BL短編集 ラムネ

サカタ毒林檎

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ゆりばら 女装あり。『R-12』

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「ぼ......ゴホゴホ、あたしの名前は、初百合櫻可はつゆりおうか。中学二年のごく普通の女の子。ひょんなことから、高校二年生の黒原璃都くろばらりと先輩と付き合うことになったの!璃都先輩は、かっこよくて、バスケできて、優しく......って、僕こんなことまで、言ってないよっ!」
「いいじゃないっすっか。櫻可さん、可愛いんで。」

そう、初百合櫻可というのは、男でしかも高校二年である。童顔で中学生に間違われるというのは、櫻可の周りでは珍しくない話である。
因みに、黒原璃都というのは、櫻可の恋人であることはまちがいないのだが中学三年生なのだ。見た目や、頭の回転のよさから高校生に見間違えられるというのは、櫻可と似ているところがある。

「僕は、そんな恥ずかしいこと言わないしっ!」
「櫻可さん、俺ともっと恥ずかしいことしているのにこれぐらい、どうってことないでしょ?」
「うるさいっ!」

櫻可と璃都は、年齢差がある為平日は、殆ど会えない。そのため日曜日に璃都の家に櫻可が、遊びにきたのだ。

「そもそも、櫻可さんが言い出したんじゃないですか。ゲームに負けたら何でも言うことを聞くというルールを加えようって。」
「そうだけど、女装してこんな台詞言わされるとか聞いてないから!」

櫻可が得意な、赤い帽子と緑の帽子の兄弟と、その仲間達のカーレースゲームに、そんなルールをつけたのは櫻可で間違いなかったが、櫻可自身女装させられるなどということは考えて無かったのだ。

「まあ、今回はこれでいいです。櫻可さん可愛かったですし。」
「もう、今回でこんなこと終わりにしよ!」

仕方ないというふうに、璃都が首をふった。

「じゃ、違うゲームしましょうか、先に喘いだ方が負けでどうですか。勿論、拒否権は無いですけどね。」
「やだぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


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