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第一章 入学を回避せよ
5 調査せよ
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誠に遺憾、遺憾でございます。
意味わからないイベントを終え、何故か特別入学処置がなされてしまった。俺が助けられた理由に関してはおそらく、望魔鏡と言う道具で俺の居場所を発見されたのだろう。あれはいろいろなルートで大暴れするからな。
しばらく保健室で休んでいると一人の白衣を着た男に体力を回復させられた。
あの男は――催眠療法だ。とわけわからないことを言っていたが、あれは回復魔法だろう。まだ入学していない者にバレるわけにはいかないからな。
この世界(コキしま選)の魔法は皆が想像するようなものでは無い。どちらかと言うと科学を極めた結果の産物である。天界の天使や魔界の魔族たちに人類が対抗するための武器である。
「まあ、そんな深く考える必要もないんだけどな」
自室の布団で目を瞑る。そうすることでゲームの内容を思い出すことに集中できる。
ここまで言うとゴリゴリのファンタジー魔法バトル物に感じるだろうが、実際には普通の学園恋愛ものである。魔法云々はおまけレベルだ。
「入学が決まってしまった以上は逃げられないか……それにしても他の特別処置の奴らは何者だ? あんな奴らゲームには居なかったと思うが」
俺が逃げ出そうとしても生徒となった人間をあの学園は逃がさない。俺にできた選択肢は入学しないように逃げることだった。が、謎の特別処置で決まってしまった。
ゲームの登場人物のすべてを把握している訳では無いが、あんな厨二ネームは無かったと記憶している。
奴らが俺の敵に成るならば、対策を練るためにも情報が必要だ。
『――はい、わかりました。三日ほど掛かりますが大丈夫ですか?』
「構いません、金は惜しみませんので好きにお願いします」
『では情報を渡し次第、いつもの口座にお願いします』
俺はこの世界における最高の情報屋に調査の依頼をした。
ゲームをやっているときにはなぜ豚が情報屋と知り合いなのか不思議だったが、豚として生きてきた俺は知っている。こいつが俺に生活費を渡している、組織とのパイプ役なのだ。
皇視点――。
「皐月ちゃんありがとうございますだよぉ!! これで豚次くんと一緒に学園生活を送れるよぉ!」
「引っ付かないで摩耶、朱里に言われたから仕方なくよ……」
フリフリで際どいアイドル服を着た皇摩耶は、同じデザインの色違いを着た三日月皐月に抱き着きお礼を言っていた。
赤髪のショートで眼鏡を掛けた知的でクールな女性だ。
金髪のツンデレ担当兼リーダー兼センターの朱里、頭脳担当兼クール兼モデルの皐月、優しきお姉さん兼グラビア担当の摩耶。三人でユニットを組んでいる。
「ふう、私のお願いとは言えお父様が何でもない一般の男……それもデブでブスで孤児の男を天魔に入学させるとは思わなかったわ」
「そ、そんなひどいこと言うと怒りますよ!」
「あんたたちうるさいわよ!」
腕を組み、壁にもたれかかった朱里が怒る。
朱里は摩耶のメールを見てしまった。そこには彼女を助けたという男の返信があった。
その内容は彼女から見て不思議だった。まるで距離を置こうとしているような――関わりたくないようなそんな返信だった。アイドルであり、美人な自分たちに寄って来る奴はたくさん居る。しかしこの男は助けておきながらも距離を取ろうとしているのだ。
「ふん! どういう男かは学園に行けば分かることよ! その時に見極めるわよ」
三日月グループ。世界最高権力を有する、天界と魔界の窓口である。
「待っててね豚次くん!! 一緒に学園生活送ろうね!!」
摩耶はケータイを握りしめ、豚次の顔を思い浮かべる。
意味わからないイベントを終え、何故か特別入学処置がなされてしまった。俺が助けられた理由に関してはおそらく、望魔鏡と言う道具で俺の居場所を発見されたのだろう。あれはいろいろなルートで大暴れするからな。
しばらく保健室で休んでいると一人の白衣を着た男に体力を回復させられた。
あの男は――催眠療法だ。とわけわからないことを言っていたが、あれは回復魔法だろう。まだ入学していない者にバレるわけにはいかないからな。
この世界(コキしま選)の魔法は皆が想像するようなものでは無い。どちらかと言うと科学を極めた結果の産物である。天界の天使や魔界の魔族たちに人類が対抗するための武器である。
「まあ、そんな深く考える必要もないんだけどな」
自室の布団で目を瞑る。そうすることでゲームの内容を思い出すことに集中できる。
ここまで言うとゴリゴリのファンタジー魔法バトル物に感じるだろうが、実際には普通の学園恋愛ものである。魔法云々はおまけレベルだ。
「入学が決まってしまった以上は逃げられないか……それにしても他の特別処置の奴らは何者だ? あんな奴らゲームには居なかったと思うが」
俺が逃げ出そうとしても生徒となった人間をあの学園は逃がさない。俺にできた選択肢は入学しないように逃げることだった。が、謎の特別処置で決まってしまった。
ゲームの登場人物のすべてを把握している訳では無いが、あんな厨二ネームは無かったと記憶している。
奴らが俺の敵に成るならば、対策を練るためにも情報が必要だ。
『――はい、わかりました。三日ほど掛かりますが大丈夫ですか?』
「構いません、金は惜しみませんので好きにお願いします」
『では情報を渡し次第、いつもの口座にお願いします』
俺はこの世界における最高の情報屋に調査の依頼をした。
ゲームをやっているときにはなぜ豚が情報屋と知り合いなのか不思議だったが、豚として生きてきた俺は知っている。こいつが俺に生活費を渡している、組織とのパイプ役なのだ。
皇視点――。
「皐月ちゃんありがとうございますだよぉ!! これで豚次くんと一緒に学園生活を送れるよぉ!」
「引っ付かないで摩耶、朱里に言われたから仕方なくよ……」
フリフリで際どいアイドル服を着た皇摩耶は、同じデザインの色違いを着た三日月皐月に抱き着きお礼を言っていた。
赤髪のショートで眼鏡を掛けた知的でクールな女性だ。
金髪のツンデレ担当兼リーダー兼センターの朱里、頭脳担当兼クール兼モデルの皐月、優しきお姉さん兼グラビア担当の摩耶。三人でユニットを組んでいる。
「ふう、私のお願いとは言えお父様が何でもない一般の男……それもデブでブスで孤児の男を天魔に入学させるとは思わなかったわ」
「そ、そんなひどいこと言うと怒りますよ!」
「あんたたちうるさいわよ!」
腕を組み、壁にもたれかかった朱里が怒る。
朱里は摩耶のメールを見てしまった。そこには彼女を助けたという男の返信があった。
その内容は彼女から見て不思議だった。まるで距離を置こうとしているような――関わりたくないようなそんな返信だった。アイドルであり、美人な自分たちに寄って来る奴はたくさん居る。しかしこの男は助けておきながらも距離を取ろうとしているのだ。
「ふん! どういう男かは学園に行けば分かることよ! その時に見極めるわよ」
三日月グループ。世界最高権力を有する、天界と魔界の窓口である。
「待っててね豚次くん!! 一緒に学園生活送ろうね!!」
摩耶はケータイを握りしめ、豚次の顔を思い浮かべる。
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