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第一部
対策 *王太子視点あり
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「落ち着いた?」
「……はい。お見苦しいところを申し訳ございません」
「別に大丈夫よ。私も少しは嬉しかったから……」
ミシェルが思っていたことを聞けたのは本当にうれしいのです。
自分のことはあんまり話して…………くれないわけではないですね。
言いたいことははっきり言ってましたね。主に私のことですが。いや、ミシェルの好みの話かしら。
まあどちらでも構いません。ミシェルが私の側にいる。それだけでいいのです。
「そんなことより、アルフレッド様のことについて考えましょう」
「そうですね。どうやってあの王太子を始末するかですね」
「始末しません。物騒な事は考えないように! いいですね?」
「しかし、お嬢様。始末するのが一番手っ取り早いですよ。他の貴族たちも同じことにならないように関わってこなくなるはずです」
「ダメです。そんなことをしたら本当に罪人になってしまうわ。話し合いで王国に帰っていただきましょう」
私がそう言うとミシェルは途端に慌てだしました。
何をそんなにわたわたしているのですか。
「話し合いって……もしや王太子に会いに行くのですか!? いけません! お嬢様があんな奴の会う必要なんてありません」
「だって……私が話した方が早いでしょ? それに一度ちゃんと断っておけば以後近寄ってこないでしょうし」
「甘いです。甘々の激甘です。そんなんで言うことを聞くような男なら、今頃優秀な王太子として国民からの支持もあったはずです」
「え? アルフレッド様って国民から嫌われていたの?」
ミシェルは呆れたようにため息。どうしてそんな顔で私を見るのですか。
なんでやれやれみたいな雰囲気を出しているのですか。
「権力を笠に着た横柄な態度、自分勝手な政策、意味のない税金の値上げ、極めつけは国民のアイドルとしても有名だったお嬢様を婚約破棄して違う女と婚約。これで国民に好かれる理由がありますか?」
「ちょっと待って。私がアイドル……? そんなの知らないのだけど。一体どういうことなのですか?」
「お嬢様の愛らしい容姿はもちろん、平民に対しても分け隔てなく接する上にいつもニコニコ笑顔で王都散策。それに王太子のバカな政策を止めた手腕。国民皆お嬢様のことは大好きなんですよ。自覚なさってください」
王都散策って、あれは職務の一環だっただけで散策していたわけではありません。
ニコニコ笑顔もしてません。疲れ切った様子で人前に出たくないので必死に作り笑いをしていたんです。絶対に変な顔をしていたに違いありません。
「ま、まあ、いいわ。この際それは置いておきましょう。とにかく、アルフレッド様と一度お会いする必要があります。それではっきりと申し上げましょう。私に関わるな、と」
◇◇◇
*王太子視点
「――あのメイドがどこにいるか、まだわからんのか!」
メイドとギルドで会ってから三日。
あれ以来会っていない。というより見つかっていない。
この街にいるのは確かなはずなのに、どこにもいないと部下たちは言う。
そんなわけがあるか。絶対にこの街にいるんだ。
「殿下、もしメイドが見つかったとしてどうするのですか? 先の一件であのメイドは只者ではないとわかりました。忠告を無視して会ったなんて、一体どうなることやら……」
「貴様はメイドごときに怯えているのか? メイドごときにコケにされたまま国に帰るべきだと?」
「い、いえ、そのようなことは……」
「俺は王太子だ。そのような恥をさらしておめおめと帰れるかっ! 余計は事を言っている暇があったらとっとと見つけてこい!!」
「は、はいっ!」
まったく使えない部下などいらんというのに。
あいつはクビだな。このままこの街において行こう。
「殿下! ようやくわかりました!」
「やっとか。それで? そのメイドは今どこにいるのだ?」
「それが……」
「なんだ。早く言え」
「……はっ。かのメイドは現在聖魔の森にいるようです。そして現在の聖魔の森は聖域と化しているようで、おそらく神獣がいると思われます」
「……何だと?」
聖魔の森? どこかで聞いたことあるような。
いや、しかし、森が聖域と化しているとはどういうことだ。
我が国の神獣がその森を住処と認定したということか。そんなことは許されんぞ。
それにメイドがいるのなら、おそらくそこにユミエラもいるのだろう。
ようやくだ。ようやくユミエラを捕まえることができる。
国に連れ帰ったら覚悟しれおけよ、ユミエラ。こき使ってやるからなぁ。
「人を集めろ。これより聖魔の森に向かう!!」
「……はい。お見苦しいところを申し訳ございません」
「別に大丈夫よ。私も少しは嬉しかったから……」
ミシェルが思っていたことを聞けたのは本当にうれしいのです。
自分のことはあんまり話して…………くれないわけではないですね。
言いたいことははっきり言ってましたね。主に私のことですが。いや、ミシェルの好みの話かしら。
まあどちらでも構いません。ミシェルが私の側にいる。それだけでいいのです。
「そんなことより、アルフレッド様のことについて考えましょう」
「そうですね。どうやってあの王太子を始末するかですね」
「始末しません。物騒な事は考えないように! いいですね?」
「しかし、お嬢様。始末するのが一番手っ取り早いですよ。他の貴族たちも同じことにならないように関わってこなくなるはずです」
「ダメです。そんなことをしたら本当に罪人になってしまうわ。話し合いで王国に帰っていただきましょう」
私がそう言うとミシェルは途端に慌てだしました。
何をそんなにわたわたしているのですか。
「話し合いって……もしや王太子に会いに行くのですか!? いけません! お嬢様があんな奴の会う必要なんてありません」
「だって……私が話した方が早いでしょ? それに一度ちゃんと断っておけば以後近寄ってこないでしょうし」
「甘いです。甘々の激甘です。そんなんで言うことを聞くような男なら、今頃優秀な王太子として国民からの支持もあったはずです」
「え? アルフレッド様って国民から嫌われていたの?」
ミシェルは呆れたようにため息。どうしてそんな顔で私を見るのですか。
なんでやれやれみたいな雰囲気を出しているのですか。
「権力を笠に着た横柄な態度、自分勝手な政策、意味のない税金の値上げ、極めつけは国民のアイドルとしても有名だったお嬢様を婚約破棄して違う女と婚約。これで国民に好かれる理由がありますか?」
「ちょっと待って。私がアイドル……? そんなの知らないのだけど。一体どういうことなのですか?」
「お嬢様の愛らしい容姿はもちろん、平民に対しても分け隔てなく接する上にいつもニコニコ笑顔で王都散策。それに王太子のバカな政策を止めた手腕。国民皆お嬢様のことは大好きなんですよ。自覚なさってください」
王都散策って、あれは職務の一環だっただけで散策していたわけではありません。
ニコニコ笑顔もしてません。疲れ切った様子で人前に出たくないので必死に作り笑いをしていたんです。絶対に変な顔をしていたに違いありません。
「ま、まあ、いいわ。この際それは置いておきましょう。とにかく、アルフレッド様と一度お会いする必要があります。それではっきりと申し上げましょう。私に関わるな、と」
◇◇◇
*王太子視点
「――あのメイドがどこにいるか、まだわからんのか!」
メイドとギルドで会ってから三日。
あれ以来会っていない。というより見つかっていない。
この街にいるのは確かなはずなのに、どこにもいないと部下たちは言う。
そんなわけがあるか。絶対にこの街にいるんだ。
「殿下、もしメイドが見つかったとしてどうするのですか? 先の一件であのメイドは只者ではないとわかりました。忠告を無視して会ったなんて、一体どうなることやら……」
「貴様はメイドごときに怯えているのか? メイドごときにコケにされたまま国に帰るべきだと?」
「い、いえ、そのようなことは……」
「俺は王太子だ。そのような恥をさらしておめおめと帰れるかっ! 余計は事を言っている暇があったらとっとと見つけてこい!!」
「は、はいっ!」
まったく使えない部下などいらんというのに。
あいつはクビだな。このままこの街において行こう。
「殿下! ようやくわかりました!」
「やっとか。それで? そのメイドは今どこにいるのだ?」
「それが……」
「なんだ。早く言え」
「……はっ。かのメイドは現在聖魔の森にいるようです。そして現在の聖魔の森は聖域と化しているようで、おそらく神獣がいると思われます」
「……何だと?」
聖魔の森? どこかで聞いたことあるような。
いや、しかし、森が聖域と化しているとはどういうことだ。
我が国の神獣がその森を住処と認定したということか。そんなことは許されんぞ。
それにメイドがいるのなら、おそらくそこにユミエラもいるのだろう。
ようやくだ。ようやくユミエラを捕まえることができる。
国に連れ帰ったら覚悟しれおけよ、ユミエラ。こき使ってやるからなぁ。
「人を集めろ。これより聖魔の森に向かう!!」
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