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第一部
契約
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「森の主……ということはティターナさんが許可していただければここに住めるということですね。お嬢様、頑張ってください」
「任せて。絶対に落としてみせるわ」
『いや、本人の前でそれを話すのはどうかと思うけど……』
いきなりこの森で一番偉い人と遭遇してしまったと悲観することはありません。
むしろこれはチャンスなのです。
精霊さんと仲良くなれば、必然的にここで暮らすことが可能になるわけです。
とにかく、気合を入れねば。
「というわけで、精霊王様。私たちはここに住みたいのです」
『こんなところに住んで何を……ってさっき話してたわね』
「そうです。先ほど私が話しました」
『別にいいんじゃない?』
「「え?」」
ミシェルと声が重なりました。
何ともあっさりと許可が出てしまいましたが、一応聞いておきましょう。
「……いいのですか? 先ほどは何やら不機嫌な様子で登場されましたが」
『あ、あれは違うのよ。こ、ここに人間が来たのは初めてだから、威厳が必要だと思って。で、でも、なんだか緊張しちゃってあんな感じに……てか、あんたがあたしの話も聞かずにずっとしゃべっているからいけないのよ!』
「それは申し訳ございません。精霊さんとの初めての出会いに興奮してしまい。ところで本当によろしいのですか?」
『別に断る理由もないしね。神獣連れている時点であんたたち悪い人間じゃないのは分かるし。それに人間と話したの初めてだから……い、いや、話相手が、い、いなくて、寂しかったとか、そ、そんなんじゃないんだからねっ!』
何とも可愛らしい方なのでしょうか。
顔を真っ赤にされている様子はまさに天使のようで、つい見惚れてしまいますわ。
「ツ、ツンデレだと!? このようなものが二次元ではなく実際に存在しているなんて! ああ……神よ……この奇跡の出会いに感謝を……」
ミシェルの言っていることはよくわかりませんね。
転生前の世界の言葉だというのは分かるのですが。
神に感謝するほどうれしいことがあったみたいです。よっぽどなんでしょう。今はそっとしておきます。
「ありがとうございます。せっかくなので、仲良くしてくれませんか? 私のことはユミエラと呼んでください」
『し、仕方ないわね。そこまで言うなら……あたしのことはティアって呼びなさい。特別よ!』
「わかりました、ティア。これからよろしくお願いしますね」
これで心置きなくスローライフを満喫することができますね。
ティアが何か考え事をしている様子。どうしたのでしょうか。
声をかける前にティアが指を振りました。
すると、淡い光が私の手の甲に集まり、何か幾何学的な模様が刻まれました。
「ティア、これは?」
『ユミエラはなんか面白そうだから契約してあげたわ! これであんたがいつどこにいても私が傍に行くことができるの』
「いえ、私は別にここから離れることはあまりないと思うのですが……」
『いいのよ! もし人間の国に行くことがあれば私もつれていきなさい。一回行ってみたかったのよねぇ』
「はぁ……」
「お嬢様、それが人間にバレたりすると大変な事になるかもしれません。できるだけ隠しておきましょう」
ミシェルがそういって私の手に隠蔽魔法をかけた。手の甲にあった模様は跡形もなく見えなくなった。
いや、私人間の国に行ったりしないのですが。
しかし、ティアの楽しそうな様子を見ると、たまになら行ってもいいかなと思ってしまう。
たまにですからね。そんな頻繁には行かないですから。
というわけで、成り行きで精霊王の契約者となってしまいました。
「任せて。絶対に落としてみせるわ」
『いや、本人の前でそれを話すのはどうかと思うけど……』
いきなりこの森で一番偉い人と遭遇してしまったと悲観することはありません。
むしろこれはチャンスなのです。
精霊さんと仲良くなれば、必然的にここで暮らすことが可能になるわけです。
とにかく、気合を入れねば。
「というわけで、精霊王様。私たちはここに住みたいのです」
『こんなところに住んで何を……ってさっき話してたわね』
「そうです。先ほど私が話しました」
『別にいいんじゃない?』
「「え?」」
ミシェルと声が重なりました。
何ともあっさりと許可が出てしまいましたが、一応聞いておきましょう。
「……いいのですか? 先ほどは何やら不機嫌な様子で登場されましたが」
『あ、あれは違うのよ。こ、ここに人間が来たのは初めてだから、威厳が必要だと思って。で、でも、なんだか緊張しちゃってあんな感じに……てか、あんたがあたしの話も聞かずにずっとしゃべっているからいけないのよ!』
「それは申し訳ございません。精霊さんとの初めての出会いに興奮してしまい。ところで本当によろしいのですか?」
『別に断る理由もないしね。神獣連れている時点であんたたち悪い人間じゃないのは分かるし。それに人間と話したの初めてだから……い、いや、話相手が、い、いなくて、寂しかったとか、そ、そんなんじゃないんだからねっ!』
何とも可愛らしい方なのでしょうか。
顔を真っ赤にされている様子はまさに天使のようで、つい見惚れてしまいますわ。
「ツ、ツンデレだと!? このようなものが二次元ではなく実際に存在しているなんて! ああ……神よ……この奇跡の出会いに感謝を……」
ミシェルの言っていることはよくわかりませんね。
転生前の世界の言葉だというのは分かるのですが。
神に感謝するほどうれしいことがあったみたいです。よっぽどなんでしょう。今はそっとしておきます。
「ありがとうございます。せっかくなので、仲良くしてくれませんか? 私のことはユミエラと呼んでください」
『し、仕方ないわね。そこまで言うなら……あたしのことはティアって呼びなさい。特別よ!』
「わかりました、ティア。これからよろしくお願いしますね」
これで心置きなくスローライフを満喫することができますね。
ティアが何か考え事をしている様子。どうしたのでしょうか。
声をかける前にティアが指を振りました。
すると、淡い光が私の手の甲に集まり、何か幾何学的な模様が刻まれました。
「ティア、これは?」
『ユミエラはなんか面白そうだから契約してあげたわ! これであんたがいつどこにいても私が傍に行くことができるの』
「いえ、私は別にここから離れることはあまりないと思うのですが……」
『いいのよ! もし人間の国に行くことがあれば私もつれていきなさい。一回行ってみたかったのよねぇ』
「はぁ……」
「お嬢様、それが人間にバレたりすると大変な事になるかもしれません。できるだけ隠しておきましょう」
ミシェルがそういって私の手に隠蔽魔法をかけた。手の甲にあった模様は跡形もなく見えなくなった。
いや、私人間の国に行ったりしないのですが。
しかし、ティアの楽しそうな様子を見ると、たまになら行ってもいいかなと思ってしまう。
たまにですからね。そんな頻繁には行かないですから。
というわけで、成り行きで精霊王の契約者となってしまいました。
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