  応援していただけたら執筆の励みになります。 《俺、貸します!》 これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ) ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非! 「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」 この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。 しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。 レベル35と見せかけているが、本当は350。 水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。 あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。 それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。 リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。 その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。 あえなく、追放されてしまう。 しかし、それにより制限の消えたヨシュア。 一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。 その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。 まさに、ヨシュアにとっての天職であった。 自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。 生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。 目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。 元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。 そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。 一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。 ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。 そのときには、もう遅いのであった。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

処理中です...