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第2章 【仲間探し編(ミツハ)】

第2章19話 [前進]

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「……」

 召喚されたエリーは元気がなく、シュンとしている。
『イッヤッホーー!大丈夫だった~~マリー!!』とか言って飛び付いてくると思っていたので、低いテンションで出てこられると対応に困る。

「エリー、どうした?」
「ごめんね、マリー。私がもっとしっかり助言しておけば勝てたのに…」
「気にするなよ。俺も全然気にしてないし…」

 チラッと俺の方を見て、俯く。

「ウソ…泣いた跡ある…」

 え!泣いた跡とかあるのか?このゲームどんだけリアルに作られているんだ!

「うっ、いや!これは負けた残念会で、ミツハと辛い物食べたからさ!それで泣いたんだよ!いや~、ミツハのヤツって顔から涙やら鼻水やら色々のものが顔から出て凄かったんだぞ!」
「…辛い物って何?」
「あ、アレだよ!アレ!分かるだろ?赤くて辛いやつだよ!」

 辛い食べ物がパッ全く思いつかない!急に聞くなよ!言ったの俺だけど!

「やっぱりウソだったんだ…」

 エリーは、ジッと見る。

「そうだよ!ウソだよ!悪いかよ!悔しくて泣いてたんだよみんなに期待されてたのに負けた、その申し訳なさと悔しさで泣いてたよ!悪いか!!」
「…悪い」
「悪いのかよ!!何でだよ!!」
「う~~!!悪いよ!私がもっと考えて、アカネちゃんの使うスキルを予想していたらマリーは負けなかったんだもん!!全部私のせいだよ!」

 エリーは俺の顔の目の前で泣きながら叫ぶ。

「違う!合成して調子乗ってアカネに盾の魔法を発動させた俺が悪いんだよ!」
「違うよ!私がアカネちゃんの魔法を予想出来なかったのが悪いんだよ!」
「そうだな」
「ちがっ…え!急に!!もっとお互いに泣きながら言い合って、最後は笑って絆を深め合っていくモノじゃないの?!こういうのって!!」

 エリーは慌てた様子で泣きながら俺の胸ぐらを掴みながら抗議する。

「…俺も泣くくらい反省した。エリーも泣くくらい反省してる。俺たちが次にする事は分かるだろ?」
「…え?」
「次は負けないよう、強くなろうぜ。絶対に次は負けないように」
「マリー…うん!!分かったよ!私も、もっとマリーのサポートが出来るようになってみせるよ!」

 先ほどまで泣いていたのがウソのようにエリーは元気になる。

「ああ!もう絶対に負けねぇ!」

 俺はエリーに拳を突き出す。

「うん!私もマリーを絶対に負けさせない!」

 マリーも拳を突き出し、俺の拳と合わせる。
 お互いに見つめ合い、心に誓う。

「よし!どうしたらいいか考えようぜ!」
「なら、スピカとナイトのレベルを上げてみるのもいいんじゃないかな?」
「なるほど…」

 たしかに、戦闘でも強い方が良いし、合成の時も合成した装備が強くなるかもしれないしな。

「その方向でいくか!召喚!…って出来るのか?」
「大丈夫だよ、エフレンドでのPvPでは使用したアイテムやHPもMPも全部元通りになるから」
「そうなのか、さすエリ。『召喚!』スピカ、ナイト!」

 召喚陣からスピカとナイトが召喚される。

「ごめんな、頑張ってくれたのに、俺負けちまった…」

 召喚された、スピカとナイトの頭を撫でる。

「ワウ!」
「キュイ!」

 次は俺たちも頑張るよ!と言っているような気がする。

「ありがとう…で良いのかな?」
「大丈夫だよマリー、2人とも次は負けないって言ってるよ」
「そうか…ありがとう」

 少し力を入れて撫でる。

「2人のステータスを見せてくれ、今後の方針を考える」

 まずスピカのステータスは…。

 ・スピードホーンラビット 『スピカ』 Lv6/10 信頼度10(MAX)〈R6〉
  HP/900 STR/350 VIT/400 AGI/900
 スピードラビットの上位種。スピードラビットの幼体が稀に進化して上位個体になると言われている。残り進化2回。
【アビリティ/加速  8秒間だけAGIを3倍にすることが出来る 。使用後3分間、再使用不可】


 意外とレベルが上がっているのか?
 ゴブリンとオークとキングオークしか倒していないにしては上がっている方か…。
 次はナイトのステータスは…。

 ・ナイトウルフ 『ナイト』 Lv9/10 信頼10〈MAX〉 〈R5〉
 HP/ 1300 STR/ 450 VIT/400 AGI/500
 夜を好んで狩りをする狼。闇属性の攻撃をする。残り進化2回。

【アビリティ/黒障壁   HPを10消費して闇属性の壁を生み出すことができる】


 初めて召喚した時は怖くてシッカリとステータスを見ていなかったが、ナイトは進化出来るみたいだ。
 もしもアカネに勝ててたら進化出来たのかもな…そう考えると少しテンションが下がる。

「よし!方針が決まったな。どこかで戦闘をしてナイトを進化させよう!」

 俺はミツハにも相談しようと思い、『今からマイルームに来れないか?』とメッセージを送る。

「ミツハを待つか」

 俺は椅子に座り、膝の上にスピカを置いて撫でながら待つことにした。
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