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9.誕生日プレゼント

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今日は私の誕生日。

昼前頃、クリフォードが来た。

「クリフ。こんにちは」

彼を家の中に招き入れようとしたが、クリフォードは断った。 

「家に入って行かないの?」

「いや、僕はちょっと用事があって。あのプレゼントだけ渡したかったから。誕生日おめでとう」

と言って、クリフォードが私に花束を差し出した。

「一緒に公園で絵を描いた時、花壇を描いてたから。エミリは花が好きなのかなと思って」

「ありがとう。嬉しいわ」

「喜んでもらえて嬉しいよ。じゃあ、僕は帰るね」 

「今日はありがとう」

クリフォードを見送って、彼からもらった花を生ける。花瓶に挿した花を見て、綺麗と呟いた。

その後、スヴィなど友人や両親にもプレゼントをもらった。
プレゼントの山を見て、ありがたいなって幸せな気分になって、私は眠りについた。


朝、目覚めて机の上に置いていた花瓶の花が目に入った。
それだけで幸せな気分になった。

それから数ヶ月経ったある日。

私はクリフの家に遊びに行った。

「私、前よりクリフと過ごす時間が増えた気がするわ」

「僕がよくエミリの家に行ってるし、エミリも僕の家によく来るからね」 

「二人だけで会う頻度も増えた気がするわね」

「やっぱり、絵っていう趣味があるからかな」

私はそうねと頷いた。
クリフォードと二人きりの時間は私にとって癒やしの時間みたいになっている。
会話がなくても、凄く楽しくて、一緒にいられるのが嬉しい。
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