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1部 デモンズフロンティアの世界に慣れよう
オシャレな街エレスタの真実
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王都の近くに急にできた街に対して、ずっと気になっていたパピィが付いてくると言うので、パピィとマミリンと共にオシャレな街エレスタに向かう。
「王都の近くにこんな街が?」
「あぁ、俺も驚いたよ。俺がこの不思議な力を手に入れて、新しい姿でこのデモンズフロンティアを始める前には無かったからね」
「えぇ、このような街の存在は、聞いたことがありません」
「マスター殿、私の役目は御二人の護衛なのだな」
「うん。それとマミリンの服を買うんだよ」
「服?これではダメなのか?」
「布切れだけじゃ流石にね」
入って、すぐにこの前の店主のおっちゃんが町長さんを呼びに行った。
「ようこそ。勇者様。また、お越しくださることをお待ちしておりました」
「そんな。爺やなの?」
「はて、何のことでしょうか?お会いするのは、初めてのはずです」
そう言った後、町長は木の板に何かを書いて、パピィに手渡した。そこには以下のように書かれていた。
『よくぞ御無事でいてくださいました。羽陽音御嬢様。見ての通り、ここにいるものたちは皆、風呂階家の使用人たちでございます。ですが何処に御離羅貞朝の目があるかわかりませぬゆえ。このような態度を取り申し訳ありません。ですが旦那様と奥方様の行方は未だ分からず。ここでは、お互い知らない者同士と言うことで話を合わせてくださいませ。追伸、これを読んだらすぐに燃やしてくださいませ』
パピィは涙を堪え、読み切った後。その板を噴水前でキャンプファイヤーのようになっている中央の火に焚べた。
「ごめんなさい町長さん、あまりにもあなたの姿が私の知っている人に似ていたので」
「そうでしたか。ですが世の中には、同じ顔の人間が3人は居ると言いますからな。勇者様、此度はどういった御用でこちらへ?」
「あっあぁ。この街で開かれるコンテストに向けて、今度はこの娘の服を仕立ててもらおうかと思って」
「そうでしたか。それはそれは、今回のコンテストは盛り上がりそうで何よりですな。何といっても長年消息不明となっていた人外娘が2人も参加してくださるのですからな」
「おぅ。そういうことならにぃちゃん。また、俺の店で仕立てさせてくれ」
「何いってんだコスプレ店が。このねぇちゃんの出立ち、騎士と見た。それならうちの店がいいに決まってんだろ」
「おい、お前、俺が人外娘の1人とコンテストに出てくれる契約を交わしたからってずりぃぞ」
「2人も欲張りすぎだろうが」
「どうするマミリン?」
「マスター殿、そもそも私は服などこのままでも構わないのだが」
「それはいけねぇ。可愛いんだから服装も可愛くしなくちゃな。是非、うちのレプスコ店へ」
「何言ってんだ。本格的な王宮騎士の装備を多数取り揃えてる。ロイヤルナイト店へ」
まぁ、人間を守る騎士道みたいなものを持ってるマミリンだ。ロイヤルナイト店が良いだろう。
「おっちゃん、すまねぇ。多分、今回マミリンに似合うのはロイヤルナイト店の気がする」
「何だよ。にぃちゃんまで仕方ねぇな。そこまで言われちゃ譲ってやらぁ」
「譲ってやるって何だ。選んだのはお客様だろうが」
こうして僕たちはロイヤルナイト店へとやってきた。店内に入って、見まわした途端、キラキラした目で甲冑服の数々を食い入るように見るマミリン。
「これも良い。これも良い。これも。悩む。悩んでしまう」
「そんなにキラキラした目で見てくれると嬉しいねぇ」
「服1つでこんなに悩むとは思わなかった。布切れで良いなんて言っていた自分が恥ずかしい」
「ハッハッハ。服は着飾ってこそだ」
「あぁ、そうだな」
「マミリン、この白銀の鎧が1番似合うんじゃないか?」
「マスター殿、実は私も最初に心惹かれたこれが良いかと思っていたが踏み出せなかったのだ。背中を押していただき感謝する」
「御目が高いねぇ。そいつは、最強の聖騎士と呼ばれていた男が来ていたとされる鎧のレプリカだ。作るのには苦労したんだぜ。レプスコの店では、コンテスト契約を結ぶことでタダにしてもらったと聞いている。うちもその娘がコンテスト契約を結んでくれるならタダで構わないがどうする?」
「ハハハ」
お金には人外娘たちのお陰で、全く困ってないんだけど。ここまで、賭けているコンテストとやらに興味が湧いたんだよね。
「マミリンが良いなら俺は構わないよ」
「マスター殿、是非参加するとしよう」
「おっ。ありがとよ。じゃあ、その白銀の鎧はお前さんのもんだ。ん?表が騒がしいな。何かあったのか?」
外に出て、入り口の方に目を向けると冒険者の群れがやってきていた。
「はっ冒険者はお断りだ?街が人選んでんじゃねぇぞ。ここに人外娘を連れた男が入ったって情報は得てんだよ。隠し立てするならお前らもやっちまうぞ」
「やれるもんならやってみろ」
おいおい何挑発してんだよ。ダメだろ。ロイヤルナイト店から店主の人がバトルアックスを片手に出てきた。
「おぅおぅ。この街を何だと思ってんだお前さんたち。オシャレな街エレスタだぞ」
「だからなんだってんだ?村人風情が粋がってんじゃねぇ。お前らやっちまうぞ」
「まずい、マミリン行けるか?」
「マスター殿は優しいのだな。狼藉を働く冒険者を助けるというのか?」
「何言ってんだよ!村の人を守るんだよ」
「マスター殿。心配めされるな」
入り口の冒険者がほとんど叩き潰されていた。
「何なんだよこの街は?」
「おめえさんたち、誰に喧嘩売ってると思ってんだ。あぁ」
「すっすみませんでしたーーーーー」
逃げ帰っていく冒険者であった。
「王都の近くにこんな街が?」
「あぁ、俺も驚いたよ。俺がこの不思議な力を手に入れて、新しい姿でこのデモンズフロンティアを始める前には無かったからね」
「えぇ、このような街の存在は、聞いたことがありません」
「マスター殿、私の役目は御二人の護衛なのだな」
「うん。それとマミリンの服を買うんだよ」
「服?これではダメなのか?」
「布切れだけじゃ流石にね」
入って、すぐにこの前の店主のおっちゃんが町長さんを呼びに行った。
「ようこそ。勇者様。また、お越しくださることをお待ちしておりました」
「そんな。爺やなの?」
「はて、何のことでしょうか?お会いするのは、初めてのはずです」
そう言った後、町長は木の板に何かを書いて、パピィに手渡した。そこには以下のように書かれていた。
『よくぞ御無事でいてくださいました。羽陽音御嬢様。見ての通り、ここにいるものたちは皆、風呂階家の使用人たちでございます。ですが何処に御離羅貞朝の目があるかわかりませぬゆえ。このような態度を取り申し訳ありません。ですが旦那様と奥方様の行方は未だ分からず。ここでは、お互い知らない者同士と言うことで話を合わせてくださいませ。追伸、これを読んだらすぐに燃やしてくださいませ』
パピィは涙を堪え、読み切った後。その板を噴水前でキャンプファイヤーのようになっている中央の火に焚べた。
「ごめんなさい町長さん、あまりにもあなたの姿が私の知っている人に似ていたので」
「そうでしたか。ですが世の中には、同じ顔の人間が3人は居ると言いますからな。勇者様、此度はどういった御用でこちらへ?」
「あっあぁ。この街で開かれるコンテストに向けて、今度はこの娘の服を仕立ててもらおうかと思って」
「そうでしたか。それはそれは、今回のコンテストは盛り上がりそうで何よりですな。何といっても長年消息不明となっていた人外娘が2人も参加してくださるのですからな」
「おぅ。そういうことならにぃちゃん。また、俺の店で仕立てさせてくれ」
「何いってんだコスプレ店が。このねぇちゃんの出立ち、騎士と見た。それならうちの店がいいに決まってんだろ」
「おい、お前、俺が人外娘の1人とコンテストに出てくれる契約を交わしたからってずりぃぞ」
「2人も欲張りすぎだろうが」
「どうするマミリン?」
「マスター殿、そもそも私は服などこのままでも構わないのだが」
「それはいけねぇ。可愛いんだから服装も可愛くしなくちゃな。是非、うちのレプスコ店へ」
「何言ってんだ。本格的な王宮騎士の装備を多数取り揃えてる。ロイヤルナイト店へ」
まぁ、人間を守る騎士道みたいなものを持ってるマミリンだ。ロイヤルナイト店が良いだろう。
「おっちゃん、すまねぇ。多分、今回マミリンに似合うのはロイヤルナイト店の気がする」
「何だよ。にぃちゃんまで仕方ねぇな。そこまで言われちゃ譲ってやらぁ」
「譲ってやるって何だ。選んだのはお客様だろうが」
こうして僕たちはロイヤルナイト店へとやってきた。店内に入って、見まわした途端、キラキラした目で甲冑服の数々を食い入るように見るマミリン。
「これも良い。これも良い。これも。悩む。悩んでしまう」
「そんなにキラキラした目で見てくれると嬉しいねぇ」
「服1つでこんなに悩むとは思わなかった。布切れで良いなんて言っていた自分が恥ずかしい」
「ハッハッハ。服は着飾ってこそだ」
「あぁ、そうだな」
「マミリン、この白銀の鎧が1番似合うんじゃないか?」
「マスター殿、実は私も最初に心惹かれたこれが良いかと思っていたが踏み出せなかったのだ。背中を押していただき感謝する」
「御目が高いねぇ。そいつは、最強の聖騎士と呼ばれていた男が来ていたとされる鎧のレプリカだ。作るのには苦労したんだぜ。レプスコの店では、コンテスト契約を結ぶことでタダにしてもらったと聞いている。うちもその娘がコンテスト契約を結んでくれるならタダで構わないがどうする?」
「ハハハ」
お金には人外娘たちのお陰で、全く困ってないんだけど。ここまで、賭けているコンテストとやらに興味が湧いたんだよね。
「マミリンが良いなら俺は構わないよ」
「マスター殿、是非参加するとしよう」
「おっ。ありがとよ。じゃあ、その白銀の鎧はお前さんのもんだ。ん?表が騒がしいな。何かあったのか?」
外に出て、入り口の方に目を向けると冒険者の群れがやってきていた。
「はっ冒険者はお断りだ?街が人選んでんじゃねぇぞ。ここに人外娘を連れた男が入ったって情報は得てんだよ。隠し立てするならお前らもやっちまうぞ」
「やれるもんならやってみろ」
おいおい何挑発してんだよ。ダメだろ。ロイヤルナイト店から店主の人がバトルアックスを片手に出てきた。
「おぅおぅ。この街を何だと思ってんだお前さんたち。オシャレな街エレスタだぞ」
「だからなんだってんだ?村人風情が粋がってんじゃねぇ。お前らやっちまうぞ」
「まずい、マミリン行けるか?」
「マスター殿は優しいのだな。狼藉を働く冒険者を助けるというのか?」
「何言ってんだよ!村の人を守るんだよ」
「マスター殿。心配めされるな」
入り口の冒険者がほとんど叩き潰されていた。
「何なんだよこの街は?」
「おめえさんたち、誰に喧嘩売ってると思ってんだ。あぁ」
「すっすみませんでしたーーーーー」
逃げ帰っていく冒険者であった。
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