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婚約者の浮気相手に罵倒されました。
婚約者の浮気相手に罵倒されました。
しおりを挟む17歳の春、私は侯爵令息のレネーと婚約することになった。
レネーは美形で女性にモテそうな雰囲気がある。
私もレネーと会って、彼の虜になってしまった。
婚約した後は、レネーと一緒に出かけたり、お茶会をしたりして過ごした。
そして、結婚式が来月に迫ったというある日、私は彼に贈り物をしようと思って出かけた。
レネーは何度も私に花や髪飾りを贈ってくれたから、貰ってばかりでは申し訳なくて、私も彼にプレゼントして喜んでもらいたいと思ったんだ。
贈り物を買って、早速彼の家に向かった。
玄関のドアをノックしようとしたところ、ドアが開いて中から女性が出てきた。その奥にはレネーの姿が。
誰?!と面食らっていると、
「リュ、リュシー?なんでうちに?!」
レネーが焦ったような様子で言う。
「あなたに贈り物をって思って来てみたのですが、あの、こちらの方は?」
手のひらで女性を指すと、彼女はキッと私を睨んだ。
「あんたこそ誰よ?」
「私はレネー様の婚約者です」
「へぇ、あんたが」
女性は馬鹿にしたように鼻で笑った。
「私はレネーの恋人なの。本当はレネーと婚約するのは私だったのに、親が決めた人と婚約することになったのよ。レネーが可哀想だわ。あんたみたいな地味な女と結婚しなきゃいけないなんて!」
「へ?」
「バカ面晒すんじゃないわよ。あんたさえいなければ、レネーと婚約できたのよ!あんたは邪魔なの!分かったら、レネーとの婚約を破棄してくれる?」
婚約破棄……。
私はレネーを見た。
「彼女が言ってることは本当だよ。婚約者だから、優しくしておこうと思って優しく接していたけど、僕が本当に好きなのはヴィオラなんだ」
ヴィオラと呼ばれた女性は、自慢げな顔をした。
「君との婚約は破棄しよう。僕は君のこと好きじゃないし、恋人がいる男と結婚したくないだろ」
彼との婚約は破談になった。
後日、レネーとヴィオラは結婚した。
その後も幸せに暮らしているらしい。
私はレネーのことが忘れられず、未婚のままだ。
でも、それでも良いかと思っている。
このまま、彼を想っていよう。
~end~
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