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第二部
昼
しおりを挟む「アリアさん、騎士の方たちの具合はいかがでしたか?」
お散歩から戻ってきた私はまたアリアさんとお茶会をしています。
なぜかと言うとまだお昼時なのです。
アリアさんたちが転移してきたのは日が昇り始めた頃でした。
なので私は、シュウさんが目覚めて動いていることに結構びっくりしているのです。
瀕死の重体でしたから、三日は目覚めないと思っていました。
それがもう起き上がっているなんて。
それにミシェルとなんだか仲良くなっていましたしね。
「ええ、おかげさまで皆目覚めました。さすがにしばらくは動くことができないと思いますが、生きていることが何よりです」
「そうですか。それは良かったです」
なんと。
他の騎士さんたちも目覚めたそうです。
彼らもそれなりに重傷を負っていたのですが、何か秘密の回復法でもあるのでしょうか。
しかし、シュウさんと違ってしばらくは動くこともままならないそうです。
その間はアリアさんが治癒魔法を用い看病に励むそうです。
献身的な方ですね。さすが聖女様です。
――く~っと可愛らしい音が鳴りました。
音の出所に視線を向けると顔を真っ赤にして俯いていました。
なるほど、可愛らしい方ですね。こういうちょっとした仕草や恥じらい方に男性は心惹かれるのでしょうか。
シュウさんが甘い視線を向け凝視しています。
そんなに見つめたら可哀想ですよ~。とは言いません。
面白そうなので様子を伺いましょう。
「どうした? 飯は……そういや食ってないのか」
「ち、ちょっとっ。恥ずかしいから口にしないでっ。た、確かに昨日の夜から何も食べてないけど……」
「別に恥ずかしがることはないぞ。食欲があるってことは生きてる証拠だ。悪いことではない。……ただ、随分と可愛らしい音だったけどな」
「もうっ、バカッ!!」
あ。殴られた。しかもグーで。
アリアさんは意外とアグレッシブな方でした。
それとシュウさんはデリカシーに欠ける人みたいです。
そんなことより私もお腹が空いてきましたね。ティアも目で訴えてきます。
アリアさんとシュウさんの関係についてはお昼ご飯を食べながら聞くことにしましょう。
「ミシェル」
「かしこまりました。お客人がいらっしゃるので、本日のメニューはカレーにします」
「いいけど、時間がかかるのではなくて?」
「こうなることを予測してあらかじめ仕込みは済ませてあります」
相変わらずの万能っぷりね。
というかこういうことを予測って……いつも何を想像して行動しているのかしら。
時々ミシェルが分からないわ。
まあミシェルだから仕方ないか。あまり気にしないことにします。
「そう。なら、お願いね」
「少々お待ちください」
ミシェルがキッチンに行きました。
「ということなので、お待ちください。ミシェルのお料理はとっても美味しいんですよ」
今まで食べたミシェルの料理を思い出して笑みがこぼれた。
ミシェルが作るものにハズレはなかったですね。
二人を見ると真逆の反応をしていた。
「……かれー? って何かしら?」
「か、カレーだとっ!? ここでカレーが食べられるのかっ!!…………俺、ここに定住しようかなぁ」
シュウさんはカレーが何かご存じのようです。
ミシェルのオリジナル料理と聞いていましたが、知っている方がいたなんて
しかも、そのためにここに住むとか言っています。
そんなにお好きなのですか、カレー。
そんな彼に私は苦笑しながら言いました。
「ミシェルのカレーは絶品ですよ。楽しみにしていてください。それと、私たちの目的が果たされるまではここでゆっくりしてくださって結構ですから。定住するかはまた後でお話ししましょう。…………それよりお二人のことをお聞かせくださいね」
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