イケメンの幼馴染が結婚相手に選んだのは、性悪の姉ではなく私でした。

イケメンの幼馴染が結婚相手に選んだのは、性悪の姉ではなく私でした。

私の姉・ルボミーラは、綺麗な女性なのだけれどあまり性格が良くない。
自己中心的な性格で、ナチュラルに人を見下す。

それに、両親は姉ばかり可愛がる。

こういうこともあって、私は姉のことがあまり好きじゃなかった。



そんな姉に、幼馴染・パウルとの縁談の話が来たらしい。

パウルは子爵令息で中性的なイケメンである。
面食いの姉は、

「パウルなら良いわ！私の結婚相手にぴったりだもの！」

なんて言っていた。
父親も、

「うん。あの子なら、ルボミーラを嫁がせても大丈夫だ」

って笑顔で言う。


後日、パウルが私の家にやって来た。
縁談のことで話があるという。

そこで、パウルは開口一番、

「姉のルボミーラではなく、妹のオクサーナと結婚したい」

と言い放った。

「どうして私じゃなくて、何の取柄もないオクサーナの方を選ぶのよ！！」

姉がもの凄い形相でパウルを睨んだ。

「ルボミーラの言う通りだ。パウル君、ルボミーラは美人だし、君とお似合いだと思うよ」

と、父親が姉と援護する。

だけど、パウルはゆっくり首を横に振った。

「ルボミーラは綺麗な方ですが、性格があまり良くない。でも、オクサーナは違う。とても優しい女性です。オクサーナと結婚したいと思っています。オクサーナはどう？」

パウルが私を見る。

「パウルがそう言うなら……」

と返した。



その後、私はパウルと結婚して幸せに暮らしている。

ルボミーラはお見合いをしているが、結婚相手がなかなか見つからないらしい。