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ものすごい美少女の友人から「私の邪魔しないでよ」と言われた後、公爵からプロポーズされました。
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私の友人のヴィオレットは、ものすごい美少女である。
可愛らしい彼女はとてもモテモテだった。
全くモテたことがない私からすると、かなり羨ましかった。
男性はみんな私よりも、ヴィオレットを見る。
そんな中、私だけを見てくれる人がいた。
ただ一人だけ。
その人の名前はバレンティン。
かっこいい公爵で有名だ。
彼とはパーティーで出会った。
パーティーの中でふと私と目が合った時、彼は嬉しそうに笑って話しかけてきてくれたのだった。
「綺麗な方ですね」
って言ってくれたことがお世辞だとしても嬉しくて。
パーティーが終わるまで、私は彼とずっと話していた。
後日、ヴィオレットが催したパーティーでバレンティンと再会した。
彼も覚えていてくれたらしい。
「お久しぶりですね」
「ええ。私、ヴィオレットの友人でして」
「そうなんですか」
なんて話をしていたら、ヴィオレットが私の方に寄ってきた。
「どうしたの?」
「ちょっと、こちらへ来てくれるかしら」
とヴィオレットが言い、私の腕を引っ張る。
「すみません。少し失礼します」
私はバレンティンに声をかけ、ヴィオレットから手を引かれるままに会場を出た。
「どうしたの、ヴィオレット」
「私、バレンティン様のことが好きなのよ。なのに、ずっとあなたと話しているじゃない。私の邪魔しないでくれる?」
「え?」
身勝手すぎる。
普段のヴィオレットとは違って、こんな一面があったのかと驚いてしまう。
「バカ面してんじゃないわよ!邪魔するなって言ってるの!」
「邪魔をしているわけじゃなくて」
「どうしてずっと喋っているの?!あんたがずっと話しかけているからじゃないの?」
「それは違う!」
「生意気なのよあんた!」
ヴィオレットが私の頬をバチンッと平手打ちした。
「暴力はダメだよ!」
背後からバレンティンの声がした。
振り返ると彼がいたのだ。
「どうして……」
「ちょっと様子が気になったもので。来てみたら、あなたが平手打ちされていて、びっくりしましたよ」
と、バレンティンが私の頬に手を滑らせた。
そして、ヴィオレットの方を冷たい目で見た。
「暴力を振るう人は軽蔑します」
ヴィオレットは悔しそうに顔を歪め、
「私だって、あんたみたいなキザ野郎、お断りよ!」
なんて捨て台詞を吐いて立ち去った。
「助けてくれてありがとうございます」
「良いんですよ。それより、頬は大丈夫ですか」
「はい。あの子、あんまり力強くないんで」
「何の話をしていたんですか?」
私はヴィオレットに言われたことを話した。
「エゴの塊ですね。僕はそういう人嫌いなんですよ」
「みんな嫌いですよ」
「まあ、そうですね」
ふふっと笑い、会話が途切れた。
「あの、今お付き合いされてる方いらっしゃいますか?」
「いませんよ」
「それでしたら、私の結婚してくれませんか?」
「え?」
「初めてあなたとお会いした時、運命を感じたんです」
「はあ」
「お返事をいただけますか?」
「と、突然のことでびっくりしているのですが……その、私で良ければよろしくお願いします」
私がそう言ったら、彼はとびっきりの笑顔を見せてくれた。
可愛らしい彼女はとてもモテモテだった。
全くモテたことがない私からすると、かなり羨ましかった。
男性はみんな私よりも、ヴィオレットを見る。
そんな中、私だけを見てくれる人がいた。
ただ一人だけ。
その人の名前はバレンティン。
かっこいい公爵で有名だ。
彼とはパーティーで出会った。
パーティーの中でふと私と目が合った時、彼は嬉しそうに笑って話しかけてきてくれたのだった。
「綺麗な方ですね」
って言ってくれたことがお世辞だとしても嬉しくて。
パーティーが終わるまで、私は彼とずっと話していた。
後日、ヴィオレットが催したパーティーでバレンティンと再会した。
彼も覚えていてくれたらしい。
「お久しぶりですね」
「ええ。私、ヴィオレットの友人でして」
「そうなんですか」
なんて話をしていたら、ヴィオレットが私の方に寄ってきた。
「どうしたの?」
「ちょっと、こちらへ来てくれるかしら」
とヴィオレットが言い、私の腕を引っ張る。
「すみません。少し失礼します」
私はバレンティンに声をかけ、ヴィオレットから手を引かれるままに会場を出た。
「どうしたの、ヴィオレット」
「私、バレンティン様のことが好きなのよ。なのに、ずっとあなたと話しているじゃない。私の邪魔しないでくれる?」
「え?」
身勝手すぎる。
普段のヴィオレットとは違って、こんな一面があったのかと驚いてしまう。
「バカ面してんじゃないわよ!邪魔するなって言ってるの!」
「邪魔をしているわけじゃなくて」
「どうしてずっと喋っているの?!あんたがずっと話しかけているからじゃないの?」
「それは違う!」
「生意気なのよあんた!」
ヴィオレットが私の頬をバチンッと平手打ちした。
「暴力はダメだよ!」
背後からバレンティンの声がした。
振り返ると彼がいたのだ。
「どうして……」
「ちょっと様子が気になったもので。来てみたら、あなたが平手打ちされていて、びっくりしましたよ」
と、バレンティンが私の頬に手を滑らせた。
そして、ヴィオレットの方を冷たい目で見た。
「暴力を振るう人は軽蔑します」
ヴィオレットは悔しそうに顔を歪め、
「私だって、あんたみたいなキザ野郎、お断りよ!」
なんて捨て台詞を吐いて立ち去った。
「助けてくれてありがとうございます」
「良いんですよ。それより、頬は大丈夫ですか」
「はい。あの子、あんまり力強くないんで」
「何の話をしていたんですか?」
私はヴィオレットに言われたことを話した。
「エゴの塊ですね。僕はそういう人嫌いなんですよ」
「みんな嫌いですよ」
「まあ、そうですね」
ふふっと笑い、会話が途切れた。
「あの、今お付き合いされてる方いらっしゃいますか?」
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「それでしたら、私の結婚してくれませんか?」
「え?」
「初めてあなたとお会いした時、運命を感じたんです」
「はあ」
「お返事をいただけますか?」
「と、突然のことでびっくりしているのですが……その、私で良ければよろしくお願いします」
私がそう言ったら、彼はとびっきりの笑顔を見せてくれた。
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