少年と山の中の古城

あおくらげ

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一日の授業が終わり、アキラは帰宅の準備を始めた。

部活は陸上部に入っていたが、部員が少なく、活動が難しくなってしまった。

陸上は個人競技とはいえ、部員が少ないということで顧問もいなくなってしまい、陸上部員は皆帰宅部ということになった。

そもそも田舎のヤンキー高校でまともに活動できている部活はほとんど無かった。

女子のラケット系の運動部がいくつかと、吹奏楽部、合唱部が残っているだけだ。

アキラ同様帰宅部は沢山いて、ぞろぞろと生徒たちが帰る中、アキラは例の3人組に絡まれた。

「おい、アキラ」

話しかけてきたのはAだ。

「…何?」

「遊びに行こうぜ」

嫌に決まってるよ。

彼らの言う「遊び」とは、僕を殴ったり蹴ったりしてストレス発散をすることだ。

アキラは断りたいと思いながらも、「わかった」と、彼らの誘いを受け入れるのだった。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「見ろよ、これ」

BはCにある新聞を持ってきた。

「図書館の古新聞コーナーにあったんだ」

「…吸血鬼?」

Cは不思議そうにBに問う。

「ああ、学校から少し歩いたとこに、立ち入り禁止って場所があるだろ。その奥の山の中に、お城があるらしいんだ。そこに吸血鬼がいるって」

目を輝かせながらBは言った。

「日本に吸血鬼がいるわけないだろ」
とC。

「でもここ見ろよ、100年前くらいに、お城に住んでた家族の女の子が殺されたらしいんだ。牙が生えてたって」

Bは新聞の文字を指さした。

「何してんだー?」

Aが陽気な声で2人の近くにやってきた。

Bは、新聞を見せて、その内容を説明した。

「…いいじゃん」

Aは楽しそうに呟いた。

「100年前の吸血鬼が生きてるわけないだろ」

Cは早く帰りたそうな感じだ。

「行ってみないとわからないじゃないか」

Aは乗り気だ。

「本当にいたらどうする?俺ら殺されたら」

Bは不安そうに言った。

「実験すればいいじゃないか」

そう言ったAの顔をB、Cは見つめた。

「エサを、置くんだよ」

「…エサ?」

がいるじゃないか」




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