2 / 3
第2話
しおりを挟む
婚約を破棄されて、ショックだった。
だけど、ニコラは私のことを罵倒したし、結婚したら毎日罵倒されていたかもしれない。
だから、彼と結婚せずに済んで良かったんだ。
そう思うと、気持ちも晴れてくる。
婚約破棄から二ヶ月ほど経って、ニコラとサーラが結婚したと聞いても、そんなにショックは受けなかった。
幸せを祝う気にはなれないが。
ニコラとサーラが結婚して、しばらく経った頃、私はある人物と再会した。
五歳年上の幼馴染・リーンハルトだ。
私が街を歩いていた時、彼に話しかけられたんだ。
「ヴェロニカだよね?久しぶり」
微笑みかける彼は、やはり綺麗だった。
リーンハルトは昔から綺麗な人で、私の初恋だった。
でも、彼が家の仕事を手伝い始めてから、会う機会がなくなった。
「リーンハルト!久しぶりね」
私がそう応じると、彼はニコニコと笑った。
「今日は買い物に来たの?」
「うん。あ、でも、買い物終わったから、これから家に帰るつもりなの」
「そうか。もう用事はない?」
「ないよ」
「久々に会ったんだし、どこかでお茶していかないか?」
私はリーンハルトの誘いに乗ることにした。
リーンハルトに誘われるがまま、おしゃれな喫茶店に入った。
二人で席に座って、店員に注文する。
私は紅茶とケーキを頼んだ。
リーンハルトと互いの近況を話した。
彼は先月、婚約者にフラれたという。
「私も、婚約が破談になったの」
「俺と同じだね」
リーンハルトは笑う。
私とリーンハルトの共通点。
婚約破棄されていること。
少し切ない共通点だ。
でも、喫茶店を出た時にリーンハルトから、
「また会おう」
と言ってもらえたことが嬉しかった。
だけど、ニコラは私のことを罵倒したし、結婚したら毎日罵倒されていたかもしれない。
だから、彼と結婚せずに済んで良かったんだ。
そう思うと、気持ちも晴れてくる。
婚約破棄から二ヶ月ほど経って、ニコラとサーラが結婚したと聞いても、そんなにショックは受けなかった。
幸せを祝う気にはなれないが。
ニコラとサーラが結婚して、しばらく経った頃、私はある人物と再会した。
五歳年上の幼馴染・リーンハルトだ。
私が街を歩いていた時、彼に話しかけられたんだ。
「ヴェロニカだよね?久しぶり」
微笑みかける彼は、やはり綺麗だった。
リーンハルトは昔から綺麗な人で、私の初恋だった。
でも、彼が家の仕事を手伝い始めてから、会う機会がなくなった。
「リーンハルト!久しぶりね」
私がそう応じると、彼はニコニコと笑った。
「今日は買い物に来たの?」
「うん。あ、でも、買い物終わったから、これから家に帰るつもりなの」
「そうか。もう用事はない?」
「ないよ」
「久々に会ったんだし、どこかでお茶していかないか?」
私はリーンハルトの誘いに乗ることにした。
リーンハルトに誘われるがまま、おしゃれな喫茶店に入った。
二人で席に座って、店員に注文する。
私は紅茶とケーキを頼んだ。
リーンハルトと互いの近況を話した。
彼は先月、婚約者にフラれたという。
「私も、婚約が破談になったの」
「俺と同じだね」
リーンハルトは笑う。
私とリーンハルトの共通点。
婚約破棄されていること。
少し切ない共通点だ。
でも、喫茶店を出た時にリーンハルトから、
「また会おう」
と言ってもらえたことが嬉しかった。
10
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
王太子に婚約破棄されたら、王に嫁ぐことになった
七瀬ゆゆ
恋愛
王宮で開催されている今宵の夜会は、この国の王太子であるアンデルセン・ヘリカルムと公爵令嬢であるシュワリナ・ルーデンベルグの結婚式の日取りが発表されるはずだった。
「シュワリナ!貴様との婚約を破棄させてもらう!!!」
「ごきげんよう、アンデルセン様。挨拶もなく、急に何のお話でしょう?」
「言葉通りの意味だ。常に傲慢な態度な貴様にはわからぬか?」
どうやら、挨拶もせずに不躾で教養がなってないようですわね。という嫌味は伝わらなかったようだ。傲慢な態度と婚約破棄の意味を理解できないことに、なんの繋がりがあるのかもわからない。
---
シュワリナが王太子に婚約破棄をされ、王様と結婚することになるまでのおはなし。
小説家になろうにも投稿しています。
やって良かったの声「婚約破棄してきた王太子殿下にざまぁしてやりましたわ!」
家紋武範
恋愛
ポチャ娘のミゼット公爵令嬢は突然、王太子殿下より婚約破棄を受けてしまう。殿下の後ろにはピンクブロンドの男爵令嬢。
ミゼットは余りのショックで寝込んでしまうのだった。
私、悪役令嬢ですが聖女に婚約者を取られそうなので自らを殺すことにしました
蓮恭
恋愛
私カトリーヌは、周囲が言うには所謂悪役令嬢というものらしいです。
私の実家は新興貴族で、元はただの商家でした。
私が発案し開発した独創的な商品が当たりに当たった結果、国王陛下から子爵の位を賜ったと同時に王子殿下との婚約を打診されました。
この国の第二王子であり、名誉ある王国騎士団を率いる騎士団長ダミアン様が私の婚約者です。
それなのに、先般異世界から召喚してきた聖女麻里《まり》はその立場を利用して、ダミアン様を籠絡しようとしています。
ダミアン様は私の最も愛する方。
麻里を討ち果たし、婚約者の心を自分のものにすることにします。
*初めての読み切り短編です❀.(*´◡`*)❀.
『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも掲載中です。
婚約破棄された公爵令嬢は監禁されました
oro
恋愛
「リリー・アークライト。すまないが私には他に愛する人が出来た。だから婚約破棄してくれ。」
本日、学園の会場で行われていたパーティを静止させた私の婚約者、ディオン国第2王子シーザー・コリンの言葉に、私は意識が遠のくのを感じたー。
婚約破棄された公爵令嬢が幼馴染に監禁されて溺愛されるお話です。
無能だと捨てられた王子を押し付けられた結果、溺愛されてます
佐崎咲
恋愛
「殿下にはもっとふさわしい人がいると思うんです。私は殿下の婚約者を辞退させていただきますわ」
いきなりそんなことを言い出したのは、私の姉ジュリエンヌ。
第二王子ウォルス殿下と私の婚約話が持ち上がったとき、お姉様は王家に嫁ぐのに相応しいのは自分だと父にねだりその座を勝ち取ったのに。
ウォルス殿下は穏やかで王位継承権を争うことを望んでいないと知り、他国の王太子に鞍替えしたのだ。
だが当人であるウォルス殿下は、淡々と受け入れてしまう。
それどころか、お姉様の代わりに婚約者となった私には、これまでとは打って変わって毎日花束を届けてくれ、ドレスをプレゼントしてくれる。
私は姉のやらかしにひたすら申し訳ないと思うばかりなのに、何やら殿下は生き生きとして見えて――
=========
お姉様のスピンオフ始めました。
「体よく国を追い出された悪女はなぜか隣国を立て直すことになった」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/465693299/193448482
※無断転載・複写はお断りいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる