【R18】孕まぬΩは皆の玩具【完結】

一

出会い

　ヒートの日。

「んぁあっあ、あぁ、んっ」

　後背位で籠る熱を必死に腰を揺らせて発散させようとする浅ましい己の姿に周囲はゲラゲラと笑う。
　
「おい、便器の癖に何一人で気持ちよくなってんだよ」

「さっさとしゃぶれよ。」

「ん゛っ」

　毎日御奉仕をすれば自然と極められた口には最早誰もが上手くなったと褒めてくる。

「便器と言う自覚が出てきたんじゃないですか？」

　友人だった男がそんな事を言ってくる。

　一発百円と、腹部に落書きをされて

　一緒に笑って指をさされた。


「·····ぅ゛····う····」


　自分は彼に何かをしたのだろうか？





ーーーーーーーー







「··············」




　疲れたと····痛む身体に鞭を打って階段をゆっくりと上る。



　明日も地獄、明後日も地獄だと


　終わりの見えない地獄が手を仰いでこっちへ来いと呼んでいる。


　家族も友人もいない


　きっと悲しむものなんて何処にもいないと


　終わりの見える階段の先へと向かった。







「················」



　晴天の空。
　
　何も無い真っ青が綺麗だった。

　そんな綺麗な空の日に地面を汚す事になるなんてごめんなさい。


　フェンスを掴み、よじ登ろうとした時に見下ろした地面を見てやはり戸惑う。


「何してんの？」

　後ろから聞こえた声にゆっくりと振り向けば、明るめの茶色い髪をしたヤンキーがいた。


　何でこの人、こんな所にいるのだろう？


「ここ、立ち入り禁止なの知ってんの？」


　知っているから来ました。
　そういう先輩はどうなんですか？と、言いそうになる声を押し殺す。

「君、噂の玩具君だよね？」

「···········」

　人あたりの良さそうな笑みでヤンキーは聞いてくる。
　噂の玩具。

　確かに一番その呼び名が一番しっくりくる。

「どしたー？そんなシケたツラして」

笑いながら相談にのるぞと、話したことも無い相手に言われ、そんな事話せるわけがないと心の中で毒づいた。