女化町の現代異類婚姻譚

新天地で一人暮らしをはじめた僕は、自分はキツネだと主張する女子高生と出会う。
女子高生――夕声を介して、僕は多くの化生やあやかしたちと顔なじみになっていく。

女に化けると書いて『おなばけ』。
狐嫁の伝承が息づく現実の町を舞台にしたご当地小説。


挿絵 海原壮
執筆協力 茨城県龍ケ崎市
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