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1部 デモンズフロンティアの世界に慣れよう
起きたら元の世界だった
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チュンチュンチュン。雀の囀りで目が覚めたらそこは、家の自分の部屋だった。
「フグオ、起きなさーい。学校の時間よ」
えっ母さん。ここは、元の世界?どうやら、僕はあまりにもデモンズフロンティアの世界が好き過ぎて、夢を見ていたようだ。そして、ふと腕とポケットが膨らんでいることに気付く。腕には、あの怪しい店で買ったリストバンドが、こんなの着けて学校に行けない。外そうと試みるが何をしても外れなかった。そして、ポケットからは1万円が出てきた。確かに怪しい店で使ったはずだ。どうして、またポケットに一万円が?
「早く降りて来なさーい」
「ごめん、母さん、すぐ行くよ」
僕は、着替えを済ませると下に降りた。
「フグオ、珍しいわね。ギリギリまで寝てるなんて」
「不思議な夢を見ちゃってさ」
「そうなのね。これ、弁当ね。後、今日のお小遣い」
「母さん、ありがとう」
お小遣いの1000円は、家に置いておく。ポケットの1万円は、天谷さんに渡さないと今度こそ、何されるか分かったもんじゃ無い。でもこの1000円まで渡すのは癪だ。そう思い、1万円だけを持って、学校へと向かった。
「キタキタ、キモオ、ちゃんと持ってきたんだろうな」
「うん、天谷さん、これ」
「1万円じゃーん。じゃあ、またよろしくね~春香、臨時収入ゲットしたし、今日カラオケ行こ」
「行く行く。それにしてもカラオケなんて久々」
「キモオが出し渋ってたからな」
「マジ、どうせ渡す羽目になるんだからとっとと持って来れば良いのにね~」
「だよなぁ」
ゲラゲラと笑いやがって、その金もシングルマザーの母さんが必死に働いて、いつも仕事仕事だからって、僕に寂しい思いをさせてるからって、渡してくれたお小遣いなんだぞ。僕は、それを貯めて、母さんが有給を取る時に旅行に行こうとしてたんだ。それを毎回毎回貯まった頃合いにむしり取りやがって。絶対いつか復讐してやるからな。
「フグオ君。大丈夫」
この女の本性を知った後だとこの優しい言葉にも反吐が出る。でも、角を立てて、コイツまで本格的にアイツらとイジメに参加してきたら厄介だ。コイツは、表向きは優等生で、クラスの女子たちの人望もあるからな。
「大丈夫だよ。裏川さん」
「そう。なら良いのだけど。辛かったら頼ってね」
「うん」
こんな奴らのために死んでやろうとしてたなんて、そんな自分に1番腹が立つ。それは母さんを1人にしてしまう1番やっちゃいけないことじゃないか。だから、僕は、コイツらに復讐してやる。幸い。コイツらもデモンズフロンティアをやってることは、知ってる。あっちの世界で凌辱してやる。あっサービス終了してたんだったな。なんか別の方法考えるしか無いか。今日の授業も終わり、帰り際職員室から出てきた担任と目が合う。そして、関わりたく無いとそそくさと僕のことを無視して立ち去る。担任の先生で和泉紗綾、僕が天谷にカツアゲされてる現場を目撃しても何も言わない。見て見ぬふりタイプの先生だ。コイツにも復讐したいぐらいだ。家に帰るとVRを装着して、デモンズフロンティアの世界に行こうとした。すると画面にこの前とは違う文面が出てきた『このアカウントは、存在していません』ん?サービス終了していますではなく。このアカウントは存在していません?まぁ、入らないことに変わりない。また、あんな不思議な夢を見るかもしれない。そういう時に備えて、身体を鍛えることにした。走り込みだ。もう19時を回っていた。家に帰ると母が帰ってきていた。
「フグオ、何処いってたのよ。心配したんだからって、凄く汗臭いわよ。何してたの?」
「ゲームばっかりじゃなくて、身体を鍛えようと思って、走り込みしてたんだ」
「まぁ。どういう風の吹き回しかしら。でも、良い傾向ね。お風呂に入ってきなさい。その間に、晩御飯作るから」
「今日の晩ご飯は何?」
「ハンバーグよ」
「ヤッター」
こんなに走ったのは、初めてだ。でも、不思議とスタミナが付いてる気がした。あんな不思議な夢での経験が現実にも影響してる?そんなことないよな。頭を洗い。身体を洗い。お風呂で疲れを落として、出る。
「ちょうどね。ご飯できたわよ」
「ハンバーグ。ハンバーグ」
「ホントハンバーグが好きね。フグオは」
「うん。母さんのハンバーグ美味しいもん」
「あら、嬉しいわ。食べてくれる人が居るからどんなに疲れてても料理できるもの」
「そうなんだ」
「そうよ。作ったものを美味しそうに食べてくれると嬉しいのよ」
「エヘヘ。いただきまーす」
モグモグモグモグ。
「ジューシーで、美味しい~」
「クスクス、フグオが喜んでくれて母さん嬉しいわ」
モグモグモグモグ。
「母さん、いふも。あいがと」
「もう、食べながら喋らないでよ。言いたいことは分かったけど。私もありがと。フグオが居てくれるから仕事も料理も頑張れるのよ。クスクス」
母さんの作った美味しいハンバーグを食べて、歯を磨き、パジャマを着て、眠りについた。ポケットに朝、母さんから貰った1000円が入っていることを忘れて。
「フグオ、起きなさーい。学校の時間よ」
えっ母さん。ここは、元の世界?どうやら、僕はあまりにもデモンズフロンティアの世界が好き過ぎて、夢を見ていたようだ。そして、ふと腕とポケットが膨らんでいることに気付く。腕には、あの怪しい店で買ったリストバンドが、こんなの着けて学校に行けない。外そうと試みるが何をしても外れなかった。そして、ポケットからは1万円が出てきた。確かに怪しい店で使ったはずだ。どうして、またポケットに一万円が?
「早く降りて来なさーい」
「ごめん、母さん、すぐ行くよ」
僕は、着替えを済ませると下に降りた。
「フグオ、珍しいわね。ギリギリまで寝てるなんて」
「不思議な夢を見ちゃってさ」
「そうなのね。これ、弁当ね。後、今日のお小遣い」
「母さん、ありがとう」
お小遣いの1000円は、家に置いておく。ポケットの1万円は、天谷さんに渡さないと今度こそ、何されるか分かったもんじゃ無い。でもこの1000円まで渡すのは癪だ。そう思い、1万円だけを持って、学校へと向かった。
「キタキタ、キモオ、ちゃんと持ってきたんだろうな」
「うん、天谷さん、これ」
「1万円じゃーん。じゃあ、またよろしくね~春香、臨時収入ゲットしたし、今日カラオケ行こ」
「行く行く。それにしてもカラオケなんて久々」
「キモオが出し渋ってたからな」
「マジ、どうせ渡す羽目になるんだからとっとと持って来れば良いのにね~」
「だよなぁ」
ゲラゲラと笑いやがって、その金もシングルマザーの母さんが必死に働いて、いつも仕事仕事だからって、僕に寂しい思いをさせてるからって、渡してくれたお小遣いなんだぞ。僕は、それを貯めて、母さんが有給を取る時に旅行に行こうとしてたんだ。それを毎回毎回貯まった頃合いにむしり取りやがって。絶対いつか復讐してやるからな。
「フグオ君。大丈夫」
この女の本性を知った後だとこの優しい言葉にも反吐が出る。でも、角を立てて、コイツまで本格的にアイツらとイジメに参加してきたら厄介だ。コイツは、表向きは優等生で、クラスの女子たちの人望もあるからな。
「大丈夫だよ。裏川さん」
「そう。なら良いのだけど。辛かったら頼ってね」
「うん」
こんな奴らのために死んでやろうとしてたなんて、そんな自分に1番腹が立つ。それは母さんを1人にしてしまう1番やっちゃいけないことじゃないか。だから、僕は、コイツらに復讐してやる。幸い。コイツらもデモンズフロンティアをやってることは、知ってる。あっちの世界で凌辱してやる。あっサービス終了してたんだったな。なんか別の方法考えるしか無いか。今日の授業も終わり、帰り際職員室から出てきた担任と目が合う。そして、関わりたく無いとそそくさと僕のことを無視して立ち去る。担任の先生で和泉紗綾、僕が天谷にカツアゲされてる現場を目撃しても何も言わない。見て見ぬふりタイプの先生だ。コイツにも復讐したいぐらいだ。家に帰るとVRを装着して、デモンズフロンティアの世界に行こうとした。すると画面にこの前とは違う文面が出てきた『このアカウントは、存在していません』ん?サービス終了していますではなく。このアカウントは存在していません?まぁ、入らないことに変わりない。また、あんな不思議な夢を見るかもしれない。そういう時に備えて、身体を鍛えることにした。走り込みだ。もう19時を回っていた。家に帰ると母が帰ってきていた。
「フグオ、何処いってたのよ。心配したんだからって、凄く汗臭いわよ。何してたの?」
「ゲームばっかりじゃなくて、身体を鍛えようと思って、走り込みしてたんだ」
「まぁ。どういう風の吹き回しかしら。でも、良い傾向ね。お風呂に入ってきなさい。その間に、晩御飯作るから」
「今日の晩ご飯は何?」
「ハンバーグよ」
「ヤッター」
こんなに走ったのは、初めてだ。でも、不思議とスタミナが付いてる気がした。あんな不思議な夢での経験が現実にも影響してる?そんなことないよな。頭を洗い。身体を洗い。お風呂で疲れを落として、出る。
「ちょうどね。ご飯できたわよ」
「ハンバーグ。ハンバーグ」
「ホントハンバーグが好きね。フグオは」
「うん。母さんのハンバーグ美味しいもん」
「あら、嬉しいわ。食べてくれる人が居るからどんなに疲れてても料理できるもの」
「そうなんだ」
「そうよ。作ったものを美味しそうに食べてくれると嬉しいのよ」
「エヘヘ。いただきまーす」
モグモグモグモグ。
「ジューシーで、美味しい~」
「クスクス、フグオが喜んでくれて母さん嬉しいわ」
モグモグモグモグ。
「母さん、いふも。あいがと」
「もう、食べながら喋らないでよ。言いたいことは分かったけど。私もありがと。フグオが居てくれるから仕事も料理も頑張れるのよ。クスクス」
母さんの作った美味しいハンバーグを食べて、歯を磨き、パジャマを着て、眠りについた。ポケットに朝、母さんから貰った1000円が入っていることを忘れて。
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