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37.友人達

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「洋を助けてくれたαもいるわけだからね」

 再契約をしてくれたαは抜けてるところはあるが息子を大事にしてくれている。
 
「もう刺されないようにしてよ」

「ははっ」

 流石に人生でそんな何回も刺される事なんて流石にないだろうと思いたい。

「あんたが洋を傷付けたら刺すかもね」



 目の前に危険人物がいた。




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 最近洋は学校生活が充実して教室の中でも笑顔が増えた。

「篠原って取っ付き難いイメージだった」

 自転車に乗せてくれた友人がそう話す。
 いつも一人でいて「近寄るな」オーラを放っていたように見えた。
 
 それがただの人見知りだったなんて思わなかったらしい。
 
 当時は自分から話しかけるのが苦手だったからどうしようかと悩んでいたら次々とグループが出来上がっててボッチになったと素直に言えば笑われた。

「それで?番の人は元気なの?」

「え?あ、うん。もう仕事してる」

「怪我してるのに大丈夫なの?」

「コルセットして無理しすぎなければ大丈夫みたい」

 昊の事を話す洋の表情が恋をしている顔をしており思わず可愛く見えてしまったのだろう。

 友人達に「あんまりその顔はしない方がいいと思うよ?」と、忠告を受けた。

「·····?」

 無自覚な洋には何故友人達がそんな事を言ったのか分かっていなかった。



 ただ、友人達の忠告は間違えていない。

 最近の洋は綺麗になったと言う声がチラホラと聞こえる。
 番がいる事を知らない生徒達は洋とのすれ違いざまにチラ見をする。

「人間恋すりゃ変わるんだな」

「いやいや、うちのβ女子なんて見てみろよ。彼氏持ちでもゴリラみたいな奴いるぞ」

「あ゛ぁ?なんか言ったかβ男子?!」

 クラスの女子の耳はどうやら地獄耳の様だった。
 必死に謝る友人達が面白くてついつい声を出して笑ってしまった。


 その事を洋の家でご飯を食べている時に昊に話したのだが

「他の人に笑いかけちゃダメです」

「無茶言うな」

 ヤキモチを妬かれた。

「だって洋君の笑った顔本当に可愛いもん。口悪いし直ぐど突くし、たまにしかデレてくれないしたまに「あれ?この糞ガキ実は悪魔の化身じゃね?」ってくらい毒吐いてくるけど····」

 後半タダの悪口を言われた気がする。
 ど突くべきだろうか。

「寝てたらマジ天使だし、エッチ時のメス顔すげぇエロいし喘ぎ声とかやべぇし、出した後なのにトロトロのグズグズの顔みたらまじですぐ元気「やかましいわ!!」いったぁ!ちょ···俺けが人!!」

 途中から己の痴態の話にされて顔を真っ赤にした洋が昊をど突いたのは言うまでもない。


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