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私は学園の王子に利用されていました。

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ここは貴族の子女が集う学校。

その校内で「学園の王子」と呼ばれ、高い人気を誇るイケメンがいた。

彼の名前はレイナルト。
侯爵令息だ。





伯爵令嬢である私、リーンはある大勝負に出ることにした。

学園の王子ことレイナルトに告白するのだ。

レイナルトを中庭に呼び出して、

「好きです!付き合ってくださいませんか?」

勇気を振り絞って告白した。

「うん。いいよ」

あっさりと承諾され、交際することになったのだ。


早速、このことを友達である伯爵令嬢のパヴリーナに報告。

「そうなの?羨ましいわ!私も告白しておけば良かった!」

私とレイナルトが交際開始したという噂は瞬く間に広がった。

「なんであの人が?」などという陰口もあったが、ほとんどの女子生徒は私を羨ましがった。




交際は順調だったと思う。

私が手作りのお菓子を持っていったら喜んでくれたし、デートに誘ったら来てくれた。


けれど、いきなりレイナルトに振られた。
何の前触れもなく。

「実は、ずっと前から好きな人がいて、その人と付き合うことになったんだ。他の女の子と付き合ったら、彼女のことを忘れられるかなと思ったけど、やっぱり無理だった。君のことを利用してしまっていたよ。もう君には用がないから、別れよう」

王子が何か言ってるけど、何も頭に入ってこない。

えっと、私は捨てられたってこと?
好きな人への気持ちを断ち切るために利用されたってこと?

酷い。
私がどれだけ勇気を振り絞って告白したと思ってるんだろ。
交際できてどれだけ嬉しかったと思ってるんだろう。



私はそのことをパヴリーナに話した。
話していると涙が出てしまう。
その時、パヴリーナが優しく背中を擦ってくれた。

全て聞いたパヴリーナは一言。

「酷い。それは酷い」
「うぅ゛っ、だよ゛ねぇ゛~」

と、私は涙声で言った。



翌日には、私とレイナルトが別れたこと、酷い理由で私が振られたことが噂になっていた。
生徒のみなさんの視線が痛い。
嘲笑う人もいた。

さらに数日後には、嘘かまことか、「レイナルトの好きな人は実の姉だ」という噂まで立ち始めた。

それから、レイナルトは白い目で見られている。

本当は良くないけど、腫れ物扱いされているレイナルトを見て、心の中でざまあみろと思った。
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