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幼馴染と婚約しましたが、友人に略奪されました。
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幼馴染と婚約って
なんだか照れくさくなる
向こうも同じようで
なんかもじもじしていた
私は幼馴染のことが好きだったから
嬉しい
嬉しいって感情が必要以上に出ないように
唇をぎゅっと引き締める
幼馴染の唇も真一文字
同じことを考えているのかな
#
初めてのキスは
長いような
短いような
そんな感じがした
時間としては短い
体感としては長い
幼馴染で
婚約者の彼は
真っ赤になっていた
赤く色付いた耳たぶが可愛い
多分
私も真っ赤になっていたんだろうな
#
幼馴染との婚約は破棄になった
私の友人に奪われた
友人は幼馴染のことをかっこいいって言ってた
あの時から
狙っていたんだろう
友人は私と比べるのも申し訳ないほど
美人で
明るい
友人といた方が楽しいのかも
目の前がぐらぐらするけど
踏ん張らなければ
#
時々
倒れそうになる
誰かに支えてもらいたい
#
パーティーで出会った彼は
顔色の悪い私を凄く心配していた
無理はしない方がいい
って
無理をしなきゃ私は
立っていられないのだ
このまま倒れるわけにはいかない
けど
倒れそうになった時
彼が支えてくれた
彼の手が 腕が
温かい
心地良い
#
彼は私のことが好きだという
結婚したいという
彼は優しい
というよりお人好しだな
きっと彼は
騙すより騙される方だ
私も結婚したいという声は
震えていた
#
幼馴染と友人が離婚したという噂を聞いた
結婚してたんだ
そして
離婚したんだ
あの時の感情が沸き起こってこないことに驚く
倒れそうにはならない
支えてくれる夫がいるから
その幸福
そうそう簡単に手放せない
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