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私の部屋で兄と不倫相手の女が寝ていた。

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私は伯爵令嬢である。
不自由ない生活を送ってきた。
昨年、兄が綺麗な侯爵令嬢と結婚し、両親、私、兄夫婦で同居している。


そんなある日のこと。
私が用事から帰って部屋に行くと、ベッドで兄とその不倫相手が寝ていた。

「ちょっと!!何やっているのよ?!」

真っ裸の兄と女が慌てて、服を着ようとする。

「お義姉さまがいながら、なぜそんなことをするんですか?!」

って兄を問いただす。

「すまない。このことは内密に」
「私からもお願いします」

と土下座する。
気持ち悪すぎる。
内密というのは約束できない。

「ベッド買い替えてくれます?」

私はそれだけ言って、部屋から出ていった。


家の中には兄たち以外誰もいない。
だからこそ、行為をしたんだろう。

兄がリビングへとやってきた。

「あの女は?」
「出ていったよ」
「とんな人?」
「俺の不倫相手で、近所のバーで働いてて……。頼む!ミリアには言わないでくれ!」
「なんで、私の部屋で?」
「夫婦の寝室でしたら、気付かれるかなと思って」
「だからって、なんで私の部屋でするのよ!信じられない!」
「申し訳ない」
「もういい」

兄の顔を見たくなかった。

不倫してたなんて本当に気持ち悪い。
兄は昔からイケメンだとか何とかで女の子からちやほやされていた。
結婚したんだから、妻以外の女と関係は持たないだろうと思っていたのに。

甘かった。

一度、部屋に行って不倫の証拠になるものがないか探してこよう。

探してみると、ベッドの下からイヤリングが一つ見つかった。
私のものではないし、母も義姉もつけているのを見たことがないものだった。
これは女のものだ。



私は両親、義姉に兄の不倫を話した。
もちろん、イヤリングも見せた。
一応確認したところ、母の物でも義姉の物でもないという。

両親は怒り、義姉は泣いた。

ものすごい修羅場となり、兄はあの女と別れること、離婚はしないことが決まった。

それ以来、兄は女性陣から虫けらを見るような目を向けられている。
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