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「そろそろ、死ぬ事ができるんだ」
「…そんな」
アキラは悲しそうに言った。
しかしショウは笑った。
「ううん。もうすぐ死ねるって時に君が現れたから、今は生きなきゃって思ってる」
アキラは安心した。
「僕さ、あの日から人間の肉や血どころか、ほとんど何も食べていないんだ。水は飲んでたけど、食べたのは、君がくれたお菓子くらい」
「…」
「本当に、もうすぐ飢え死にしそうだった」
「…そうだったんだ」
「だから、前も、すごくお腹がすいてて、街に行ったら人間が沢山いるから襲ってしまうんじゃないかって思って…」
「…」
「ダメだ、ダメだって思ってたら気づいたら頭がおかしくなってたんだ」
「これ、食べようよ」
アキラは持ってきたお菓子を開けた。
ショウは嬉しそうに手に取った。
「僕さ、あんまり人間の食べ物も分からないんだ。本に出てくるものしか。最近の食べ物はまったく」
「よかったら、作るよ」
アキラは言った。
「ほんと?」
ショウは目をきらきらさせた。
「普段、自炊してるんだ」
「すごいなぁ…僕は紅茶しかないよ」
アキラはショウの顔を見て笑った。
ショウはお菓子を口にした。
「美味しい!」
「バウムクーヘンだよ」
「初めて聞いた。こんなに美味しいんだね」
ショウは幸せそうな顔をした。
そんなショウを見てアキラも笑った。
「これ」
アキラはショウのために買ったミステリー小説を取り出した。
「君が好きそうだなと思って、買ったんだ」
ショウは目を輝かせた。
「いいの…!?」
「うん」
「ありがとう!」
2人はお菓子を食べながら、好きな小説の話をした。
「…そんな」
アキラは悲しそうに言った。
しかしショウは笑った。
「ううん。もうすぐ死ねるって時に君が現れたから、今は生きなきゃって思ってる」
アキラは安心した。
「僕さ、あの日から人間の肉や血どころか、ほとんど何も食べていないんだ。水は飲んでたけど、食べたのは、君がくれたお菓子くらい」
「…」
「本当に、もうすぐ飢え死にしそうだった」
「…そうだったんだ」
「だから、前も、すごくお腹がすいてて、街に行ったら人間が沢山いるから襲ってしまうんじゃないかって思って…」
「…」
「ダメだ、ダメだって思ってたら気づいたら頭がおかしくなってたんだ」
「これ、食べようよ」
アキラは持ってきたお菓子を開けた。
ショウは嬉しそうに手に取った。
「僕さ、あんまり人間の食べ物も分からないんだ。本に出てくるものしか。最近の食べ物はまったく」
「よかったら、作るよ」
アキラは言った。
「ほんと?」
ショウは目をきらきらさせた。
「普段、自炊してるんだ」
「すごいなぁ…僕は紅茶しかないよ」
アキラはショウの顔を見て笑った。
ショウはお菓子を口にした。
「美味しい!」
「バウムクーヘンだよ」
「初めて聞いた。こんなに美味しいんだね」
ショウは幸せそうな顔をした。
そんなショウを見てアキラも笑った。
「これ」
アキラはショウのために買ったミステリー小説を取り出した。
「君が好きそうだなと思って、買ったんだ」
ショウは目を輝かせた。
「いいの…!?」
「うん」
「ありがとう!」
2人はお菓子を食べながら、好きな小説の話をした。
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