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第2章 【仲間探し編(アカリ)】

第2章46話 [呪われたピョンピョンアーマー]

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 まずはステータスを確認しておこう。急いでメニューを開き確認する。


 マリー Lv 9 〔83223G〕 Ranking--  
 メインジョブ/召喚士 Lv3 サブジョブ/格闘家 Lv3 覚醒ジョブ/合成士Lv3

  HP/3200 MP/350 STR/1800 VIT/800 DEX/300 AGI/3400 INT/250 LUK/250  

 《武器》
 呪いのピョンピョンブレード  AGI+1000 HP+1000 『呪い属性付与/剣でダメージを与えた数値分だけAGIにプラスする』 〈R8〉

 《 装備》
  頭/ 哀しみのピョンピョン耳 HP+800 AGI+1200  〈R8〉
  胴体/憎悪のピョンピョン胸当て HP+800 VIT+800 〈R8〉
  腕/裏切りのピョンピョン籠手 HP+800 STR+900 〈R8〉
 足/後悔のピョンピョンブーツ STR+900 AGI+1200 〈R8〉

 装備一式奥義『呪いのカース生贄サクリファイス
【剣で切った後、剣に蓄積されているダメージ分の3倍のダメージを相手に与える。使用後、剣に蓄積されているダメージはリセットされる。使用後5分間、再使用不可】

 装備一式常時スキル『呪いの蓄積』
【相手プライヤーに剣で攻撃を当てる度に自分の剣にダメージを蓄積しSTRを10プラスする】

 装備一式アビリティ『加速』
『8秒間の間、AGIを2倍にする。使用後5分間、再使用不可』


 思ったほど強くない…。たしかにノーマルのピョンピョンアーマーよりかは強くなった…けどこれじゃあまだ勝てない。

「ん?」

 なんだ?装備のステータスがまだ下に続いている…?


 呪い『弱』
  【1分間の間、10秒毎に低確率で『狂乱』の状態異常を受ける】

 呪い『強』
【装備して2分後、3秒毎に高確率で『狂乱』の状態異常を受け続ける】

 呪い『完』
『装備して3分後『狂乱』の状態異常になる』


「っ!!」

 嘘だろ…!加護は確率に勝てる。だが状態異常には防げない…。『完』になる3分間しか時間がないのかよ…。

「どうした?来ないのかよ?そのふざけた装備で俺に勝つんだろ?」
「…ああ。勝つぜ」

 この装備で勝つにはイカズチに『剣でダメージを与えてAGIにプラスしていく』の効果で俺のAGI素早さを上げていって戦うのが得策だ。俺は手に持った柄の部分がウサギの形をした、刃こぼれしたボロボロのショートソードを見つめる。
『ピポーン』と頭の中で呪いに加護が勝った音が鳴る。

「いくぜ!『加速!』」
「無駄だ!『加速!』」

 お互いに加速する。

「チッ!クソ!!ダメだ!攻撃が当たらない!」
「どうしたぁ?その程度かよ!」

 イカズチまで加速してしまっては俺の攻撃は当たらない。『ピポーン』と頭の中で音が鳴る。
 まずい!早く倒さないとタイムリミットになってしまう!
 お互いに加速のスキルが解け通常時の速度に戻る。

「どうしたら …!」
「マリー!ナイトを召喚して!」
「…!そうか!『召喚!』ナイト!」

 少し離れた所に召喚陣が現れ、ナイトが召喚される。

「さっきの盾を使う狼か…鬱陶しい!『電撃波!』」
「ッ…ガウ!!」

 電撃はナイトに直撃する。

「ちくしょう!攻撃された!」
「馬鹿か、テメェ?召喚は自分の見える範囲に召喚出来んのに、なんで俺の攻撃範囲に召喚してんだ?」
「え…?」

 そうだったのか。いつも適当に召喚していて知らなかった。
 ナイトのHPは半分ほど減っていた。

「ナイト、すまない!」
「ワウ!」

 ナイトは気にするなと言っている気がする。『ピポーン』と頭の中で音が鳴る。

「ナイト!援護頼む!」
「ワウ!」

 俺は突っ込んで行き、ナイトは後ろで鎧を使いながら援護をしてくれる。

「おいおい!どうした?攻撃が当たってねぇぞ!」

 俺の攻撃もナイトの鎧で作り出した剣も擦りもしない。『ピポーン』と頭の中でまた音が鳴る。
 また『ピポーン』と音が鳴り、数秒すると『ピポーン』と頭の中でまた音が鳴る。
 まずい!2分経って呪いのレベルが『強』になった!

「くそ!!早くっ!早くしないと!!」

 俺はなりふり構わず剣を振り回す。イカズチには全て避けられる。

「なんだ?随分焦ってんじゃねぇか!『電撃波!』」
「ガウ!」

 ナイトの作ってくれた盾に守られたが、盾ごと吹き飛ばされる。

「があ…!」

 早くしないと!早く!急いで立ち上がりイカズチに向かって行こうとするが『ピポーン』『ピポーン』『『ピポーン』『ピポーン』『 『ピポーン』と頭の中で音が響く。

「くそ!うるせぇ…!頭が…!!」

 何度も頭の中で鳴り続ける音に頭が痛くなる。

「マリー!どうしたの?!ねぇ!マリー!!」
「うるさい!!静かにしててくれ!!」
「マリー…?」

『ピポーン』『ピポーン』『ピポーン』『ピポーン』『ピポーン』『ピポーン』『ピポーン』『ピポーン』『ピポーン』『ピポーン』

「クソ!!!うるさい!うるさい!!」

 エリーの声が聞こえた気がした…。
 『ピポーン』『ピポーン』『ピポーン』『ピポーン』『ピポーン』『ピポーン』『ピポーン』『ピポーン』『ピポーン』『ピポーン』『ピポーン』『ピポーン』『ピポーン』……音が延々と頭の中で鳴り続ける…。

「もう …」

 ダメだ…意識が薄れていく…。ごめん…ミツハ。



 俺の意識はここで途絶える。
 夢の中でキレイな歌声が聴こえた気がした…『ピポーン』と頭の中で音が鳴り目が覚める。意識が戻った時…俺の目の前には傷ついたアカリを庇うようにミツハが立ち塞がっていた。

「ミ…ツハ?」
「マリー…僕が分かるのか?」
「あ、ああ…」

 ミツハが俺を強く抱きしめる。

「良かった!元に戻ったんだな、マリー!本当に良かった!」
「ミツハ…俺は…?イカズチはどうなったんだ?」

 俺の意識がない間に一体何があったんだ…。
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