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第2章 【仲間探し編(ミツハ)】

第2章16話 [神の一撃]

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「ミツハ、頼む!賢者の腕輪、貸してくれないか?!」
「別にいいけど、マリーってMP沢山使うスキルってあったっけ?」
「黙ってて悪かったけど、実はMPを大量に消費して召喚する召喚獣がいるんだ!」
「そうなの?」

 ミツハは迷うことなく腕に装備していた『賢者の腕輪』を俺に差し出す。

「いいよ、その代わり期待してるよ!」

 召喚する召喚獣に対してなのか、勝負の勝敗に対してなのかは分からなかったが期待には答えよう。

「おう!任しとけ!」


 ミツハとPvP前にした会話を思い出す。

「召喚獣の力?まだ出してない召喚獣でもいるのか?」

 俺は無言でメニューから『妖精の聖衣』を装備する。

「ああ。アカネ、お前に最強の召喚獣を見せてやる」

 メニューを開き合成士を選択し、ナイトと賢者の腕輪を選ぶ。

「ナイト。ミツハ。力を貸してくれ!『合成!』」
「ワウ!」

 ナイトと装備していた賢者の腕輪が発光しながら浮かび上がり、勢いよくぶつかると激しい光が放たれる。

「頼む…!」

 心の中で祈っていると、頭の中で『ピポーン!』と音が鳴る。
 光が収まっていき、目の前に狼の顔が彫られた黒くなった腕輪が浮かでいた。

「装備!」

  右腕腕輪をはめて装備する。
 メニューでステータスを確認する。

 マリー Lv 8 〔13322G〕 Ranking--  
 メインジョブ/召喚士 Lv2 サブジョブ/格闘家 Lv3 覚醒ジョブ/合成士Lv1

  HP/415 MP/1300  STR/250 VIT/200 DEX/150 AGI/150 INT/175 LUK/100  

 《武器》
  黒狼王こくろうおうの腕輪  MP+800 HP+400〈R7〉
  《 装備》
  頭/ 星のヘアピン LUK+25 HP+15
  胴体/ 妖精の聖衣  MP+700〈R7〉
  腕/【黒狼王の腕輪】 (武器として装備している為、変化なし) 〈R7〉
 足/冒険者の革靴 AGI+55

 黒狼王の腕輪スキル『闇の壁』
【毎秒HP10消費しSTR2000までの攻撃を防ぐ壁を5つまで生み出せる。使用後5秒間使用不可】

 黒狼王の腕輪アビリティ『影操り』
【毎秒MPを10消費し相手を影で縛り動けなくする。使用後再使用不可制限なし】

 妖精の聖衣アビリティ『聖なる加護』
 《15秒間MPが減らなくなる。このアビリティ使用後、【妖精の聖衣】はゲーム内で1日の間は使用不可になる》


 よし!思ってた通り、壁を生み出すスキルとMPが1000を超えた。これでゴッドが召喚できる!
 にしても、今の俺の見た目が弱そうだ…白いワンピースと靴と腕輪しか装備していない。

「すまない。待たせたな」
「もういいのか?じゃあ見せてもらうぜ!お前の力ってヤツを!」

 アカネは腕を組み、俺が合成し終わるのを律儀に待っていてくれた。
 先ずは確実に攻撃を当てるためにアカネの動きを止める!

「スキル『闇の壁!』4枚!」
「なんだ…!」

 アカネを四方に壁が現れ囲む。

「洒落せぇ!『正拳突き!』」

 『ドン!!』と壁を殴る音がしたが、壁は頑丈だったようで壊れなかった。

「焦ったぜ…アビリティ『影操り!×5!』
「な、なんだ!くそ…!」

『闇の壁』の中でアカネが慌てている声がする。

「成功したみたいだな…」

 壁を消すと黒いオーラが出るヒモで縛られたアカネが現れる。

「セコイだなんて言うなよ。こうでもしないと勝てないからな」
「ハッ、言わないさ…それで、ここからどうするんだ?」
「言っただろ、召喚獣を見せてやるって!『召喚』!」

 俺の後ろに巨大な召喚陣が現れる。
 勝負は聖衣のアビリティの15秒間。これで終わらせる!

「来い!魔王討伐兵器人製『機械神ゴッド 』の右腕!!」
「機械神だと…!!」

 召喚陣から生えるように、十数メートルの腕が召喚される。

『機械神ゴッドの右腕』   Lvーー   信頼度ーー 〈R10〉
    HP/10000     STR/10000      ATK/10000    VIT/10000    AGI/10000      

 スキル『マシニティック・ゴッドブロー 』
【全てを破壊する最強の一撃。スキル発動中、相手の盾や壁を破壊することが出来る】

「最高だぜ!マリー!!来い!!!」
「いくぜ!機械神ゴッドの攻撃!!『マシニティック・ゴッドブロー!!!』」

 勢いよくアカネに向かって拳が向かう。

「くっ!『ホーリーバリア!』『ホーリーバリア!』『ホーリーバリア!』『ホーリーバリア!』『ホーリーバリア!』『ホーリーバリア!』」

 アカネが早口言葉のように魔法を唱える。目の前に天使の羽を模した盾が何枚も出現するが…。

「無駄だ!!いけーー!!ゴッドーーー!!!」

 パリンッ!パリンッ!パリンッ!パリンッ!パリンッ!と薄い煎餅のように盾を破壊していき、ゴッドのこぶしはアカネに直撃する。

「…っっ!!!!!!!」

 物凄い勢いでアカネは壁まで吹き飛んでいき砂埃が舞う。
 ゴッドも時間が経ち、徐々に薄くなっていき消えていく。

「勝った…勝ったんだ!」

 俺は安堵から膝から崩れ落ちる。
 装備も妖精の聖衣のアビリティを使ったので、元の魔法使いの装備に戻る。
 だが、勝ったというのにPvPが終わらない。


「何でだ?何でPvPが終わらない…?」
「マリー…アカネちゃんはまだ倒せてないよ…」
「え…?」

 額から冷や汗が流れ、心臓の鼓動が早くなる。
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