8 / 123
第一部
ミシェルの精霊契約
しおりを挟む
なぜか精霊王の契約者となってしまった私ですが、何はともあれここに住めるようになったので、まずは家を建てましょう。
といっても、私が何かするわけではありません。私には万能メイドがついているんですから。
「それではミシェル。家を建ててくださる?」
「いきなり無茶ぶりしますね。確かに魔法で建てられないこともないですけど、耐久性と持続性に難ありですね。人の手で建てたほうが確実にいい気がしますが」
「しかし、建築学なんて習っていませんわよ。木を切ったりするのはできるかもしれませんが。どうにかならない?」
「んー。そう言われましても……」
『何難しく考えているのよ。この森には精霊がたくさんいるのよ。ユミエラが声をかければみんなが応えてくれるのよ。なんていったって私の契約者なんだからね!』
「精霊さんに頼るのはいいですけど、私が魔法を使えるわけではないので。それに家の構想はミシェルの頭の中にありますし」
『ならミシェルにも契約してもらえばいいのよ。あら、あんた全属性適性があるのね。珍しいわね』
「あー、それは転生特典でいただいたものですね。精霊と契約できるならおそらくできますよ」
「それなら契約してもらいましょう。って、そんな簡単にいいのかしら?」
『いいのよ。精霊なんて大抵の子が暇してるんだから。気に入った子がいれば契約してもらいなさい』
なんと。精霊さんてお暇な方が多いのですね。どうしてでしょうか。
なぜかミシェルは納得したような顔をしていますが。
それよりも気になったことが一つ
「ティアもお暇だったのですか?」
『ひえっ!? あ、あたしは精霊王よ! 王様なの! 王様が暇なんて、あ、あるわけないじゃない!』
何やら目が右往左往しているのですが。
目が泳いでるってこういうことを言うのですね。
しかし、ティアがそう言うのであればそうなのでしょう。
とにかく今はミシェルと契約してくれる精霊さんをお呼びしましょう。
なんて声をかければいいのかしら? とりあえず思ったことをそのまま言ってみましょう。
「うちのメイドと契約してくれるお暇な方~? いらっしゃるなら私の下へ出てきてはいただけないでしょうか~?」
後ろでミシェルとティアが笑いをこらえている様子。
何かおかしなことでも言いましたか?
突如私の目の前に光が集まってきました。少し眩しいですね。
ミシェルが作成した「サングラス」というものを掛け遮光します。
次第に光はそれぞれ小さく分裂していきカラフルに色づいていきました。
「わぁ。こんなにも精霊さんがいらっしゃるなんて。光栄ですわ」
「お嬢様はのん気ですね。そこがとても可愛いのですが。こういうの見たら普通の人は唖然とすると思いますよ」
「あら。こんなにも美しい光景を前にしてそれはもったいないじゃない。わかっていないわね、ミシェルは」
「くぅ~。その誇らしげな顔、たまりません! ありがとうございます!!」
そんな恍惚とした顔で何を言っているのかしら。相変わらず言っていることだけが理解できないですね。有能なメイドなのですが。
だから他の侍女たちに残念美人て言われるのよ。
『あら、上級精霊が四人も来ているわよ。よかったじゃない』
『王が何やら人間と契約を交わしたようなので』
『我らも共にあろうと』
『馳せ参じた次第です』
『うんうん』
なんと火水風土の四大精霊さんがお越しになられたそうで。
ミシェルとは契約していただけるのかしら。
「それじゃ、契約しれもらえますか?」
『『『『どうして我らがそのような事を』』』』
「おいしいお菓子がついてきますよ?」
『『『『仕方ないから契約してやろう』』』』
あら。餌付けで簡単に篭絡されたようです。
皆さん飴を食べながら嬉しそうにしていますわ。
ティアも物欲しそうな目で私を見るので差し上げました。その笑顔まさに女神のようですね。とてもかわいいです。
とにかくミシェルも精霊さんと契約を交わせたみたいなので、さっそく私たちの暮らす家を建てていきましょう!
といっても、私が何かするわけではありません。私には万能メイドがついているんですから。
「それではミシェル。家を建ててくださる?」
「いきなり無茶ぶりしますね。確かに魔法で建てられないこともないですけど、耐久性と持続性に難ありですね。人の手で建てたほうが確実にいい気がしますが」
「しかし、建築学なんて習っていませんわよ。木を切ったりするのはできるかもしれませんが。どうにかならない?」
「んー。そう言われましても……」
『何難しく考えているのよ。この森には精霊がたくさんいるのよ。ユミエラが声をかければみんなが応えてくれるのよ。なんていったって私の契約者なんだからね!』
「精霊さんに頼るのはいいですけど、私が魔法を使えるわけではないので。それに家の構想はミシェルの頭の中にありますし」
『ならミシェルにも契約してもらえばいいのよ。あら、あんた全属性適性があるのね。珍しいわね』
「あー、それは転生特典でいただいたものですね。精霊と契約できるならおそらくできますよ」
「それなら契約してもらいましょう。って、そんな簡単にいいのかしら?」
『いいのよ。精霊なんて大抵の子が暇してるんだから。気に入った子がいれば契約してもらいなさい』
なんと。精霊さんてお暇な方が多いのですね。どうしてでしょうか。
なぜかミシェルは納得したような顔をしていますが。
それよりも気になったことが一つ
「ティアもお暇だったのですか?」
『ひえっ!? あ、あたしは精霊王よ! 王様なの! 王様が暇なんて、あ、あるわけないじゃない!』
何やら目が右往左往しているのですが。
目が泳いでるってこういうことを言うのですね。
しかし、ティアがそう言うのであればそうなのでしょう。
とにかく今はミシェルと契約してくれる精霊さんをお呼びしましょう。
なんて声をかければいいのかしら? とりあえず思ったことをそのまま言ってみましょう。
「うちのメイドと契約してくれるお暇な方~? いらっしゃるなら私の下へ出てきてはいただけないでしょうか~?」
後ろでミシェルとティアが笑いをこらえている様子。
何かおかしなことでも言いましたか?
突如私の目の前に光が集まってきました。少し眩しいですね。
ミシェルが作成した「サングラス」というものを掛け遮光します。
次第に光はそれぞれ小さく分裂していきカラフルに色づいていきました。
「わぁ。こんなにも精霊さんがいらっしゃるなんて。光栄ですわ」
「お嬢様はのん気ですね。そこがとても可愛いのですが。こういうの見たら普通の人は唖然とすると思いますよ」
「あら。こんなにも美しい光景を前にしてそれはもったいないじゃない。わかっていないわね、ミシェルは」
「くぅ~。その誇らしげな顔、たまりません! ありがとうございます!!」
そんな恍惚とした顔で何を言っているのかしら。相変わらず言っていることだけが理解できないですね。有能なメイドなのですが。
だから他の侍女たちに残念美人て言われるのよ。
『あら、上級精霊が四人も来ているわよ。よかったじゃない』
『王が何やら人間と契約を交わしたようなので』
『我らも共にあろうと』
『馳せ参じた次第です』
『うんうん』
なんと火水風土の四大精霊さんがお越しになられたそうで。
ミシェルとは契約していただけるのかしら。
「それじゃ、契約しれもらえますか?」
『『『『どうして我らがそのような事を』』』』
「おいしいお菓子がついてきますよ?」
『『『『仕方ないから契約してやろう』』』』
あら。餌付けで簡単に篭絡されたようです。
皆さん飴を食べながら嬉しそうにしていますわ。
ティアも物欲しそうな目で私を見るので差し上げました。その笑顔まさに女神のようですね。とてもかわいいです。
とにかくミシェルも精霊さんと契約を交わせたみたいなので、さっそく私たちの暮らす家を建てていきましょう!
61
お気に入りに追加
523
あなたにおすすめの小説
「無加護」で孤児な私は追い出されたのでのんびりスローライフ生活!…のはずが精霊王に甘く溺愛されてます!?
白井
恋愛
誰もが精霊の加護を受ける国で、リリアは何の精霊の加護も持たない『無加護』として生まれる。
「魂の罪人め、呪われた悪魔め!」
精霊に嫌われ、人に石を投げられ泥まみれ孤児院ではこき使われてきた。
それでも生きるしかないリリアは決心する。
誰にも迷惑をかけないように、森でスローライフをしよう!
それなのに―……
「麗しき私の乙女よ」
すっごい美形…。えっ精霊王!?
どうして無加護の私が精霊王に溺愛されてるの!?
森で出会った精霊王に愛され、リリアの運命は変わっていく。

土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~
にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。
「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。
主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
【完結】追放された生活錬金術師は好きなようにブランド運営します!
加藤伊織
ファンタジー
(全151話予定)世界からは魔法が消えていっており、錬金術師も賢者の石や金を作ることは不可能になっている。そんな中で、生活に必要な細々とした物を作る生活錬金術は「小さな錬金術」と呼ばれていた。
カモミールは師であるロクサーヌから勧められて「小さな錬金術」の道を歩み、ロクサーヌと共に化粧品のブランドを立ち上げて成功していた。しかし、ロクサーヌの突然の死により、その息子で兄弟子であるガストンから住み込んで働いていた家を追い出される。
落ち込みはしたが幼馴染みのヴァージルや友人のタマラに励まされ、独立して工房を持つことにしたカモミールだったが、師と共に運営してきたブランドは名義がガストンに引き継がれており、全て一から出直しという状況に。
そんな中、格安で見つけた恐ろしく古い工房を買い取ることができ、カモミールはその工房で新たなスタートを切ることにした。
器具付き・格安・ただし狭くてボロい……そんな訳あり物件だったが、更におまけが付いていた。据えられた錬金釜が1000年の時を経て精霊となり、人の姿を取ってカモミールの前に現れたのだ。
失われた栄光の過去を懐かしみ、賢者の石やホムンクルスの作成に挑ませようとする錬金釜の精霊・テオ。それに対して全く興味が無い日常指向のカモミール。
過保護な幼馴染みも隣に引っ越してきて、予想外に騒がしい日常が彼女を待っていた。
これは、ポーションも作れないし冒険もしない、ささやかな錬金術師の物語である。
彼女は化粧品や石けんを作り、「ささやかな小市民」でいたつもりなのだが、品質の良い化粧品を作る彼女を周囲が放っておく訳はなく――。
毎日15:10に1話ずつ更新です。
この作品は小説家になろう様・カクヨム様・ノベルアッププラス様にも掲載しています。

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

【本編完結】ただの平凡令嬢なので、姉に婚約者を取られました。
138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「誰にも出来ないような事は求めないから、せめて人並みになってくれ」
お父様にそう言われ、平凡になるためにたゆまぬ努力をしたつもりです。
賢者様が使ったとされる神級魔法を会得し、復活した魔王をかつての勇者様のように倒し、領民に慕われた名領主のように領地を治めました。
誰にも出来ないような事は、私には出来ません。私に出来るのは、誰かがやれる事を平凡に努めてきただけ。
そんな平凡な私だから、非凡な姉に婚約者を奪われてしまうのは、仕方がない事なのです。
諦めきれない私は、せめて平凡なりに仕返しをしてみようと思います。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる