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アキラは買った本と、お菓子を持ってショウのいるお城へ向かった。
少し日が空いてしまったが、ショウは大丈夫だったのだろうか。
城の扉の前につき、ノックをする。
「…」
反応はなかった。
もう一度ノックをする。
しばらく待ってみたが、反応はなかった。
胸に不安感が募る。
恐る恐るドアノブを引くと、鍵が開いていることがわかった。
ゆっくりとドアを開けて、中に入る。
大きならせん階段のある玄関ホールを見渡してみるが、ショウの姿は見えなかった。
どこにいるのだろうか。
玄関ホールを進み、奥の応接間を覗いてみる。
こちらにも姿は見えなかった。
じゃあ図書館だろうか?
玄関ホールに戻り、入口左側の図書館を探してみる。
こちらにもショウの姿は無かった。
自分が寝かされていた1階の寝室を覗いてみたが、そこにもショウの姿は無かった。
お城の中はまだまだ部屋があるが、どこかにいるのだろうか。
アキラはこの前の出来事を思い出す。
図書館で発作を起こしたショウは…
あの時、階段を駆け上がる音が聞こえた。
2階に彼の部屋があるのだろうか?
アキラは恐る恐る階段を登る。
足音を立てないようにゆっくり登るが、それでも小さな自分の足音が聞こえてしまう。
なんとか2階にたどり着き、2階の正面の部屋のドアを開けた。
「ショウ…!」
そこには部屋の隅で縮こまるショウがいた。
自分を介抱してくれた時のショウとは大違いだった。
疲れ切っていて、今にも倒れてしまいそうだった。
「大丈夫…?」
アキラが声をかけると、ショウは泣き出してしまった。
前の時と立場が入れ替わったようだった。
ショウは離れないでと言うようにアキラのTシャツの裾をぎゅっと掴んだ。
「ごめん」
ショウは一言だけ呟いた。
しばらく沈黙が続く。
ショウは落ち着いたのか、アキラのシャツを握っていた手を離した。
「具合…悪かった?気づいてあげられなくてごめ」
「違うんだ」
アキラの言葉を遮るようにショウは言った。
そしてまた沈黙が訪れる。
ショウは重い口を開いた。
「ずっと隠してたことがあるんだ」
「…」
彼についてのたくさんの謎。
きっと、彼にとって重い内容なのだろう。
「別に、無理して言わなくても」
「ううん」
またアキラの言葉を遮った。
「隠してる方が辛いんだ」
「…」
「受け入れて貰えないかもしれないけど、聞いて欲しい」
少し日が空いてしまったが、ショウは大丈夫だったのだろうか。
城の扉の前につき、ノックをする。
「…」
反応はなかった。
もう一度ノックをする。
しばらく待ってみたが、反応はなかった。
胸に不安感が募る。
恐る恐るドアノブを引くと、鍵が開いていることがわかった。
ゆっくりとドアを開けて、中に入る。
大きならせん階段のある玄関ホールを見渡してみるが、ショウの姿は見えなかった。
どこにいるのだろうか。
玄関ホールを進み、奥の応接間を覗いてみる。
こちらにも姿は見えなかった。
じゃあ図書館だろうか?
玄関ホールに戻り、入口左側の図書館を探してみる。
こちらにもショウの姿は無かった。
自分が寝かされていた1階の寝室を覗いてみたが、そこにもショウの姿は無かった。
お城の中はまだまだ部屋があるが、どこかにいるのだろうか。
アキラはこの前の出来事を思い出す。
図書館で発作を起こしたショウは…
あの時、階段を駆け上がる音が聞こえた。
2階に彼の部屋があるのだろうか?
アキラは恐る恐る階段を登る。
足音を立てないようにゆっくり登るが、それでも小さな自分の足音が聞こえてしまう。
なんとか2階にたどり着き、2階の正面の部屋のドアを開けた。
「ショウ…!」
そこには部屋の隅で縮こまるショウがいた。
自分を介抱してくれた時のショウとは大違いだった。
疲れ切っていて、今にも倒れてしまいそうだった。
「大丈夫…?」
アキラが声をかけると、ショウは泣き出してしまった。
前の時と立場が入れ替わったようだった。
ショウは離れないでと言うようにアキラのTシャツの裾をぎゅっと掴んだ。
「ごめん」
ショウは一言だけ呟いた。
しばらく沈黙が続く。
ショウは落ち着いたのか、アキラのシャツを握っていた手を離した。
「具合…悪かった?気づいてあげられなくてごめ」
「違うんだ」
アキラの言葉を遮るようにショウは言った。
そしてまた沈黙が訪れる。
ショウは重い口を開いた。
「ずっと隠してたことがあるんだ」
「…」
彼についてのたくさんの謎。
きっと、彼にとって重い内容なのだろう。
「別に、無理して言わなくても」
「ううん」
またアキラの言葉を遮った。
「隠してる方が辛いんだ」
「…」
「受け入れて貰えないかもしれないけど、聞いて欲しい」
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