公爵の愛人をしているけど、精神的に辛くなってきたので別れたい。

公爵の愛人をしているけど、精神的に辛くなってきたので別れたい。

ある日、知人からパーティーに誘われた。

貴族たちが集まるパーティーらしい。
そこで私は彼に出会った。

彼はルコーク公爵と言って、皇帝からの覚えめでたい人物だった。


それに、すごくイケメンだった。
はっきり言って私の好みだったんだ。


彼に話しかけられ、テンションが上がった私は彼の愛人になった。

家を与えられ、欲しいとねだった物も与えられ、満ち足りた生活だったと思う。

けれど、彼の誕生日に一緒に過ごしたいと言った時、「家族と過ごすから」と返され、私は愕然としてしまった。

私は彼の家族じゃない、いや、それは分かっているんだけど、大事な日に選ぶのは私じゃないと現実を突きつけられた感じがして。

そう思ったら、だんだん辛くなってきた。

別れたいと思うようになった。


だから別れを告げたのだが。

彼は「嫌だ」という。


仕方ない。
仕方ないので、私は家を出た。

彼から与えられた家を。

彼に頼らなくても、生きる道はあるわけで。


私は彼ともう会わない。