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1部 デモンズフロンティアの世界に慣れよう
どうして2人が!
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気絶した俺が目を覚ましたのは、見慣れない部屋だった。横を見ると麻弥が横たわっていた。
「梨里杏、ごめんなさい。私が止められなかったから」
「羽陽音様が謝る必要はないのです。2人ともこうして無事だったのですから」
「学校では、私の方が年下なんだから様付けは」
「いえ、私は羽陽音様にお仕えするメイドなのですから」
「もう、向こうでも私のことをパピィ様って、向こうではキャサリンも王侯貴族なのよ」
「でもどうしてキャサリンなの?」
「なし、にゃし、にゃしりあん、キャサリンです」
「いや、どんな変容の仕方よ」
「良いじゃないですか。可愛くしたかったのです。それを言うならパピィ様だって」
「パピイン、パピィだからね」
「そうですわよ」
ちょっと待って、この2人おかしなこと言ってなかった?キャサリンとパピィって、んなわけないよな?キャサリンはあり得てもデモンズフロンティアの王女の名前がプレイヤーだなんて偶然あるわけないよな?よし、俺は何も聞いてないぞ。今起きたフリするぞ。
「うーん」
「目が覚めたか」
「ここは?」
「私のお家のメイド室です」
「はっ?」
「こちらの世界では初めましてですね勇者様。風呂階羽陽音と申します」
「風呂階って、デモンズフロンティアを運営している会社frontierにも出資しているあの大財閥の?」
「えぇ、その風呂階であってますわよ。私の名前を文字って、王都パピルス。王女パピィが誕生していますからね。その王女に向こうの世界でなってた時は驚きましたが」
「ええええええ!じゃあ、本当にパピィなの?」
「はい。勇者様。先ほどは、植木鉢を止めることができず申し訳ありませんでした」
よく見たら、僕に謝ってくれた女性と同じ人だ。
「気にしないで。で井手浦さんが」
「キャサリンだ。久しぶりだなマイマスター」
「どうしてゾンビになってたのさ?」
「麻弥や春香が河豚男さんと話していた時に気になったことがありまして。その、聞いたスライムの姿が開発段階でエロすぎるから没になったと聞いた人外娘の姿と一致していたのです。試しにゾンビで始めたらどうなるのかと思ったところ。制御が効かずデモンズフロンティアの世界に囚われてしまいました。お助けくださり感謝していますのよ」
「こっちでは、同級生なんだから気軽に話してよ。向こうでも知った以上、気軽で良いけどね」
「そう。じゃあ、マジヤバかった~あんな薬使うと思わないじゃん。それに権力闘争に巻き込んでマジごめんね~」
「梨里杏、普段はこうなのですか?」
「ゴホン、羽陽音様の前で失礼しました」
「あら、戻っちゃいましたわね。構いませんのに」
「そんなわけにはいきません」
「権力闘争って?」
「私立カースト女学園。いえ、今は共学となり私立カースト学園でしたわね。政界に顔が聞くもの。大企業の社長令嬢。貴方を除く通う学生の多くが肩書きのある人ばかり。麻弥さんも元は社長令嬢ですからね。御離羅家により、追い落とされたのですが」
「えっ?」
「今、カースト学園は荒れているのです。御離羅家は、麻弥さんを手に入れるため麻弥さんのお父様に借金を背負わせ、肩代わりすることで逃げられなくしました。麻弥さんの持つ、frontier社の株を狙ったのです。御離羅家は、VRMMOデモンズフロンティアを利用して、プレイヤーを洗脳しようと考えているのです。そしてそれは着々と進みつつある。急に人が変わる現象もその一つです」
「麻弥はそんなにたくさんのfrontier社の株を持っているのか?」
「5%持っています」
「はっ?たった5%?」
「たった5%ですか。株を過半数持てば、会社を意のままに操れるのですよ。そう考えた時、5%の重みがお分かりいただけるでしょう」
麻弥が目を覚ました。
「うっ。自分が情けない。河豚男を守ろうとして、殺されそうになるなんて。殺されたら守れないのに」
「麻弥、気にするな。身体は大丈夫か?」
「まだ、ジンジンするけど平気よ。まさか、司が私のfrontier社の株を狙ってたなんて」
「私に譲ってくださいますか?」
「えぇ」
「ありがとうございます。これで私が持つfrontier社の株は45%。御離羅家も45%。後、10%を持っているのは」
「春香よ」
「えっ?今宮春香もfrontier社の株を持ってるの?」
「えぇ」
「本当ならまずいですわね。あの今宮春香の様子からして、御離羅家による洗脳は既に始まっていると考えて良いでしょう。一刻を争うでしょう」
「1つ聞いて良いかな?」
「何でしょう?」
「さっき、羽陽音さんは、私が持つfrontier社の株って言ってたよね?普通、我が社が持つって言わない?それに、ここ大財閥の家って割には、使用人は誰1人見当たらないし、それどころか羽陽音さんのお父さんやお母さんも見当たらないよね。だってここ会社でもあるんでしょ?」
「気楽にパピィで良いですわよ勇者様。その謎を解くためにも向こうの世界で王都パピルスの謎に迫る必要があると考えているのです。私達も向こうの世界に囚われていました。何者かが風呂階財閥の人間を丸々、向こうの世界に閉じ込めたのではないかと考えているのです。幸い、明日から夏休みです。今日、御離羅家が麻弥さんに対して過激に出たのは今日中に麻弥さんの持つfrontier社の株を手に入れたかったからでしょう。本来は親同士の話し合いで、渡るはずだった。それを強奪した勇者様にもその矛先が向いたと」
「それは可笑しい、それ以前にも俺は虐められていた。裏川菜奈とは別案件ってことか?」
「恐らくは」
「納得はできないけどわからないもんな。わかった。家に電話するよ」
「その必要はありませんよ」
ガチャと扉が開いて、そこには母さんが立っていた。
「梨里杏、ごめんなさい。私が止められなかったから」
「羽陽音様が謝る必要はないのです。2人ともこうして無事だったのですから」
「学校では、私の方が年下なんだから様付けは」
「いえ、私は羽陽音様にお仕えするメイドなのですから」
「もう、向こうでも私のことをパピィ様って、向こうではキャサリンも王侯貴族なのよ」
「でもどうしてキャサリンなの?」
「なし、にゃし、にゃしりあん、キャサリンです」
「いや、どんな変容の仕方よ」
「良いじゃないですか。可愛くしたかったのです。それを言うならパピィ様だって」
「パピイン、パピィだからね」
「そうですわよ」
ちょっと待って、この2人おかしなこと言ってなかった?キャサリンとパピィって、んなわけないよな?キャサリンはあり得てもデモンズフロンティアの王女の名前がプレイヤーだなんて偶然あるわけないよな?よし、俺は何も聞いてないぞ。今起きたフリするぞ。
「うーん」
「目が覚めたか」
「ここは?」
「私のお家のメイド室です」
「はっ?」
「こちらの世界では初めましてですね勇者様。風呂階羽陽音と申します」
「風呂階って、デモンズフロンティアを運営している会社frontierにも出資しているあの大財閥の?」
「えぇ、その風呂階であってますわよ。私の名前を文字って、王都パピルス。王女パピィが誕生していますからね。その王女に向こうの世界でなってた時は驚きましたが」
「ええええええ!じゃあ、本当にパピィなの?」
「はい。勇者様。先ほどは、植木鉢を止めることができず申し訳ありませんでした」
よく見たら、僕に謝ってくれた女性と同じ人だ。
「気にしないで。で井手浦さんが」
「キャサリンだ。久しぶりだなマイマスター」
「どうしてゾンビになってたのさ?」
「麻弥や春香が河豚男さんと話していた時に気になったことがありまして。その、聞いたスライムの姿が開発段階でエロすぎるから没になったと聞いた人外娘の姿と一致していたのです。試しにゾンビで始めたらどうなるのかと思ったところ。制御が効かずデモンズフロンティアの世界に囚われてしまいました。お助けくださり感謝していますのよ」
「こっちでは、同級生なんだから気軽に話してよ。向こうでも知った以上、気軽で良いけどね」
「そう。じゃあ、マジヤバかった~あんな薬使うと思わないじゃん。それに権力闘争に巻き込んでマジごめんね~」
「梨里杏、普段はこうなのですか?」
「ゴホン、羽陽音様の前で失礼しました」
「あら、戻っちゃいましたわね。構いませんのに」
「そんなわけにはいきません」
「権力闘争って?」
「私立カースト女学園。いえ、今は共学となり私立カースト学園でしたわね。政界に顔が聞くもの。大企業の社長令嬢。貴方を除く通う学生の多くが肩書きのある人ばかり。麻弥さんも元は社長令嬢ですからね。御離羅家により、追い落とされたのですが」
「えっ?」
「今、カースト学園は荒れているのです。御離羅家は、麻弥さんを手に入れるため麻弥さんのお父様に借金を背負わせ、肩代わりすることで逃げられなくしました。麻弥さんの持つ、frontier社の株を狙ったのです。御離羅家は、VRMMOデモンズフロンティアを利用して、プレイヤーを洗脳しようと考えているのです。そしてそれは着々と進みつつある。急に人が変わる現象もその一つです」
「麻弥はそんなにたくさんのfrontier社の株を持っているのか?」
「5%持っています」
「はっ?たった5%?」
「たった5%ですか。株を過半数持てば、会社を意のままに操れるのですよ。そう考えた時、5%の重みがお分かりいただけるでしょう」
麻弥が目を覚ました。
「うっ。自分が情けない。河豚男を守ろうとして、殺されそうになるなんて。殺されたら守れないのに」
「麻弥、気にするな。身体は大丈夫か?」
「まだ、ジンジンするけど平気よ。まさか、司が私のfrontier社の株を狙ってたなんて」
「私に譲ってくださいますか?」
「えぇ」
「ありがとうございます。これで私が持つfrontier社の株は45%。御離羅家も45%。後、10%を持っているのは」
「春香よ」
「えっ?今宮春香もfrontier社の株を持ってるの?」
「えぇ」
「本当ならまずいですわね。あの今宮春香の様子からして、御離羅家による洗脳は既に始まっていると考えて良いでしょう。一刻を争うでしょう」
「1つ聞いて良いかな?」
「何でしょう?」
「さっき、羽陽音さんは、私が持つfrontier社の株って言ってたよね?普通、我が社が持つって言わない?それに、ここ大財閥の家って割には、使用人は誰1人見当たらないし、それどころか羽陽音さんのお父さんやお母さんも見当たらないよね。だってここ会社でもあるんでしょ?」
「気楽にパピィで良いですわよ勇者様。その謎を解くためにも向こうの世界で王都パピルスの謎に迫る必要があると考えているのです。私達も向こうの世界に囚われていました。何者かが風呂階財閥の人間を丸々、向こうの世界に閉じ込めたのではないかと考えているのです。幸い、明日から夏休みです。今日、御離羅家が麻弥さんに対して過激に出たのは今日中に麻弥さんの持つfrontier社の株を手に入れたかったからでしょう。本来は親同士の話し合いで、渡るはずだった。それを強奪した勇者様にもその矛先が向いたと」
「それは可笑しい、それ以前にも俺は虐められていた。裏川菜奈とは別案件ってことか?」
「恐らくは」
「納得はできないけどわからないもんな。わかった。家に電話するよ」
「その必要はありませんよ」
ガチャと扉が開いて、そこには母さんが立っていた。
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