浮気を問い詰めたら、婚約者に逆ギレされたのですが…。/他

浮気を問い詰めたら、婚約者に逆ギレされたのですが…。

3

私はヴァウテルのもとへと向かった。
もちろん、オイゲンも一緒に。

家を訪れた私にヴァウテルは嬉しそうな顔をした。しかし、私の隣にいるヴァウテルを見て目を見開いた。

「ど、どうしてあなたがここに？」

ヴァウテルの声は可哀想なほど震えていた。
それに、ヴァウテルはオイゲンのことを知っているようだ。どんな接点があったのだろうか。
私はオイゲンを見て、

「知り合いなの？」

とたずねた。

「うん。この人はね、俺の恋人を奪ったんだ」
「えっ？！」
「俺は彼の家と仕事の取引をしていてね。恋人を奪われたから、取引を停止したんだ」
「そのおかけで僕の家は大変だったんだ。だから、家を立て直すために彼女と婚約したんだよ」

ヴァウテルが婚約を破棄しない理由はそれだったんだ。

「ふーん。でも、俺は彼女と婚約するつもりだから、君との婚約は破棄させてもらうよ」
「そんな勝手なこと…！」
「じゃあ、君の浮気を暴露しようかな。君の友人にも親戚にも取引先の人にも、全部話そうかな」

オイゲンが不敵に笑った。
ヴァウテルは悔しそうに奥歯を噛み締めた。

「分かった。婚約は破棄する」
「話が早くて助かるよ。それでは、俺たちはここで」

そう言って、オイゲンは私の肩を抱き寄せた。

「帰ろうか」

私はこくんと頷き、ヴァウテルの家を出て帰った。


その後、私はオイゲンと結婚した。
今は幸せに暮らしている。


～end～